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【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…8月第4週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月20日 17時0分

【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…8月第4週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」

(※写真はイメージです/PIXTA)

不安定ながらも円高傾向が続く値動きのなか、「円安トレンド」の転換が予感される現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、今週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな「注目の経済指標」について、東京海上アセットマネジメントが解説します。

前週の米ドル/円の振り返り

為替市場では、主要株式市場の上昇を背景としたリスク選好の円売り米ドル買いと、米利下げ観測の高まりを背景に日米金利差の縮小を意識した円買い米ドル売りが綱引きする展開となり、14日にかけて1米ドル=147円前後を中心とした動きとなりました。その後は7月の米小売売上高の堅調さを背景とした米金利の上昇を受け、円安米ドル高が進行し、16日には1米ドル=149.13円と、9日(147.66円)に比べ、円安米ドル高となりました(図表1)。

4-6月期の実質GDPは市場予想を上回る成⻑率に

内閣府が公表した「四半期別GDP速報」によると、2024年4-6月期の実質GDP(1次速報値)は前期比+0.8%(前期比年率+3.1%)と、2四半期ぶりのプラス成⻑となりました(図表2)。

需要項目別では、⺠間消費(前期比+1.0%)や設備投資(同+0.9%)、住宅投資(同+1.6%)などの国内⺠間需要(以下、内需)がいずれもプラスに転じました(図表3)。

一方、輸出は前期比+1.4%とプラスに転じたものの、輸入の伸び(前期比+1.7%)を下回ったため、外需寄与度は前期比▲0.1%と成⻑率を押し下げました。

⺠間消費は前期比+1.0%と、5四半期ぶりの増加となりました。物価高による下押しが続くなか、大手自動車メーカーの認証不正問題の影響により、1-3月期に落ち込んだ自動車の販売が、挽回生産によって持ち直したことが⺠間消費を押し上げました。⺠間消費の内訳をみると、自動車販売の回復を受け、耐久財消費が前期比+8.1%と1-3月期(同▲11.0%)から持ち直したほか、被服や履物などの半耐久財消費、食料などの非耐久財消費も増加しました(図表4)。

春闘賃上げ率を反映した賃金の増加や定額減税の影響などが、非耐久財消費や半耐久財消費を押し上げた可能性があります。4-6月期は財消費が揃って増加したものの、⺠間消費が4四半期連続で減少した点を考慮すると、戻りは鈍い状況にあります。定額減税による押し上げ効果は一時的であり、物価高による節約志向は根強いだけに、7-9月期の⺠間消費がプラスを維持できるかは、不透明な状況にあるといえます。

設備投資は増加基調に

設備投資は前期比+0.9%と2四半期ぶりのプラスとなりました。1-3月期は大手自動車メーカーの認証不正問題の影響により、前期比▲0.4%と落ち込んだものの、4-6月期は自動車の挽回生産に伴い、1-3月期の落ち込みを取り戻した格好となります。

日銀が7月1日に公表した短観では、企業の積極的な設備投資計画が示され、特に省力化や脱炭素、DX関連投資の需要が旺盛であることから、4-6月期以降も増加基調をたどることが予想されます。

輸出は前期比+1.4%と、2四半期ぶりのプラスとなりました。もっとも、4-6月期は自動車の挽回生産があったにもかかわらず、1-3月期が前期比▲4.6%と大きく落ち込んだ後としては、戻りは鈍いといえます。輸入も前期比+1.7%と、1-3月期の落ち込み(前期比▲2.5%)を取り戻しておらず、内需が本格的な回復に至っていない可能性を示唆しています。

2024年4-6月期は2四半期ぶりのプラス成⻑に回帰したものの、1-3月期に落ち込んだ反動という側面が強く、景気が本格的な回復軌道に乗ったと判断するのは、時期尚早といえます。実質GDPは、直近のピーク(2023年4-6月期)をつけた後、一進一退で推移しています(図表5)。

景気の回復を確認するためには、7-9月期の動向を見極める必要があります。

米国の新規失業保険申請件数やジャクソンホール会議などに注目

今週は、米国で公表される新規失業保険申請件数やジャクソンホール会議(カンザスシティ地区連銀主催のジャクソンホール経済シンポジウム)に注目しています(図表6)。

7月の米雇用統計では失業率が4.3%(6月︓4.1%)と予想外に上昇したことで、サーム・ルールに基づく数値は0.53%と6月(0.43%)から上昇し、景気後退を示唆する水準に達しました(図表7)。 (※)失業率の過去12か月の最低値に対して直近3か月平均が0.5%上昇した時に景気後退が始まるとされる法則

市場の焦点が次回8月の雇用統計(9/6公表)にシフトするなか、雇用統計の公表に先立って発表される新規失業保険申請件数の重要性が増すことになりそうです。新規失業保険申請件数が増加基調を強めれば、8月の失業率悪化、ひいては景気後退入りへの懸念が再び強まることが予想されます。(新規失業保険申請件数の推移は図表8参照)。

前述の通り、インフレ鈍化傾向を示した7月の米CPIやPPI、新規失業保険申請件数の結果を確認した後、市場の焦点は8月22-24日開催のジャクソンホール会議へシフトすることになります。

近年、ジャクソンホール会議は中央銀行総裁が金融政策運営の方針を示す場として注目されています(図表9)。

今年は、パウエルFRB議⻑が9月利下げを示唆するかが焦点となります。7月30-31日に開催されたFOMC後の記者会見で、パウエルFRB議⻑は「政策金利を引き下げるのに適切な時点に近づいている」「期待しているデータを入手できれば、利下げは9月会合から検討できる」などと発言しており、その後公表された経済データでは、9月利下げを正当化する結果が示されています。

また、ジャクソンホール会議のテーマは「金融政策の有効性と伝達の再評価」となります。金融政策が経済や物価に与える影響(波及経路や時間的なラグ等)について、議論・分析が行われる可能性があります。早ければ、9月にも利下げが開始される状況において、市場の関心は、その後の利下げペースやターミナルレート(政策金利の最終到達点)にシフトすると考えられ、今後の金融政策運営に関するヒントが提供されるかも注目されます。

東京海上アセットマネジメント

※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…8月第4週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」』を参照)。 

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