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「約束したじゃん!」54歳・働く気のない長男、〈遺産5,000万円〉総取りのはずが「遺言書の内容」に悲鳴「何かの間違いでは?」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月23日 9時15分

「約束したじゃん!」54歳・働く気のない長男、〈遺産5,000万円〉総取りのはずが「遺言書の内容」に悲鳴「何かの間違いでは?」

(※写真はイメージです/PIXTA)

お盆など、家族が顔を合わせたときに話しておきたい「相続」のことですが、「親が死んだら」の話は避けがちで、いつまでも聞けないままということも珍しくありません。しかし、親の思いをきちんと聞かないと、想定もしなかったことに直面するケースもあるようです。

親が元気なうちに話すべきこと「遺産整理」「相続」が4割超

いつかは訪れる「親との別れ」。そのときが来て慌てたり困ったりしないよう、元気なうちに「そのときにどうしたいか」など、要望を確認しておくことは大切ですが、実際に顔を合わせるとなかなか切り出すことができないもの。久々に家族が顔を合わせるお盆。「今度こそちゃんと話そう」と思っていたのに、結局話せなかった……そう後悔するのも、“お盆あるある”かもしれません。

株式会社LIFULL seniorが親の死を経験した人に聞いた『「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」に関する調査』によると、親が生前のうちに十分に話し合えなかった話題のトップは「家の片付けや遺品整理」で44.2%。「遺産や相続」41.5%、「老後の医療や介護ケア」38.5%、「老後の資金計画や経済面」36.5%、「健康状態」35.8%、「葬儀」35.0%と続きます。

「モノが多すぎて、どうしたらいいのか」「遺産をどう分けるべきか」など、遺品整理や相続に関して、話しておいたほうがよかったと、後悔を口にするケースが多いようです。

山本直美さん(仮名・46歳)もまさに、「元気なうちに親と話しておけば」という場面に遭遇したというひとり。

――私自身が後悔したわけではなく、後悔したのは8歳上の兄ですけど

そういいながら、くすくすと笑う直美さん。「亡くなった父の遺言の内容が分かったときの兄の顔を思い出したら、まだおかしくて。バチが当たったんじゃないでしょうか」

直美さんの兄、清水健一さん(仮名・54歳)は、4人きょうだい唯一の男子。そのためか、直美さんの父親は「清水家を継ぐのは健一だから」と、あからさまに贔屓をしていたといいます。

――何かあれば「健一、健一」ですから、子ども心に「おもしろくない」と思っていました

別に裕福な家庭でなくても、「家を継ぐのは長男」という家長制度の名残りが色濃い田舎。「周りの家も同じ」という諦めと同時に、「姉も私も妹も、早く実家を出て、早く清水姓を捨てたいと思っていました」と直美さん。3姉妹はみな、高校を卒業と同時に実家を離れ、就職をしたり、進学をしたり。三者三様でしたが、みな「結婚は早かった」と振り返ります。それは、そんな家の事情があったようです。

親の遺産のすべては俺のモノ…遊んで暮らさないと損という、呆れた兄の本性

幼少のころから清水家のすべてを任された健一さん。長男としての責任感が……というのは無縁だったと直美さん。

――どうせ、何をしててもいつか実家が手に入り、どれほどあるか分からないけど、財産だってすべて自分が継ぐと思っていたんでしょうね

大学時代にバンド活動にのめり込み、大学卒業後も「プロを目指す!」と就職をしなかったといいます。プロになるために努力をしているならいいのですが、単に働かない理由を「音楽でプロを目指しているから」にしているのは、誰からみても明らかだったといいます。

健一さんが30代になるとき、さすがに「この先、どうするつもりなのか」と聞いてみたという直美さん。健一さんから返ってきた言葉は衝撃的だったといいます。

――親が生きているうちは援助してくれるから大丈夫

――どうせ、親が死んだら遺産はすべて俺のモノ。それなら遊んで暮らさないと損

兄の本性に呆れかえったという直美さん。それ以来、疎遠になっていったといいます。

長男に呆れかえった父がのこした遺言書の内容

ろくでもない兄、健一さんときちんと対面したのは、81歳の父が亡くなった際の葬儀のとき。その3年前に母が亡くなったときには、遺産相続と呼べるものがなかったため、葬儀に出席したらさっといなくなった健一さんでしたが、さすがに今回は相続が絡むもの。「喪主は俺がしなきゃな」とはりきっていたといいます。そして葬儀がひと通り終わったときに、「親父の遺産の話をしよう!」と健一さん。そこで直美さんは一通の封筒を差し出します。

――何、これ?

――お父さんの遺言書のコピー

――ゆ、ゆいごん?

遺言書に書かれていたのは、実家を売却したうえで、姉、直美さん、妹が3/10、健一さんが1/10で分割することが書かれていました。実家が売れる前で正確な数値は分かりませんが、3姉妹には1,500万円ずつ、健一さんには500万円が相続されると考えられます。

――うっ、うそだろ! 約束したじゃん、遺産はすべて俺にくれるって

――何年前に話をしているのよ、お兄ちゃん

――何かの間違いじゃないのかよ

長男・健一さんの言動に、さすがに呆れかえっていたという父親。晩年、要介護となったときに献身的に支えた3姉妹に対し、きちんと遺言書をのこして報いようとしたことを、直美さんは父親の口から聞いていたといいます。

――お父さん、要介護だったなんて知らなかったでしょ、お兄ちゃん

――……

――何もしないで、さすがに「遺産はすべて俺のもの」は無茶な話よ

遺産相続が発生した際、被相続人(亡くなった人)の有効な遺言があった場合、原則として、その遺言に従って相続します。相続人、および受遺者全員の同意があれば遺言書以外の方法での分割が可能ではありますが、今回の件であれば、健一さんくらいしか「遺言書通りに遺産分割するのは反対!」といわないでしょうから、遺言書通りに分割するしかないでしょう。

ただ、この遺言書通りの遺産分割であれば、健一さんは遺留分を主張することができます。遺留分は遺言書でも奪うことができない、最低限の分割分で、法定相続分の半分が主張できます。

今回の例では、法定相続分はひとり1,250万円。その半分なので、625万円は遺言書がどうであれ、「俺のもんだ!」と主張できます。ただよくあるのが「故人の遺志を反古にするのか!」とトラブルに発展するパターン。穏便に遺産分割を進めるか、遺留分を主張するのか、難しい選択です。

[参照]

株式会社LIFULL senior『「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」に関する調査』

法テラス『遺言がある場合、相続はどのようになされますか。』

法テラス『遺言の内容と異なる遺産分割をすることはできますか。』

法テラス『遺留分の相続財産に対する割合はどうなっていますか。』

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