平均給与458万円だが…「中間層の拡大」で露呈する、日本の「恐ろしい経済格差」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月12日 18時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年)より、「平均」からは見えてこない、日本人のリアルなお金事情について見ていきます。
「中間層の拡大」…眼前に現れるのは「恐ろしい格差」
現政権は「中間層の拡大」を掲げてきましたが、効果には疑問の声も。はたして「中間層の拡大」は実現しているのか、現状を見ていきましょう。
まずは業種別の平均給与。国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年)によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与について、最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の747万円。「金融業、保険業」656万円、「情報通信業」632万円と続きます。最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」の268万円。諸手当を含んだ金額であることを踏まえると、かなり厳しい現状が見て取れます。
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電気・ガス・熱供給・水道業……747万円
金融業,保険業……656万円
情報通信業……632万円
学術研究,専門・技術サービス業・教育,学習支援業……544万円
製造業……533万円
建設業……529万円
複合サービス事業……506万円
運輸業,郵便業……477万円
不動産業,物品賃貸業……457万円
医療,福祉……409万円
卸売業,小売業……384万円
サービス業……377万円
農林水産・鉱業……337万円
宿泊業,飲食サービス業……268万円
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全体平均 458万円
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業種間格差が鮮明になっていますが、それぞれの業種について「年収のボリュームゾーン」はどこかを見ていくと、また違った様相がうかがえます。
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電気・ガス・熱供給・水道業……1位「800万円超/43.5%」、2位「600万円~699万円/16.6%」
金融業,保険業……1位「800万円超/28.1%」、2位「400万円~499万円/14.4%」
情報通信業……1位「800万円超/23.7%」、2位「400万円~499万円/17.0%」
学術研究,専門・技術サービス業・教育,学習支援業……1位「800万円超/19.1%」、2位「400万円~499万円/14.3%」
製造業……1位「400万円~499万円/16.2%」、2位「800万円超/15.6%」
建設業……1位「400万円~499万円/18.5%」、2位「300万円~399万円/17.1%」
運輸業,郵便業……1位「300万円~399万円/20.3%」、2位「400万円~499万円/20.1%」
不動産業,物品賃貸業……1位「100万円~199万円/17.0%」、2位「200万円~299万円/15.8%」
複合サービス事業……1位「600万円~699万円/15.2%」、2位「400万円~499万円/14.0%」
医療,福祉……1位「300万円~399万円/23.0%」、2位「400万円~499万円/18.8%」
卸売業,小売業……1位「100万円~199万円/18.9%」、2位「200万円~299万円/15.2%」
サービス業……1位「200万円~299万円/20.1%」、2位「300万円~399万円/17.5%」
農林水産・鉱業……1位「200万円~299万円/22.8%」、2位「100万円~199万円/22.5%」
宿泊業,飲食サービス業……1位「100万円以下/28.4%」、2位「100万円~199万円/22.5%」
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「電気・ガス・熱供給・水道業」の高額っぷりに驚いた方も少なくないでしょう。
厳しい数字を記録しているのが、やはり「宿泊業,飲食サービス業」。本調査、「1年を通じて勤務した給与所得者」を対象に集計しており、正規・非正規の垣根はありません。飲食業に関しては、パートタイムで働く方々が多いのも関係してはいるものの、それでもなお、業種間格差をあまりに痛感してしまう数値です。
「所得」を見ていくと…「悲しい現実」が明らかに
このデータは「給与」、つまり働く日本人に限った「お金」ですが、そのほか公的年金や私的年金、資産運用によってそのほかの収入を得ている方々も少なくありません。
そこで厚生労働省『国民生活基礎調査』(2023年)より、広く平均所得について見てみると、1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が524万2,000円。「高齢者世帯」が304万9,000円、「高齢者世帯以外の世帯」が651万1,000円、「児童のいる世帯」が812万6,000円となっています。
やはり気になるのは分布図。同調査によると、「100~200万円未満」が14.6%、「200~300万円未満」が14.5%、「300~400万円未満」が12.9%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値は405万円。平均所得金額(524万2,000円)以下の割合は62.2%と過半数を超えています。
政府が拡大を目指す「中間層」の指し示す数字とは、一体何でしょうか。円安とインフレが続く今、国民の「お金への視線」はより一層鋭くなっています。
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