“毎日売買”よりも効く…50年間市場を生き抜いてきた85歳・現役投資家が「ハプニングを待つ」ことが成功への近道と語る理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月17日 11時30分
画像:PIXTA
「資産を増やすために必要なのは、恐怖に負けず冷静にチャンスを見極めることだ」と、50年以上にわたり市場に向き合ってきた85歳の現役投資家、石井勝利氏は語ります。石油危機やバブル崩壊、リーマンショックを乗り越えた経験を持つ石井氏の著書『85歳、現役・投資家のお金の哲学』(SBクリエイティブ)から、暴落時の投資戦略や、無理をせず「身の丈」に合った資産運用の重要性について、一部抜粋・編集してお届けします。
間違いなく資産を増やすには「株の暴落のチャンス」を待つべし
株式で大きく資産を増やすには、大きく上げたときではありません。ぐんぐん上げているときに買いたい気持ちは分かりますが、その先には下落が待っています。
その時は、早めに買っていた大口投資家、外国人が売り逃げるときです。普通の上げの時に飛び乗っても、うまみはないのです。 確実に稼ぐ、利益を積み上げるには、誰もが怖くなって、売り逃げるときに、リバウンドを待ち、したたかに買うことが大切です。
「人の行く 裏に道あり 花の山」
株の世界にはこのような格言があります。これは、投資は「人の逆を行きなさい」ということです。
直近では、コロナウイルスが蔓延したときです。このときは、感染拡大防止のため、人の動きが止まり、密にならないよう、人が集まる場所は閑散となりました。デパートやテーマパーク、鉄道、飲食、航空などは、それこそ閑古鳥が鳴き、経営は最悪でした。
しかし、コロナで世界が終わることはなく、今思えば、あの時は関連業界の株価下落による買いのチャンスでした。しかし、この最悪の時は、買うのに勇気がいります。そこで、マスクやワクチン関連が買われたのです。しかし、それがどれほどの経済効果があるのか、読めないのが普通です。
それに対して、銀行、保険、商社、自動車は、必ず必要なもので、コロナが下火になれば買われる銘柄です。目先に起きていることに慌てず、その先を読める考え方が、大きなチャンスを得るのです。
今後も、ハプニングの起きる可能性はいくらでもあります。毎日売買しないで、大事件、ハプニングを待ち、一気に資金を入れる心得を身につけましょう。
大切なのは「身の丈」を守ること
政治経済、海外の動向は、金利や株価の変動に結び付きます。お金に関する変動は全て、経済、外交、軍事などと深くかかわっており、見逃すことは出来ません。
歴史を紐解けば、日本が第二次世界大戦に負けたときは、「軍票」といわれた貨幣が大きく価値を変動させました。バブル崩壊の時は、大手の銀行や証券会社が倒産し、バブルが弾けて、株価や不動産が暴落しました。これにより、倒産した企業に勤めていた人はもちろんのこと、お金を借りて不動産に投資していた人は、不動産の価格が借入額よりも大きく値下がりし、負債を抱えて破産しました。日本全国に、破産者が続出したのです。
倒産しなかった銀行は、自らの貸し出しの相手が破産したので、貸し出した金額を損切りして、対応しました。このように、経済が変動すると、その煽りで、多くの人が地獄を見るのです。
お金の価値や資産価値というのは、その時の経済のバランスで大きく変動します。いま、東京には世界中の資金が流れ込み、株価が上がり、ファミリーマンションが高騰していますが、世界経済がおかしくなれば、ミニバブルの崩壊で、価格が大きく変動します。そうなると、多額のローンを借りて、マイホームを手に入れた夫婦などは、借金地獄に陥りかねません。
注視したいのは「上がるから買う、買うから上がる」という流れが逆回転した場合のことを考えて、目の前の状況を見ておかなければならないのです。考えてみても、年収1,000万円未満の人や夫婦が、1億円、2億円のローンを組んで、買うのは自殺行為です。生身の人間、いついかなる問題が起こり、返済不能の事態にならないとも限りません。
いまは賃貸という方法もあるので、敢えて多額の借金を抱えて、不動産資産を求め、新NISAに投資する必要はありません。大切なことは、「身の丈」を守ることです。
多額の負債を抱え、病気にもなれない、旅もできないというがんじがらめの生き方はやめにしましょう。地道に、慌てないで、可能な範囲で、無理しない生き方、お金の借り方をしたいものです。
石井 勝利
投資家
経済評論家
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