子どもの〈健全な成長〉を願う親たちへ伝えたい…〈良い親〉を目指すより大切な「たった一つのこと」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月9日 7時0分
(※画像はイメージです/PIXTA)
どんな親でも、自分がなれる最良の親になりたいと思うことでしょう。しかし、時として、自分自身や子どもを「判定」したがる習慣が、それを阻むことが少なくありません。本記事では、英国の心理療法士、フィリッパ・ペリー氏による著書『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(日経BP 日本経済新聞出版・刊、高山真由美氏・訳)より一部を抜粋・再編集して、より良い親子関係を築くために、親が子にすべき姿勢について、詳しく解説します。
「良い親」と「悪い親」
皆さん、おそらく自分がなれるなかで最良の親になりたいと思っているのではないでしょうか。それを阻む障害物の1つは、自分自身やほかの人々を判定しようとする習慣です。
私たちには自分を親として判定したがる傾向がありますが、これは心理療法士の悩みの種です。「良い親」あるいは「悪い親」というラベルは役に立ちません。両極端だからです。いつも完璧に子どもと波長を合わせることなど不可能だし、善意でしたことが有害な結果をもたらすこともあります。
しかし「悪い親」のラベルを貼られるのはいやなので、間違いをおかしたとき(誰もが間違いをおかすわけですが)、私たちはその間違いがなかったふりをします。こうした「良い母親」「悪い父親」(あるいはその反対)のような考え方が存在するせいで、私たちは少しでもやましさを感じるような行動については自己弁護に走ります。
そうすると、子どもと同調できない点や、子どもの感情的なニーズを無視してしまっている点を直視しなくなります。子どもとの関係を改善する方法に注意を払わなくなるのです。これはうしろめたい事柄から逃れ、自分が正しいという主張を隠れ蓑にすることにもつながります。そうすれば「良い母親」「良い父親」というアイデンティティにしがみつけるからです。
問題を直視することを親が怖れると、子どもにも良い影響はありません。間違いは―子どもの感情が重要でないかのようにふるまうことや、その他、親の誤りはなんでも―私たちが自分の行動を変え、断絶を修復するなら、それほど大きな問題ではありません。しかし恥ずかしく思う気持ちが強すぎて失敗を認めることができないと、物事を正すこともできません。「悪い親」というラベルはこの恥ずかしく思う気持ちを増大させるのです。
母親や父親の属性に「良い」「悪い」を加えるのはやめましょう。完全な善人も完全な悪人もいないのです。不機嫌で、それを正直に顔に出す親(ふつうは「悪い親」というラベルを貼られます)は、やさしい見せかけの陰でストレスや怒りをためこんだ親よりはるかにましです。
子どもの成長に良い影響を与える「声かけ」
自分を判定すべきでないのと同じように、子どものことも判定しない努力が必要です。何かを箱にしまい、ラベルを貼っただけで忘れてしまえれば都合はいいかもしれませんが、良い影響はありません。その箱のなかに入れられた人にとってはなおさらです。
子どもを判定するのはなんの役にも立ちません。「おとなしい子」「不器用な子」「うるさい子」などといったラベルに縛られていては、自由に伸びていくことが難しいからです。
人間は常に変化し、成長します。とりわけ子どもはそうです。だから判定して断ずるよりも、あなたが目にするものを表現し、高く評価する言葉を口にするほうがずっといいのです。
たとえば、こんなふうに言いましょう。「あなたがその計算にすごく集中しているのが、とてもいいと思った」。これはただ「算数が得意なのね」と言うよりずっといいのです。同様に、単に「いい絵だね」と言うのではなく、「よく考えて描いてあるね、感心したよ。家が笑っているみたいに見えるところが好きだなあ。楽しい気持ちになれる」と伝えましょう。努力を褒め、あなたが見たものや感じたものを表現して子どもを励ますのです。
高く評価できる具体的なポイントを見つけて言葉にすれば、「いいね」のような型どおりの判定よりずっと励みになります。たとえ1ページ丸ごとぐちゃぐちゃの汚いノートでも、ある1文字が完璧に整っていたら、「この字がきれいに書けてるところが気に入ったよ」と言えばいいのです。きっと次にはきれいな文字がもっと増えるでしょう。
フィリッパ・ペリー
心理療法士
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