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「タワマン乱立」の一方…もうすぐ「東京の不動産」が直面する、厳しい事態

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月2日 22時0分

「タワマン乱立」の一方…もうすぐ「東京の不動産」が直面する、厳しい事態

(※写真はイメージです/PIXTA)

タワーマンション(以下、タワマン)とは、主に地上20階建て以上の居住用高層建物のことを指します。「高層マンション住み」は一つのステータスではありますが、緊急事態時、一定のリスクになることも確かです。本記事では、日本のマンション事情について見ていきましょう。

タワマンをタワマンたらしめる「3K」

タワマンとは、基本的に地上20階建て以上の居住用高層建物のことを指す。とはいえ明確な定義が存在しているわけではなく、「高層」「綺麗」「高額」(3K)といったイメージによって形成されているのが実情だ。

華やかな印象を抱くタワマンだが、武蔵小杉の浸水問題を皮切りに、負の側面が語られることも少なくない。本件、ざっと経緯をふりかえると、2019年、台風19号が列島に襲来。多摩川の水位上昇を受け逆流した水によって、武蔵小杉駅周辺が浸水した事件である。

浸水したタワマンは地下3階に電気設備を設置していたため、一時的に電力がダウン。「全棟停電」という恐ろしい事態に見舞われたマンション住人は、電気も水道もエレベーターもしばらく使用できなかった(当該のマンションは、現在では電気設備を上階へ移動している)。

自然災害による機能不全は何もタワマンに限った話ではないものの、緊急時、「高層住み」であることがリスクになることは間違いない。12階建ての分譲マンションに住んでいたYさんはこう話している。

「以前大きな地震があったとき、エレベーターが故障しました。当時僕は11階に住んでいて、もう……大変でしたね。エレベーターの復旧に3~4日程度かかったんですけど、毎日階段を上り下りです。『行き』はまだしも、『帰り』が……。疲れ切った身体で11階までたどり着くのが本当にきつかったです。同居していた父は腰が悪く、買い物はすべて僕が代わりに行ってました」(横浜市某区の分譲マンション/築19年)

10階ほどのマンションですらその苦労は容易に想像がつく。いわんやタワマンをや。専門家の間では、「終の棲家」にはすべきでない、との声も。

その多くは「買えるわけではないが、『刹那的』にタワマンでの暮らしを楽しみたい」人が、賃貸で住むのに適していると言う意見だ。

近年、台風や大雨による大きな被害が毎年報告されている。自然災害への意識の高まるなか、住居選びにおいて「浸水の心配がない場所」であるかどうかがますます重視されるようになった。高台や内陸部の住居を選ぶ、自治体が提供するハザードマップを活用するなどして災害リスクを減らしたい。

東京都の不動産、「2025年」が要になる?

東京都政策企画局は2060年までの東京都の人口推移を予測している。調査によると、東京の人口は2025年、1,398万人に達したあとは減少に転じ、2060年、1,173万人になる見込みだ。

現在東京の人口ピラミッドを見れば、団塊ジュニア(50歳前後)の層がもっとも多く、若年層は減る一方だ。2060年にはそのまま人口が上にスライドし、85歳~となった団塊ジュニアが東京都で最多の年齢層となる。若年層の減少はもちろん止まらず、いわゆる「つぼ型」の人口ピラミッドとなると考えられている。

なお東京都は2013年、都内にあるマンションの棟数及び総戸数を調査していた。当時、分譲マンションは5万3,000棟、戸数180万4,000戸。分譲マンションのストック数は右肩上がりに増加し続けており、東京都内だけで、2021年時点で194.3万戸に達した。

人口減少が加速度的に進む現在、空き家問題も深刻化の一途をたどっている。にも関わらず、マンションは増加し続けている。デベロッパーなどの思惑もあるだろうが、「資産としての住まい」を考えたとき、その未来は明るいとはいえない。価値下落は必至ではないか。

高齢化も止まらぬ今、居住場所の選択はますます重要になっている。自身の身体との兼ね合い、資産価値、トータルを鑑みた人生設計が求められているといえよう。

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