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もう無理です…年金月6万円〈寝たきりの81歳父〉を介護する〈46歳ひとり息子〉生活保護申請も通らず絶望。父子が暮らすアパートで「どう生きていけばいいのか」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月24日 8時15分

もう無理です…年金月6万円〈寝たきりの81歳父〉を介護する〈46歳ひとり息子〉生活保護申請も通らず絶望。父子が暮らすアパートで「どう生きていけばいいのか」

(※写真はイメージです/PIXTA)

いずれは直面する親の介護問題。介護の月額費用は平均8万3,000円だといいますが、その費用が負担できない場合、できるだけ介護サービスは受けずに、できるだけ自分たちで介護を行う、という判断になるでしょう。しかしその先で新たな問題に直面し、八方塞がりになることもあるようです。

3年前から親の介護。認知症も発症し、寝たきり状態に

総務省『令和3年社会生活基本調査』によると、15 歳以上でふだん家族を介護している人=介護者は653.4万人。男女別にみると、男性が 256.5人、女性が396.9万人で、介護者の6割が女性が占めています。さらに年齢別にみていくと、介護者数が最も多いのは50代で183.6万人。人口の10.9%を占めます。人口に対して割合が多いのは60代で、介護者は175.1万人、全60代の11.7%を占めます。また5年前調査からの増減でみると、70代以上の増加率が最も高く、4.9%増。50代は0.8%増で、ほかの年代は5年前と比べて介護者は減っています。

また 介護者における介護・看護時間は、男性が2時間26 分、女性が2時間21分。5年前調査で、初めて男性が女性を上回り、本調査でも引き続き、男性>女性となりました。この20年の傾向では、男性はほぼ横ばいに対し、女性は微減。少しずつではありますが、介護に携わる男性が多くなったことが影響していると考えられます。

中山悟さん(仮名・46歳)も、81歳になる父を3年前から介護しているといいます。ひとり暮らしだった父は、自宅アパートで転倒、骨折をしたのを機に、歩行での移動が困難に。ひとり息子である悟さんが、たまに介護のためにアパートを訪れる……介護生活は、そんな穏やかなスタートだったといいます。

しかし2年ほど前に認知症が発覚。生活するうえで、少し支障がある程度だった症状は、悟さんが考えていた以上に進行が早く、半年くらい前からは目の前にいる悟さんを認識できなくなったといいます。また認知症の進行とともに、足腰も弱くなり、ほぼ寝たきり状態になってしまったとか。

生命保険文化センター『2021年度生命保険に関する全国実態調査』によると、介護の一時的な費用が平均74万円、介護の月額費用は平均8万3,000円でした。ただ中山さんの父親は年金が月6万円ほどで、とても介護費用を賄うことはできず。悟さんは仕事を辞め、付きっきりで父親の介護にあたるようになったといいます。

仕事を辞めて認知症の親を介護…生活に行き詰まり「生活保護」を申請するも

――私のことを息子だとわかっていないですから、他人を介護しているような感覚ですよ

今でもごくたまに「おお、悟か」などと戻ってくることがあるという父親。「そんなことも、いずれはなくなるんでしょうね」とポツリ。寂しそうに話します。

一方で家計は火の車。仕事を辞めたため悟さんは無収入。父親の年金、月6万円で父子二人が暮らしています。もちろん、それで十分かといえば、まったく足りず。まず、悟さん自身が1日3食を食べるのを諦め、それでもダメなら、仕方なく父親も1日2食に……それでもなお、暮らしていくのも精いっぱいという状況が続いていました。

――もう無理だ

生活保護の申請を行うために役所に行ったこともあるといいますが、「あなたは働けますよね」と申請を却下されたとか。

――どう生きていけばいいのか……まったくわかりません

と絶望するしかないといいます。

親に介護が必要になったとき、親が困窮状態にあれば、親に生活保護を受けてもらう、という手もあります。生活保護の要件として「世帯収入が最低生活費に満たない」「働いて収入を得ることができない」「資産を所有していない」のほか、「生活援助してくれる家族がいない」という要件もあります。付きっきりで親の介護をしているとはいえ、まだやりようはあると判断されたのかもしれません。

親と同居しているなら、「世帯分離」という奥の手も。認められたら親だけが生活保護を受けることが可能になります。世帯分離をして生活保護を受ける条件はかなりの厳しさではありますが、親の介護のためには会社を辞めなければならないという場合は、世帯分離が認められることがあるようです。

いずれにしても、生活保護に関しては共通の要件はあるものの、最終的には人の判断。同じような状況にあっても、福祉事務所によって判断が分かれることもあるようです。

生活保護の申請を却下されたら、再申請したり、審査請求をしたりすることができます。 さらに、審査請求の決定に納得がいかない場合には再審査請求を行うこともできます。

何よりも、介護において恐ろしいのは「孤立」。特に親の介護のため子が仕事を辞めた場合、親子は社会から隔絶され、最悪の事態を迎えることも。今後のことに不安になったり、お金に困ったり。何かあったら気負わずに周囲に相談してみることが大切です。

田中さんの場合、SNSに状況を投稿したところ、たくさんのアドバイスをもらって、前向きになれたとか。生活保護についても、再度、申請をしてみるつもりだといいます。

[参照]

総務省『令和3年社会生活基本調査』

生命保険文化センター『2021年度生命保険に関する全国実態調査』

厚生労働省『生活保護制度』

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