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「主人が待っているので」と年金14万円・76歳母が忽然と消えて…老人ホームで起きた大騒動「驚きの結末」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月18日 17時15分

「主人が待っているので」と年金14万円・76歳母が忽然と消えて…老人ホームで起きた大騒動「驚きの結末」

(※写真はイメージです/PIXTA)

様々な脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下することで認知機能が低下して社会生活に支障をきたした状態である認知症。体は元気というケースも珍しくはなく、ほかの介護とは違う難しさがあります。ときに驚愕の事件が起きることもあるようです。

認知症の家族の介護…ひとり抱えてしまう自滅パターン

年齢とともに認知症の罹患率は高まっていきます。内閣官房の資料によると、70~74歳で4.1%だった認知症有病率は、75~79歳で13.6%、80~84歳で21.8%、85~89歳で41.4%と上昇。さらに男女別にみていくと、女性のほうが有病率は高く、80代後半では男性35.0%に対し、女性は43.9%となっています。

また認知症患者の今後の推移については、各年齢の認知症有病率が一定の場合2025年に675万人、2030年には744万人、2040年には802万人と、高齢者の5人に1人は認知症。さらに各年齢の認知症有病率が上昇する場合では、2040年に953万人、高齢者の4人に1人が認知症を発症するとされています。

当然、親が認知症に……という人も増えていくでしょう。もし家族が認知症になったら……公益社団法人認知症の人と家族の会では『「認知症」の人のために家族が出来る10ヵ条』を以下のように紹介しています。

1.見逃すな「あれ、何かおかしい?」は、大事なサイン。

2.早めに受診を。治る認知症もある。

3.知は力。認知症の正しい知識を身につけよう。

4.介護保険など、サービスを積極的に利用しよう。

5.サービスの質を見分ける目を持とう。

6.経験者は知恵の宝庫。いつでも気軽に相談を。

7.今できることを知り、それを大切に。

8.恥じず、隠さず、ネットワークを広げよう。

9.自分も大切に、介護以外の時間を持とう。

10.往年のその人らしい日々を。

家族が認知症となったとき、その介護負担で家族全員が共倒れ、というケースは珍しくありません。いかに認知症を知り、いかにまわりに協力を仰ぐかが重要のようです。

認知症の母親(76歳)をもつ佐々木聡子さん(仮名・54歳)もまた、“家族の10ヵ条”の通りと実感するひとり。母親の認知症が発覚したのは4年ほど前。当初は必要なときにサポートする程度でしたが、症状が進行するに従い、サポートが介護となり負担は大きくなっていきました。仕事と介護の両立は大変でしたが、ひとり、その負担を抱え込んでいたといいます。

そんなとき、母親がひとり外出したきり戻ってくることができず、隣町で保護されるという事件が起こります。保護されるまで、気が気でなかったという聡子さん。発見されたときにひとりで抱え込むこと、在宅で介護を続けることに限界を感じたとか。

――これ以上、ひとりで抱え込んでいたら自分も倒れてしまう

こうして、母親を老人ホームに預ける決意をしたといいます。

老人ホームに入っていても母が行方不明に…混乱のなか「心当たりが」と叔母が

老人ホームの入居費用は、家賃の前払いとなる入居一時金と、月額費用があります。入居一時金は0~数千万円、富裕層をターゲットにしたホームでは数億円とピンキリ。また入居一時金のないプランも用意する施設もありますが、そのぶん、月額費用が高くなるというケースがほとんどです。

月額費用に何が含まれているかは施設によって異なりますが、通常、家賃や管理費、食費、水道光熱費、(介護付き施設であれば)介護費が含まれ、そのほか、美容代やおむつなどの日用品、レクリエーション代などは別途かかることがほとんど。その費用も施設によってまちまちなので、身の丈にあったところを選ぶことが肝心です。

聡子さんの母親の場合、毎月の年金は月14万円程度。預貯金は500万円程度。予算的に選択肢はそれほど広くはないことは明らかでした。ただ以前、母の実家があった町(現在の自宅から車で30分ほど)に、予算的にも問題なく、即入居可能なホームが見つかり、母を預ける決心をしたといいます。

厚生労働省の調査によると、介護を理由に会社を辞めてしまう人は、年間8万~10万人程度いるといわれています。たとえば夫婦共働きで、自身が仕事を辞めても将来的にも困らないならいいのですが、仕事を辞めたことで自身の老後にも出てきてしまうケースが多発。問題視されています。不本意な介護離職とならないためにも、まずは、周囲にサポートをお願いすることが重要なのです。

ただ老人ホームに預ければ絶対安心、というわけではありません。聡子さんの母親の場合も、ホームに入居後に事件が勃発しました。

以前のように、母親がひとりでホームを出たきり、帰ってこないというのです。

――えっ、なんでですか?

知らせを聞いて駆けつけた、聡子さんとその夫、叔母が、施設のスタッフに詰め寄ります。話を聞くと、「主人が待っているので」とスタッフに言い残し、外出していったというのです。話しかけられたスタッフは施設に入りたての新人で、母親の夫がすでに他界していることは知らず、「家族が面会に来ているんだ」と思い、気に留めなかったというのです。

認知症とはいえ、まだ体は元気の母親。ずいぶん遠くへ行ってしまっただろうか……そう悲観していると、「行く先に心当たりがある」と叔母。そしてホームから車で走ること10分。市内を見晴らす丘の公園に着きました。

――ここにいるような気がする

聡子さんら家族と、施設のスタッフで園内を探していると、なんと、叔母が言っていたように、特に眺めのいいベンチにひとり座っている母親を発見。

――あら、XX(夫=聡子さんの父親)さん、遅かったわね

聡子さんの夫に話しかける母親。どうも母親は結婚前の20代の頃に帰っているよう(=回帰型認知症)。そして聡子さんの夫に、自身の夫(聡子さんの父親)を重ね合わせているのでした。

――姉とXXさんは、よくここで逢瀬をしていたのよ。「主人が待っている」と言っていたというから、ピンときたの

と叔母。さすがのファインプレーでした。

無事、母が見つかり1件落着。ホームのほうでも、再発防止に向けて対策が講じられるようになったそうです。

施設に入居していても、徘徊などにより、行方が分からなくなるケースもあり、ときに事故・事件に巻き込まれて悲惨な結果を迎えることも。認知症を理由に老人ホームへの入居を検討する場合、脱走対策や予防策についてもしっかりチェックしておくと安心です。

[参照]

内閣官房『認知症年齢別有病率の推移等について』

政府広報オンライン『知っておきたい認知症の基本』

厚生労働省「雇用動向調査」

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