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調子にのっていました…世帯年収1,500万円の40歳夫婦、「1億円の住宅ローン」で湾岸タワマン購入も、破産を前に大後悔

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月21日 8時15分

調子にのっていました…世帯年収1,500万円の40歳夫婦、「1億円の住宅ローン」で湾岸タワマン購入も、破産を前に大後悔

(※写真はイメージです/PIXTA)

低金利を背景に、夫婦で高額の借入れを行い、タワマン購入層の主役に躍り出たパワーカップルたち。しかし「夫婦2馬力でタワマン購入」には博打に近いリスクが隠されています。

東京・湾岸エリア…1億円を超えるタワマンを買ったパワーカップル

不動産経済研究所によると、首都圏の1都3県で7月に発売された新築マンションの戸数は、昨年比4割減。建築費の高騰や人手不足を背景に、開発を見合わせるとともに、販売会社はわずかな物件を少しずつ売っていく戦略に出ているといいます。

また、1戸当たりの平均価格は7,847万円で前年同月比21.1%減。また平米単価は120.3万円で、こちらも前年同月比17.0%減でした。

東京23区に絞ってみていくと、平均価格は1億0,874万円で前年同月比18.5%減、平米単価は167.0万円で12.9%減。軒並み、昨年よりも下がっていますが、平均で億ション超え。販売戸数が抑えられているなか、物件価格がダイレクトに平均価格に反映されているだけで、下落傾向にあるという声は聞こえてきません。

――もうそろそろ、マイホームでも

そう検討を始めたところで、東京区部、特に都心となると、一般庶民には高根の花……そのような状況が続いているようです。

郊外に目を向けるしかない、昨今の東京のマイホーム事情。そんな東京都心、しかもタワマンを3年前に購入したという鈴木大輔さん(仮名・40歳)・沙織さん(仮名・40歳)夫婦。

――タワマンといっても購入した部屋は12階なので、みなさんが思い描くような、窓からすごい眺望が……ではないのですが

謙遜をする大輔さん。といっても東京・湾岸エリアで駅徒歩10分。中古物件ではありますが築浅の3LDKで、二人の職場には電車に揺られること10分ほどの好アクセス。都内でも教育熱の高いエリアのひとつであることも、中学受験を控えるひとり息子がいる鈴木さん夫婦にはドンピシャだったといいます。

――価格は諸々込みで1億1,000万円ほどで、1億円のローンを組みました

当初、予算は6,000万~7,000万円程度で検討していたという鈴木さん夫婦。しかし、不動産会社の営業担当から

――お二人なら、もっとローンを引き出すことができますよ

――低金利の今、ローンを最大限に利用しないなんて……もったいない

そんな売り文句にのせられて、当初の予定以上の借り入れになったといいます。

不動産の営業担当のセールストークにのせられて「1億円の借入れ」…本当に返せる?

大手メーカーで働く大輔さんは、年収900万円。情報処理関連の会社で働く沙織さんは、年収600万円ほど。世帯年収は1,500万円と、いわゆるパワーカップルと呼ばれる夫婦です。

ローン返済についてみていくと、返済方式は元利均等、金利は0.5%、返済期間は30年とすると、利息分は770万8,045円。月々の返済額は29万9,189円。1年間の総支払額に対する年収の割合である返済負担率は23.9%。20%前後が無理なく返せる範囲といわれているので、少しローン負担を感じる程度。「年収も増えていくし、問題ないだろう」というもくろみだったといいます。

しかし、日銀の利上げを受けて住宅ローン金利の上昇の現実味が増してきました。早ければ今年秋口、遅くても来年はじめには、住宅ローンを抱える人たちに影響が出てくるだろう、という専門家も。

戦々恐々としているなか、さらに沙織さんに「親の介護問題」がふりかかろうとしています。

――76歳で父が寝たきりになって、最近は認知症も。基本的に母がみていますが、やはり大変みたいで

沙織さんには兄が二人。しかしどちらも地方在住で、サポートするとなると沙織さんしかいないといいます。

――介護のために仕事をセーブしたら収入が……

息子の教育費がさらに膨らむのは目に見えています。そのようななか収入減となったら、ローンの返済負担はさらに重くなり、「ローン破産」の現実味が増します。

――いまさらながら、調子にのっていましたね、私たち

そんな後悔を口にする大輔さん。そもそも「夫婦2馬力で1億円の借り入れ」を完済するためには、70歳手前まで2人とも収入が途絶えないことが大前提。片輪になることはもちろんのこと、車輪が小さくなることも許されません。

もともと、億を超えるタワマンの購入層は、いわゆる富裕層が中心でした。しかしそこに現れたのが、夫婦の収入を合算する1,500万円を超えるようなパワーカップル。低金利を背景にタワマン購入層のメインになっていきました。そこには「30年間、夫婦ともに現状を維持できればめでたく完済。できなければ破産」という博打に近い状況が隠されていましたが、勢いのある夫婦は「私たちは大丈夫」と突き進んでいったわけです。

予断を許さない状況がしばらく続きそうです。

[参照]

株式会社不動産経済研究所『首都圏 新築分譲マンション市場動向 2024年7月』

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