1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

手取り23万円・33歳「元エリート候補のサラリーマン」が借金苦…月2万円「奨学金返済」に悲鳴「甘くみていました」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月27日 10時15分

手取り23万円・33歳「元エリート候補のサラリーマン」が借金苦…月2万円「奨学金返済」に悲鳴「甘くみていました」

(※写真はイメージです/PIXTA)

大学進学率は6割に迫るなか、進学に際しネックになるのはお金のこと。そんな悩みを解決してくれるのが「奨学金」です。「奨学金があったから大学に行けた!」と感謝の声が聞こえる一方で、「返済が苦しい」「返済できるか不安」というネガティブな意見も多く聞こえてきます。

サラリーマンの「4人に1人」が奨学金を返済

カネとホンネ調査研究所が20~39歳で会社員の男女に行った『奨学金についてのアンケート調査』によると、サラリーマンのうち奨学金を利用していたのは27.3%と、4人に1人の割合で、奨学金の利用金額は平均282万円、返済期間は平均13.5年でした。単純計算、無利子であれば月々の返済額は1.7万円ほどということになります。

奨学金利用額の分布をみていくと、最多は「200万~300万円未満」で32.1%。大学4年間、月々4万~6万円ほど借りていたことになります。

【奨学金利用額】

・100万円未満:5.2%

・100万~200万円未満:16.9%

・200万~300万円未満:32.1%

・300万~400万円未満:22.5%

・400万~500万円未満:12.0%

・500万円以上:11.2%

社会人になってから返済が始まる奨学金に対してどう思っているかを聞いたところ、「勉強する機会が得られたよかった」「親に負担をかけずに済んでよかった」という人が共に37.8%とトップ。ポジティブな意見が多いなか、「返済のために生活が厳しい」「これから先の返済が不安」というネガティブな感情を抱いている人がそれぞれ2割ほどいます。

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの平均給与は、20代前半で24.3万円。手取りは独身で19万円ほどになるでしょうか。年齢と共に順調に昇給していき、奨学金が払い終わる30代後半では37.8万円、手取りで独身で28万円、子どもがいると30万円ほどになると考えられます。

【年齢別「大卒サラリーマン」の給与】

・20~24歳:243,200円/3,561,800円

・25~29歳:282,700円/4,740,000円

・30~34歳:325,600円/5,493,600円

・35~39歳:378,500円/6,455,400円

・40~44歳:424,100円/7,041,500円

・45~49歳:467,400円/7,745,000円

・50~54歳:505,700円/8,396,500円

・55~59歳:532,300円/8,791,200円

・60~64歳:449,100円/6,901,400円

※数値左より、月収/年収

大学時代に奨学金を利用していた人の多くが、親元を離れて進学してた人たち。大学進学を機に1人暮らしを開始し、大学卒業後に就職しても実家に戻ることなく1人暮らしを継続、そういうパターンが多いでしょう。手取り月20万円以下のなかから、毎月家賃を払い、携帯電話代を払い、食費を払い……そこで月2万円の奨学金返済。当初思っている以上に、奨学金返済は大きな負担だった、というのはよくあるパターンです。

奨学金返済なんて余裕!エリート候補のサラリーマン、甘くみていた結果…

――奨学金の返済、正直、しんどいです

そう悲鳴をあげるのは、10年前に大学を卒業し、いまなお奨学金を返済しているという山中崇さん(仮名・33歳)。出身は誰もが知る一流大学。新卒で入社した会社も誰もが認める一流企業で、いわゆるエリートコースを歩んでいたといいます。初任給も他から比べると高水準で、奨学金返済も余裕だと考えていたといいます。

――奨学金なんてすぐに返し終わるだろって思っていました。甘かったですね

歯車が狂ったのは、入社2年目のとき。「限界でした」と山中さん。人間関係に悩み、退職を決意します。「新卒で入社した会社を辞めてからは、まったくついていない」という自己評価。現在、情報サービス系の会社で働き、給与は月収30万円、年収が500万円に届かないほどと、“平均以下”の状況が続いているといいます。

――手取りは月23万円ほど。そこから奨学金返済が月2万円。いまだに返済負担が重くのしかかります

奨学金返済は残り100万円を切り、できれば繰上げ返済して解放されたいと山中さん。そう思うのも、交際8年に近くになる恋人との結婚を考えるから。しかし奨学金を返し終わらないととても結婚に踏み切れないといいます。

――あと3年ほどで完済しますが、それまで交際が続いていないかもしれない……

労働者福祉中央協議会が行った『奨学金や教育費負担に関するアンケート調査』でライフイベントにおける奨学金返済の影響をみていくと、「結婚に影響がある」は4割弱、「出産」「子育て」「持ち家取得」には3割強が、「奨学金返済の影響がある/あった」と回答しています。

奨学金という名の借金。その返済が、ライフイベントにまで影響を与えるという実情が広く知られるようになりました。昨今は、返済不要の給付型奨学金も増え、学ぶ意欲があればサポートを受けられる体制も整いつつあります。

[参照]

カネとホンネ調査研究所『奨学金についてのアンケート調査』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

労働者福祉中央協議会『奨学金や教育費負担に関するアンケート調査』

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください