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年金「夫婦で年400万円」と安心していたが…月収60万円・大手メーカー勤務の57歳サラリーマン「貯蓄2,000万円」でも老後破産に直面する絶望的理由

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月3日 8時15分

年金「夫婦で年400万円」と安心していたが…月収60万円・大手メーカー勤務の57歳サラリーマン「貯蓄2,000万円」でも老後破産に直面する絶望的理由

(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の生活を考えるうえでも重要なのが年金。夫婦共働きであれば、受取額も十分で、何の心配もなさそうに思えますが、絶対安心というわけではなさそうです。

義親の介護「お金足りず」子世代が肩代わり

内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』によると、老後の生活設計のなかで「全面的に公的年金に頼る」は26.3%。さらに「公的年金を中心とし、個人年金や貯蓄などを組み合わせる」(53.8%)と合わせると、9割弱が老後の生活において年金を中心に見据えています。

大手メーカーで働く森浩一さん(仮名・57歳)もそのひとり。月収60万円、賞与も含めた年収は1,000万円を超えるといいます。また毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」によれば、65歳から受け取れるのは月18万円程度。さらに共働きの妻は月15万円程度受け取れる予定。夫婦合わせて年間400万円弱の年金を手にできる計算です。

老齢厚生年金受給者の平均年金受取額は、65歳以上の男性で月17万円、女性で10万円ほどなので、夫婦で平均以上の年金を手にできる森さんの老後は何の心配はないように思えます。しかし、森さんの表情はさえません。

――このままでは「老後破産」もありえる

夫婦で年400万円の年金を受け取りながらも老後破産してしまっては、世の中の高齢者のほとんどが破産してしまいます。一体、どういうことなのでしょうか?

――妻が退職しました。親の介護で……

3歳下の妻の父親に続き、母親も要介護に。妻は「仕事と介護の両立は無理!」と退職を決断したといいます。自己都合の退職でしたが、それでも600万円ほどの退職金を手にすることができ、それによって貯蓄(世帯)は2,000万円ほどに。一時期、「老後、夫婦で2,000万円ほど不足する」と話題になりました。「妻が退職」という想定外があったものの、すでに貯蓄は2,000万円の大台に。老後破産とは無縁に思えますが……。

実は、義親の介護にあたり、義父や義母の貯蓄や年金だけでは足りず、森さんが毎月20万円ほど負担しているのだとか。年間250万円近い負担。5年で1,250万円、10年で2,500万円……いつまで続くかわからない義親の介護に、絶望すら覚えます。今後、森さんの母親(父親はすでに死去)の介護問題に直面する可能性もあります。母親の年金や貯蓄で何とかなればいいのですが、それでも足りなければ、また森さんが負担するしかありません。

そこに来て、妻の介護離職。痛すぎます。森さんの妻の年金受取予想額も、あくまでも定年まで働いたら受け取れるだろうという金額。5年以上も早く退職したことで、月1万5,000円~2万円ほど減る予想です。

資産形成のラストスパート時期の50代後半で「親の介護」という想定外

子育てがひと段落したばかりだったという森さん。自身の老後に向けて、資産形成のラストスパートというタイミング。そこに来て「親の介護」という予想もしなかった出費で、資産形成はストップ。さらには子の預貯金を取り崩す、という事態にまでなれば、親の介護が終了したのと同時に破産という結末も。

これまでよくいわれてきた「老後破産」の原因としては、「収入減も生活費の見直しをしていない」「医療費と介護費用負担の増加」「高齢者になっても残る住宅ローン返済」など。自身に原因があるので、対策のしようがありました。しかし「親介護」は事前の対策が難しいもの。

――介護が必要になったら……お金、ある? 大丈夫?

そんな万が一のことは、本人には話しづらいもの。初めて実情を知るのは、「親の介護」に直面したあとで、そのときにはどうしようもない……というのも、よくあるパターンなのです。また介護が必要、でも経済的に費用を工面するのが難しいという親に対して、「自分たちの老後が不安だからサポートはできない」といえるかといえば、難しいもの。むしろ「最後の親孝行」と、多少の無理をしてしまうケースも珍しくないようです。

予想が難しい「親の介護費用の負担」ですが、夫婦共働きなら、対策なしでいたとしても、何とかなりそう。しかし介護離職となると、一気に状況が悪くなります。

厚生労働省『令和5年度 雇用動向調査』によると、2023年に個人的理由で離職した人は591万人ほどで、そのうち「看護・介護」を理由に離職した人は約7.3万人でした。また男性・女性ともに50代が最も高くなっています。まさに「よし、これから資産形成のラストスパート」というタイミングで、「親の介護」という大問題がふりかかってくるわけです。

たとえ、前途洋洋の老後が見えていたとしても、一気に崩壊を招く原因となる「親の介護」。万が一のことは聞きづらいことではありますが、親子共倒れを防ぐためにも、親子で十分に話しておく・確認しておくことが、対策の第一歩になります。

[参考資料]

内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』

厚生労働省『令和5年 雇用動向調査』

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