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病におかされた50代独身会社員、自宅マンションに引き取った高齢母に病状告白も、打ち返された「まさかの暴言」に絶句

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月8日 11時15分

病におかされた50代独身会社員、自宅マンションに引き取った高齢母に病状告白も、打ち返された「まさかの暴言」に絶句

(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進展する日本では、多くの人が介護問題に直面する。しかしときには、親ではなく子のほうに健康問題が章切るケースもあり、そうなれば、事態は一層大変なものとなりかねない。実情を見ていく。

自身の老後、「お金・介護者への負担」を懸念する人が多数

もうじきお盆休み。故郷の懐かしい家に親族が集まり、楽しいひと時を過ごす人も多いのではないか。

なかには、久しぶりに親族をが顔を合わせたタイミングで、相続や介護などについて話し合いの機会を持つケースもあるだろう。

人間、年齢が高くなれば介護の懸念が生じてくる。

朝日生命『自分の老後・介護についての意識調査』によると、「将来介護が必要な状態になると思うか」の問いに「思う」「少し思う」と回答した人の合計は約7割。

「介護が必要になったときに不安に思うことは」の問いの最多の回答は「介護費用をまかなうための資金が不足すること 」が62.2%。「家族・親族に肉体的・精神的な負担をかけること」55.1%、「公的介護保険の内容だけでは支援として不十分なこと」49.1%、「家族・親族に経済的な負担をかけること」 45.8%、「介護してくれる人が身近にいないこと」45.2%、「介護がいつまで続くかわからないこと」44.9%となっている。

やはり多くの人は「お金」と「介護者への負担」を心配しているのだ。

「介護されるなら、誰にしてもらいたいか」の問いの最多は「その他の第3者」で37.4%。「夫または妻」22.1%、「子」10.7%と続く。年齢が高い層のほうが「第3者」を選ぶケースが多く、60代前半では40.8%となっている。

さらに「介護生活に望ましいカタチ」としては、「介護施設に入居する」が56.7%でトップに。以降、「在宅で家族に介護してもらう」21.9%、「在宅で家族以外に介護してもらう」が19.0%と続く。

要支援・要介護者の割合だが、60代後半では2.0%、70代前半では5.8%にだが、70代後半になると11.8%が要支援・要介護者となり、80代前半になれば、26.0%と4人に1人、85歳以上では59.5%と、2人に1人の割合になる。

50代独身女性、足腰の弱った母を自宅マンションへ

かつては自宅で家族ぐるみで行っていた介護だが、近年では、共働き家庭の増加、単身世帯の増加もあり、簡単ではない。

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、主な介護者が「ほとんど終日介護にあたったいる」という割合は、「要介護1」では11.8%だが、「要介護2」は17.0%、「要介護3」は31.9%、「要介護4」は41.2%、「要介護5」は63.1%…と、介護度が重くなるほど、負担も重くなる。

横浜市在住の50代の佐藤さん(仮名)は、同じく横浜市内の実家から自宅マンションに引き取った、80代の母親について頭を痛めていた。

「私は兄と2人きょうだいなのですが、兄は奥さんの家族と同居しています。そのため、母の面倒は妹の私が見ているのですが…」

佐藤さんは独身の会社員で、自分で購入した1LDKのマンションに暮らしている。

「母はいまのところ、内臓は健康なのですが、年齢相応に足腰が弱ってきていて、段差の多い築古の一軒家にひとり暮らしをさせておくのが心配になってきました。同じ市内とはいえ、私も働きながら介護に通うのは大変なので、うちに引き取ったのです」

妹からの病気の告白を突き放した兄

ところが、想定外の事態が起こった。会社の人間ドックで、佐藤さんにがんが見つかったのだ。

「手術が必要ということで、バタバタと手術の日程が組まれました。仕事をどうしよう、母の介護をどうしよう…と、いろいろな心配や不安が押し寄せてきました」

佐藤さんも、この時ばかりは自宅に母親を引き取ったことを後悔したという。

「ひとり静かに考える時間がほしかったのですが、むずかしい状況でした」

帰宅すると、テレビで見た内容をとめどなく話し続け、リアクションを求める母親に耐え切れず、佐藤さんは頭を冷やすため、サイフと携帯電話をもって外に出ると、兄に電話をかけた。

「母を引き取ってすぐに私の手術が決まって…。まさか会社で相談なんてできないし、だれかと話して落ち着きたかったのですが…」

佐藤さんの兄は「ああ、そう。大変だね。役に立てなくてごめんね」「でも、お母さんのことよろしくね」とだけいうと、話も聞かずにそそくさと電話を切ってしまった。

「そのあと、どうしても部屋に戻る気になれず、カフェでずっとひとり、コーヒーを飲んでいました」

母に思い切って、自分の病気のことを話したら…

佐藤さんは自宅へ戻ると、思い切って母に自分の病気のことを話した。手術が決まり、しばらく入院すること。もしかしたら、仕事復帰まで少し時間がかかるかもしれないこと。元の生活に戻れるまで、母親には施設で過ごしてもらいたいこと、などだ。

「する母は、〈そんな面倒なことになるんなら、ここに来なければよかった〉〈あなたがいなくなったあとにお母さんが困らないよう、ちゃんとしておきなさいよ〉と…」

そういうと、佐藤さんはうつむいた。

「兄といい、母といい、私をなんだと思っているのでしょう。怒鳴られたわけではありませんが、ハッキリいって暴言ではないでしょうか。ほとほといやになりました。やはり、母には施設に入ってもらおうと思います。とてもそばで面倒を見ることはできない…」

介護の負担が子どもの人生の抱えきれない重荷となることもある。家族として支え合えればいいが、だれもが理想的な着地ができるとは限らない。日本はさまざまな行政サービスが整備されている。頼れるところは頼り、利用すべきところは利用し、なにもかもひとりで背負い込み過ぎないことが重要だ。

[参照]

厚生労働省「介護給付費等実態統計月報」

総務省「人口推計月報」

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