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株式投資の“楽しみ”のひとつだが…「株主優待」を重視した銘柄選びの注意点【杉原杏璃が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月14日 8時15分

株式投資の“楽しみ”のひとつだが…「株主優待」を重視した銘柄選びの注意点【杉原杏璃が解説】

株式投資をする目的やメリットがわからないという投資初心者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。投資家である杉原杏璃氏の著書『マンガでよくわかる資産運用1年生 億り人杉原杏璃と一緒に』(かんき出版)より、会社の経営に参画することと経済的メリットを享受できることについて詳しくみていきましょう。

株式に投資するってどういうこと?

株式に投資する目的は、2つあります。

それは会社の経営に参画することと、経済的メリットを享受することです。

会社の最高意思決定機関は「株主総会」です。株式に投資して株主になると、株主総会に参加する権利が得られます。

これは10万株を持っている大口の投資家も、100株の最小単位しか保有していない投資家も同じです。取締役決議を覆すためには、物凄い株数を持たなければなりませんが、100株しか持っていなくても、株主総会で発言する権利は得られます。その意味で、保有している株数に関係なく、投資先である会社の経営に参画する権利が得られるのです。

次に経済的メリットですが、株主になるとその会社が得た利益の一部を「利益配当金」という形で受け取る権利が得られます。

利益配当金とは、会社が1年間の事業を行った結果として得た収益から、法人税を含む、さまざまな経費を差し引いた残りの利益である「純利益」の一部を、株主に分配するものです。

つまり株主は、会社が事業を行うことによって得た利益の一部を受け取る権利があるのです。この利益配当金のことを、「インカムゲイン」とも言います。

また、「キャピタルゲイン」という言葉があります。

これは株価の値上がり益のことです。

株式は証券取引所に上場され、そこで不特定多数の投資家によって売買されます。

その売買時に適用される価格が株価です。株価は常に値上がり・値下がりを繰り返しています。そのため、ある会社の株式を買った後、その会社の人気が高まって株価が上昇することがあります。この値上がり益がキャピタルゲインです。

株式投資によって得られる経済的メリットのうち、利益配当金はその会社の利益から支払われますが、値上がり益は市場参加者の期待感を反映したものです。

市場での期待感が膨らむと、株価は大きく値上がりします。そのため、株価の値上がり益は、利益配当金に比べてはるかに大きくなる可能性がある一方で、期待外れになると売りが押し寄せ、大きく値下がりするリスクも併せ持っています。

とはいえ、株価が10倍に値上がりする可能性も十分にあるため、多くの株式投資家は、この値上がり益を求めて日々、銘柄を探しているのも事実です。

株式に投資するメリット「株主優待」

株式投資の経済的メリットにはもう1つ、「株主優待」があります。株主優待はもともと、株主になってくれている投資家に対して、会社の製品やサービスに対する理解を深め、長期にわたって株主になってもらうことを目的にしたものです。

たとえば、外食関連であれば、お店で飲食した時に安くなる割引券、映画会社であれば映画の優待券、交通機関であれば電車や飛行機の割引券などが提供されます。

投資家のなかには、株主優待狙いで銘柄を選ぶ人もいます。もちろん私も、日常生活で頻繁に使うものが株主優待として提供されていれば、株主優待狙いで投資しないこともないのですが、大事なのは優先順位を間違えないことです。

いくら株主優待が魅力的だったとしても、株価が大きく下がってしまったら、元も子もありません。ですから、まずは株価が値上がりしそうな業績面やテーマ性で見て魅力的な会社に、投資することを第一に考えます。

とはいえ、株価が下落した場合に備えて、利益配当金の額と、株主優待を現金化した場合の価値を合わせて利回りにした「配当+株主優待利回り」に注目することもあります。

この利回りが仮に10%を超えていたら、株価が大きく値下がりしたとしても、10年間保有し続ければ、元を取れることになります。

私の場合、基本的に現物取引なので、株価が買値に比べて値下がりしたとしても、買値を上回るまで保有し続けます。なので、「配当+株主優待利回り」の高い銘柄への投資は、結構有効です。

杉原杏璃

投資家

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