フィリピン「大型インフラ計画」最新動向…大財閥アヤラ、8年近く停滞「首都・ターミナルプロジェクト」再始動へ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月26日 7時15分
写真:PIXTA
一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今回は、フィリピンの注目の大型インフラプロジェクトの最新動向についてみていきます。
首都・マニラの大型交通施設の建設、再始動へ
アヤラ財閥の不動産ディベロッパー、アヤラランド(ALI)は、マニラ首都圏内のタギッグにある中心業務地区、BGCのあるタギッグ市統合ターミナル・エクスチェンジプロジェクトの建設を年内に開始する予定であると、運輸省(DoTr)が発表しました。このプロジェクトは、2016年から停滞していたもので、マニラのあるルソン島を縦断するノース・サウス・コミューター・鉄道や市内バス、その他の公共交通機関と連携し、乗客を他の交通システムに接続する多目的ターミナルの建設を目的としています。
フィリピンの政府機関PPPセンター(Public-Private Partnership Center)によると、このプロジェクトの契約期間は建設期間を含む35年間で、承認時点での推定費用は52億ペソでした。現在、DoTrはフィリピン退役軍人財団(Veterans Foundation of the Philippines)との間で、土地の使用権に関する最終調整を行っているところです。2015年にこのプロジェクトはALIに供与され、当初は2020年までに稼働予定でしたが、いくつかの問題により遅延していました。
PPPセンターによると、このプロジェクトの民間提案者は、プロジェクトの設計、建設、資金調達だけでなく、その運営とメンテナンスも担当します。さらに提案者は商業開発を行い、その収益を得ることも可能です。
フィリピンでは、このプロジェクトが、東南メトロマニラ高速道路(SEMME/C6)プロジェクトや他の政府鉄道プロジェクトを補完する形で、交通システムの改善に寄与することが期待されています。
マニラ電力、海外の大学と提携「原子力」さらに推進へ
マニラ電力会社(Meralco)は、原子力エネルギーの取り組みを強化するため、海外の大学であるカナダのオンタリオ工科大学と米国のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校と覚書を締結しました。さらに中国の中国国家核電有限公司(CNNC)のパートナーであるハルビン工程大学と清華大学とも提携しています。
これらの提携は、原子力発電所の運営管理に関する知識の取得や、核エネルギー研究の共同開発・実施を通じて、フィリピンでの原子力エネルギー採用を推進することを目的としています。Meralco社は、これらの提携により、原子力技術への理解が深まり、政府政策との整合を図りながら計画を進めることができると述べています。
さらにMeralcoは、2023年にフィリピン人向けの奨学金・インターンプログラム「FISSION」を開始し、初の奨学生が米国と中国で3〜4年間の原子力工学プログラムを学ぶ予定です。帰国後はMeralcoの原子力発電部門に配置される予定だといいます。このプログラムを通じて、原子力エネルギー分野の次世代リーダーを育成し、フィリピンの持続可能なエネルギーソリューションを進展させることを目指しています。
この記事に関連するニュース
-
フュージョンエネルギー発電実証プロジェクト「FAST」始動
PR TIMES / 2024年11月12日 15時1分
-
【1965(昭和40)年11月10日】日本初の商用原発の運転開始
トウシル / 2024年11月10日 7時30分
-
フィリピン土木学会(PICE: Philippine Institute of Civil Engineers)50周年記念総会で、DataLabsのCEO田尻が登壇!
PR TIMES / 2024年11月8日 20時40分
-
チェコ電力、英国ロールスロイスSMRと協力、小型モジュール炉開発へ(チェコ、英国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 0時20分
-
フィリピン商工会議所〈50周年ビジネスカンファ〉で語られた経済界から政府への「6つの提言」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月28日 7時15分
ランキング
-
1クリスマスケーキに異変…『卵』の価格高騰止まらず 夏の猛暑の影響で今後は鳥インフルエンザによる卵不足の恐れも
東海テレビ / 2024年11月21日 21時22分
-
2食用コオロギ会社、破産へ 徳島、消費者の忌避感強く
共同通信 / 2024年11月22日 1時18分
-
3為替相場 22日(日本時間 7時)
共同通信 / 2024年11月22日 7時0分
-
4業績悪化の日産、アメリカでの希望退職に1000人が応募か…世界で9000人削減方針
読売新聞 / 2024年11月21日 22時2分
-
5さすがに価格が安すぎた? 『ニトリ』外食事業をわずか3年8カ月で撤退の原因を担当者に直撃「さまざまな取り組みを実施しましたが…」
集英社オンライン / 2024年11月21日 16時49分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください