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マスマーケティングだけでは勝機はない…情報の溢れかえる“超競争環境”の現代で「選ばれる企業」になるには

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月21日 11時15分

マスマーケティングだけでは勝機はない…情報の溢れかえる“超競争環境”の現代で「選ばれる企業」になるには

(※写真はイメージです/PIXTA)

総務省が発表しているデータによると、インターネット全体の情報量は2002年と比較して6,000倍以上になっています。ネットの情報洪水の中を泳ぎ続けているような現代社会において、選ばれる企業になるための重要なポイントとは何でしょうか。本記事では『コミュニティドリブン経営 ファン起点で広げるビジネスの新潮流/著者:小父内信也氏』(幻冬舎)より一部抜粋し、詳しく解説します。

「顧客中心の経営」が必須の時代になるといえる背景

前回のコラムでは、「顧客中心の経営」が必須の時代になる背景として、下記4つの中から理由1・理由2を取り上げました。

・理由1:人口減少によるLTV最大化へのシフト ・理由2:多様な競合の出現〜独自の価値に基づいた差別化が求められる時代〜 ・理由3:情報爆発時代の到来〜信頼できる情報を求める現代ユーザー〜 ・理由4:ロイヤル顧客による売上貢献度の高まり

今回は、理由3「情報爆発時代の到来〜信頼できる情報を求める現代ユーザー〜」について解説していきましょう。

情報爆発時代の到来

現代人は、「江戸時代の1年分」の情報量を、わずか1日で受け取っていると言われています。ちなみに、総務省が発表しているデータによれば、インターネット全体の情報量は2002年と比較して、6,000倍以上にもなっているそうです。もはや、私たちは日々、「ネットの情報洪水の中を泳ぎ続けている状態」と形容できそうです。

さらにその中から、自分に合った、最適な情報を見つけ出し、選択することは非常に困難です。ゴミの山から宝物を見つけるような難しさがそこにはあります。

結果、近年はネットの情報よりも、自分に近い存在である家族や友人、仕事の同僚などのリアルな声を信頼する傾向が強まっています。

信頼できる情報を求める現代ユーザー

こうしたネットの情報への不信感は、情報量の多さだけが原因ではありません。2023年10月からステルスマーケティングへの規制が施行されましたが、このステルスマーケティングの何が問題だったかと言えば、恣意的な印象操作によりユーザーの意思決定に混乱を招いたことです。

当時、多くのフォロワーを持つインフルエンサーが、PRであることを明言せずに、企業から報酬をもらって、広告・宣伝する行為が横行しており、しばしば炎上問題に発展。社会問題となり、規制につながりました。

そのなかで、インフルエンサー=著名人も嘘をつく、というイメージが浸透し、ユーザーは、本当に信頼できる人、情報を求める傾向が強まりました。

変化する時代のなかで、企業やブランドは、品質の高い商品を生み出すだけでなく、ユーザーから「このブランドは大丈夫」という信頼を獲得することも重要になりました。そしてこの信頼はそのまま、LTVの向上につながり、売上にも直結します。

ネット台頭の現代、効果が薄れたマスマーケティング

ひと昔前は、テレビCMや新聞広告など、不特定多数の消費者をターゲットにして、自社の商品の購入やサービスの利用を促す、マスマーケティングが主流でした。

しかし、いまこれを読んでいるあなたも実感していると思いますが、テレビCMへの関心は年を追うごとに下がっていませんか? そもそもテレビはスマホに可処分時間を奪われ、多くの人はテレビを見る時間自体が減少しています。コスパやタイパといった効率を求めるユーザーにとっては、テレビは一時停止ができない不便なコンテンツであり、テレビCMはノイズになっています。

王道が崩れたいま、マーケティングは複雑化し、正解のない迷路のような状態になっています。人口が爆発的に増え、物が飛ぶように売れた時代は、マスマーケティングだけで効果を発揮することができました。しかしそれは、遥か昔のこと。

現代は、個別のニーズやカスタマイズが重視され、あふれる競合製品の中から選ばれなければ生き残れない「超競争環境」です。顧客の声を無視していては、そのニーズを汲み取ることは不可能ですし、正しいマーケティングを展開することも難しくなっています。

顧客の声に耳を傾けることで突破する、超競争環境「顧客中心の経営」では、コミュニティを活用し、ダイレクトに顧客の声を収集し、的確に商品やサービスに反映させることを重視します。その声は、そのまま活かせるものもあれば、その裏に潜むインサイトまで理解して、商品やサービスに落とし込むケースもあります。

どちらであっても、具現化すれば、それは顧客が求めるものであり、顧客満足度の向上につながります。その繰り返しによって、「選ばれる商品・サービス(企業・ブランド)」へと進化を遂げます。

さまざまなモノ・サービスの均一化が進んだ結果、性能以外の部分で差別化できる要素のひとつに、「エンゲージメント(愛着)」が挙げられます。顧客の声に真摯に耳を傾けることは、顧客を心から想うことであり、〝深いつながり〟を生み出す源泉となります。

情報社会の現代、超競争環境の中で、今後は顧客と深いつながりを築けた企業だけが生き残る時代が到来しようとしています。

小父内 信也

株式会社Asobica

取締役CCO

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