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定額減税の実施・新紙幣発行の裏で詐欺被害が急増中!自分や家族を守るためにいま知っておくべき「最新の手口」と「防衛策」【FPの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月16日 7時15分

定額減税の実施・新紙幣発行の裏で詐欺被害が急増中!自分や家族を守るためにいま知っておくべき「最新の手口」と「防衛策」【FPの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

今年に入って「定額減税」や「新紙幣発行」など、お金に関わる大きな変化が起きていますが、同時にこうした状況に乗じた詐欺被害も増加しています。詐欺の手口は非常に巧妙で、「自分は騙されないので大丈夫」と思っていても、高齢の親や子どもなど自分以外の家族がいつの間にか被害者になってしまう可能性もあります。そこで本記事では、最近の事例を含めた各種詐欺の手口とその対策について、村井美則FPが解説します。

定額減税や新紙幣の詐欺の手口

定額減税に関連した詐欺被害の多くは、犯人が国税庁・税務署・役所・金融機関の職員と名乗って被害者に近づいてきます。電話やメールで銀行の口座情報を聞き出そうしたり、還付手続きのためとウソを言ってATMで振込指示をしてきたりするケースもあります。

たとえば以下のような巧みな話術で騙してきます。

「定額減税の還付金がありますから、今日中に手続きしてください」 「過去に働いていた間の超過納税分の還付があります」 「定額減税の払戻しが〇〇円で、後ほど銀行の職員に連絡させます」 「定額減税の支払期限が近づいているので払い戻しの手続き方法をお伝えします」 「近くのキャッシュコーナーで払戻しの書類作成ができます」 「現金でお返ししますので、キャッシュカードを持って金融機関に行ってください」 「ATMに着いたらこの番号に電話をしてください」 「〇曜日に還付金が振り込まれるので、それより前にカードや通帳を使うと手続きがブロックされるので使わないようにしてください」

このようにATMに向かわせる手口のほかにも、「差し押えを行う」、あるいは「還付金の振込先等の入力」を求める旨のメールやショートメッセージが送られてきたり、国税庁やホームページになりすました偽のホームページへ誘導されたりするケースもあります。

このほかに、今年7月3日の新紙幣発行に関連した詐欺も横行しています。

「従来の紙幣は使えなくなるので回収し、新紙幣と交換します」 「古い紙幣を振り込めば、新しい紙幣に交換するので口座に振り込んでください」 「ATMで紙幣を使えるか調査を行っているので、協力してください」 「その新紙幣は偽札なので交換しましょう」 「職員が自宅まで古いお札の交換に行きます」 「国が新紙幣の発行枚数を決める調査をしているので、旧紙幣を自宅で保管していれば職員に預けてください」

このようなひどいデマ情報を流すほか、巧みな話術を用いてお金を搾取しようとします。もちろん、新紙幣が発行された後も旧紙幣は使えます。そして、金融機関や行政の機関が旧紙幣から新紙幣への交換を求めることは絶対にありません。

詐欺に遭わないために定額減税の仕組みを把握しておく

詐欺に遭わないためにも、定額減税について正しい知識を身に付けておくことが必要です。定額減税は日本国内に住所があり、年間の合計所得金額が1,805万円以下などの要件を満たす人に、所得税から1人3万円、住民税所得割から1人1万円、合計で4万円減税される仕組みです。定額減税の対象ではない「住民税非課税世帯」や「住民税均等割のみ課税世帯」には給付金が支給されます。

定額減税を受ける際の手順は、以下のようになっています。

・給与所得者:勤務先が事務手続きを行う

・年金受給者:公的年金等の支払者である厚生労働省や共済組合などが行う

・自営業者や個人事業主:所得税は確定申告、住民税は普通徴収から減税

・定額減税しきれないと見込まれる人:定額減税しきれない額を1万円単位に切り上げて算定した「調整給付金」が支給される(※)

※調整給付金の支給対象者には市区町村から申請に関する確認書が順次送付されています。7月発送の自治体が多いようですが、届くタイミングや支給日・申請締切日は各自治体で異なります。確認書が届いた方は申請締切日までに手続きを行いましょう。

詐欺に遭う心理を理解し防止する

詐欺の巧妙な話術は、人間の弱い心理を突いてきます。あらかじめこの点を理解しておくことも必要です。

1. 恐怖感を与えたり不安にさせたりする

被害者の恐怖や不安に付け込みます。「お金がなくなってしまう」「家族に何かが起きている」といった不安をあおり、冷静な判断を鈍らせます。

2. 信頼性・権威性を利用する

国税庁・税務署・金融機関職員を名乗るなど、信頼性を利用します。これらの機関からの連絡は重要かつ緊急だと思い込みやすく、冷静な判断力を失いがちになります。さらに、税金や金融に関する専門用語を巧みに使い、被害者を混乱させます。

3. 緊急性をあおり、焦りを利用する

「今すぐお金を振り込まないと間に合わない」「すぐに手続きしないと不利になる」「口座が凍結される」などと焦らせ、冷静な判断を妨げて判断する時間を与えません。

4. 社会的な孤立を狙う

孤独を感じている人や周囲に相談できる人がいない人は、特に詐欺の被害に遭いやすいといわれています。独居老人が狙われる理由でもあります。

5. 認知機能の低下

高齢者や認知機能が低下している人は、詐欺犯の巧妙な手口に気づきにくく、被害に遭うリスクが高まります。家族がしっかりフォローする必要があるでしょう。

いかがでしょうか。自分は大丈夫と思っても、家族がこのような状態に陥る可能性はないでしょうか? 詐欺師は心理戦を仕掛けてきますので、自分は騙されないでなく、騙されるかもしれないと用心することが必要です。

詐欺と疑われる事案に遭った場合は

2023年の特殊詐欺の認知件数は19,038件(+1,468件、+8.4%)、被害額は452.6億円(+81.8億円、+22.0%)と、前年に比べて件数も被害額も共に増加しています。

私が金融機関で働いていたとき、ロマンス詐欺・振り込め詐欺・架空投資詐欺の被害者からの相談を何度も受けました。頑張って貯めてきたお金を搾取された方々の無念さや悲しさに接し、大変腹立たしく感じたものです。

自身が、そして家族が詐欺に遭わないために、特に高齢のご家族がいる方は、「不審な電話には出ない」「何かあったら家族や友人、専門家に相談できる環境をつくる」「電話指示でATMは操作しない」「銀行口座番号や暗証番号など、個人情報を教えない」ことを徹底しましょう。

それでも詐欺被害に遭ってしまった、もしくは詐欺の可能性があると感じたら、お近くの警察本部または警察署に問い合わせするか、警察相談専用電話(「#9110」番)に電話してすぐに相談してください。

【参考】

国税庁 特殊詐欺に対する予防対策、注意喚起点等の概要を掲載

国税庁 定額減税 特設サイト

村井 美則

ファイナンシャル・プランナー

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