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年金月20万円、預金1,000万円超の79歳・元公務員男性が「家賃滞納」の謎…しびれを切らしたオーナーが家に突撃→まさかの光景に思わず「なんでこんなことに?」【FPの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月30日 11時15分

年金月20万円、預金1,000万円超の79歳・元公務員男性が「家賃滞納」の謎…しびれを切らしたオーナーが家に突撃→まさかの光景に思わず「なんでこんなことに?」【FPの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

日本賃貸住宅管理協会によると、全国の賃貸物件における滞納率(1ヵ月)は0.8%と、およそ125世帯に1件が家賃を滞納しています。保証会社の普及や審査の厳格化で滞納者の割合は年々減少傾向にあるものの、深刻なのが「高齢者による滞納」です。賃貸マンションで暮らす元公務員Aさんの事例をもとに、AFPの石川亜希子氏が解説します。

もはやボランティアですよ…不動産オーナーの苦悩

マンションやアパートを何軒も所有していると聞くとなんともうらやましいと思ってしまいますが、時にはそうともいえない事情もあるようです。

入居者が高齢で、家族や親戚とも付き合いがないようなケースでは、家賃を滞納していてもなかなか追い出せず、それどころか色々な世話をするはめに。

「もはやボランティアですよ……」と、とあるオーナーは自嘲気味に、最近あった事例を話してくれました。

元公務員の入居者、悠々自適な老後と思いきや…

マンションの一室に暮らすAさん(79歳)は元公務員で、若いころに離婚して以来、ずっと一人暮らしのようです。月に20万円ほどの年金を受給していて、退職金もあり、賃貸契約時の預金額1,000万円以上。経済的に困窮しているようには見えませんでした。

Aさんは一人暮らしとはいえ非常に社交的で元気そうでしたし、元公務員ということで悠々自適な老後なんだろうとオーナーも安心していました。

しかし、だんだん家賃をきちんと振り込んでくれないことが増え、その都度催促することが続きました。そして、Aさんがだんだん小さくなっていくようにも見えたのです。

あるとき、ついに滞納が3ヵ月をすぎ、しびれを切らしたオーナーは部屋を訪ねました。

最初はなかなかドアを開けてくれなかったAさんでしたが、オーナーの粘り強い声掛けでようやくチェーン越しに顔を見せました。

「すみません、ちゃんと払います……」

「お願いしますね、何か困ったことがあったら相談してくださいね」

そんなやり取りを交わしましたが、ドアの隙間から見えたAさんの部屋に驚いたオーナーは、これはただ事ではないと、海外に住んでいるAさんの長女に初めて連絡を取りました。

オーナーから話を聞き驚いた長女は、都合をつけて1ヵ月後に一時帰国。最初は長女の帰国に驚き、家にあげることにも抵抗したAさんでしたが、長女の説得に観念したようです。

なんでこんなことに…長女とオーナーが唖然としたAさんの現状

渋々玄関の扉を開けたAさん。Aさんの部屋を見た長女とオーナーは、おもわず固まってしまいました。

「なんでこんなことに……」

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響もあり、一人暮らしのAさんは話す人がおらず孤独に苛まれたそうです。そのようななか、たまたまテレビでみかけた通販番組にハマってしまい、買い物依存症に。結果、Aさんの部屋は通販や訪問販売などで購入したさまざまなモノで溢れかえっていたのでした。

片づけを済ませた長女は、何度も「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と深々頭を下げます。ただ、長女によると「あと数年は日本に戻れない」とのことでした。

ひとまずは遠隔の見守りサービスを利用しながら、自治体にも相談するとのことです。また、オンラインで子どもや孫と顔を見せ合い、人と話す機会も増やすことになりました。

日本の社会問題…高齢者の身に起きる、孤独死の実態

「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計(令和2年)」を見てみると、ひとつの特徴があります。

それは、女性の単身世帯の場合、年齢が上がるにつれて亡くなる人数も増加するのに比べ、男性の単身世帯では70~74歳で亡くなる人の割合が最も多いという点です。

70~74歳というと、現役を引退し社会との接点が無くなってから数年で、日本人の平均寿命から考えても早すぎるように感じられます。

男性のほうが孤独死が多い理由として、

・生活力がない

・近所付き合いがない

・人を頼れない

などが挙げられます。

生活力がなくて家事が苦手なままだと衛生状態や健康状態が悪化し、突然死のリスクが一気に高まってしまいます。

さらに、会社員生活がこれまでの人生の大半を占めている場合、肩書きや上下関係、損得などのないフラットな付き合いを築いていくのが苦手な傾向にあります。また、仕事などで頼りにされてきた経験が多いほど、余計なプライドが邪魔をして人に弱みをみせられず、何かあっても誰にも相談できない場合も多いのです。

もちろん経済的な困窮も孤独死の要因になりますが、Aさんの事例からもわかるように、生活に必要な老後資金があるから安心ということでもないといえるでしょう。

自分や家族の「孤独死」を防ぐには

孤独死を避けるには、

・経済的に困窮しないこと ・心身ともに健康であること

これらのバランスが大切です。

老後、経済的に困窮しないためには、まずは現役時代から自分が年金をどのくらい受け取れるのかしっかり把握しておくことが大切です。ねんきん定期便は毎年誕生月に郵便で届きますので、定期的に確認するようにしましょう。

そのうえで、家計簿をつけ支出を把握すること、iDeCoなど節税しながら老後資産を増やすことも心がけたいところです。

また、心身ともに健康でいるためには、人との交流が欠かせません。

Aさんの長女は、Aさんと頻繁に連絡を取るようになれば、Aさんの小さな異変にも気づきやすくなるかと思います。

また、なるべく外出することを心がけ、地域のコミュニティに積極的に参加することもおすすめします。

ただ、そうはいっても気軽に交友関係を広げられない……そのような場合は、65歳以降も適度に仕事をするのがよいのではないでしょうか。人とのつながりも生まれますし、収入も得られて一石二鳥です。

健康に不安がある場合は、自治体や民間の見守りサービスや食事の宅配サービスを利用することも検討しましょう。

安心できる老後を送るために

人生100年時代といわれるようになり、老後と呼ばれる期間はどんどん長くなっています。高齢者の単身世帯は今後も増える見込みで、誰もが単身世帯になる可能性があります。

現役時代から年金をどれくらい受給できるか確認し、足りない分を計画的に準備しておくようにしましょう。

また、心身ともに健康であることもとても大切です。人と交流する、体を動かす、趣味を楽しむ、そんな時間も大切にして、孤独とは無縁の充実した老後を送りたいですね。

石川 亜希子

AFP

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