101歳の化粧品販売員が伝授!仕事で理不尽な思いをしたときの対処法
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月14日 11時0分
(※写真はイメージです/PIXTA)
一生楽しく働きたいですよね。最高齢のビューティーアドバイザーとしてギネス世界記録認定された堀野智子氏は、著書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』の中でそのための知恵を伝授しています。それは一体どんなものでしょうか? 本書から詳しく紹介します。
お客様から叱られることで否が応でも〝コミュ力〟が高まる
当時、電話交換手には、点(トン)と線(ツー)を組み合わせた「モールス信号」をマスターすることが奨励されていました。試験があって、合格すると、月々のお給料の他に「手当」がついたんです。
新しいことに挑戦するのに目のない私なので、一生懸命勉強して試験に合格し、晴れて手当がもらえるようになりました。友達からは「あんた、たくさんお給料もらえるから、毎月新しい着物をつくれるんでないの?」なんて冷やかされましたが、うれしかったです。
モールス信号をマスターしたこともあってか、就職して2年が過ぎたころには「監督」と呼ばれる立場になりました。今でいう「グループリーダー」ですね。ずらっと並んで座った電話交換をする「交換手」の背後に立って、何か手間取ったり、対応に困ったりしている人をサポートする役割です。まさに〝援護射撃〞そのものです。
今より通信事情がよくないですから、なかなかスムーズにつながらず、お客さんが怒り出すこともしばしばありました。そんなときに交換手に代わって、怒りを収めてもらうために「申し訳ございませんでした」などと愛想よくお詫びするんです。
言葉はあまりよろしくないですが、「上手になだめて、怒りを鎮めていただく」というのがグループリーダーの重要な役割の1つだったんですね。
嫌なことを引きずらないたった1つのコツ
私はもともと人見知りもしませんし、性格的にも陽気で、愛想のいいタイプだと思います。そうしたコミュニケーション能力は、仕事をすることで、否が応でも磨かれていった気がします。あのころ、毎日どれくらいの人と話をしたことでしょう。そして、どれだけ見知らぬ人からのお叱りの言葉に対して、お詫びを言い続けたことでしょう。
仕事をしていると、理不尽だと思うこともありますよね。そして、理不尽な思いをさせられて、愉快な気分になる人はいませんよね。でも、だからといって、不快感をずっと引きずるのはつらいものです。第一、誰も得をしません。
では、どうすればいいのか? 結局、割り切って「忘れてしまう」のがいちばんいいと思うのです。夜になったら寝て、翌朝起きたら忘れている。その繰り返しです。ものごとを割り切るのが得意で、嫌な気持ちに引きずられることのほとんどない私ですが、それもこのころに培われたものなのかもしれないと、今になってみれば思います。
欠点ではなく、いいところを見る
グループリーダーが束ねるのは、女性ばかりの25人程度のグループです。もしかして今、「うわ、めんどくさそう!」と思いませんでしたか?
よく「女性が3人集まれば派閥ができる」「女性の職場は人間関係が面倒」などといわれるくらい、女性の職場は大変だと思われているようです。でも、実のところ私自身は、そう感じたことが一度もないんです。能天気に「うちのメンバーは、みんないい人ばっかり!」なんて思っていましたから。
もっとも、そう思っていたのは私だけで、私の気づかないところで、いろんなことを言われていたのかもしれません。わずか2年でグループリーダーになった私を、面白く思わなかった人が、まったくいないほうが不自然でしょう。でも、少なくとも私自身がそう感じたことはありませんでした。
他人の評価を気にしない鈍感力
他人がどう思うかは、他人の決めることだから、気にしても仕方ないですよね。私は、まっとうなことをやることだけ考えて、あとは「どう思われようが人任せ」でいたほうがいいと思います。
作家の渡辺淳一さんが2007年に刊行した著作『鈍感力』は、100万部を超えるベストセラーになりましたね。複雑な現代社会を生き抜くには、一種の〝鈍さ〞が必要であると説いた「鈍感力」は、小泉純一郎元首相が使ったこともあって流行語になりましたが、私こそ〝元祖・鈍感力〞の持ち主なのかもしれません。
だからこそ、他人の目を過剰に気にすることなく、自分が「こうしたほうがいい」と思ったやり方でやれたのだと思います。鈍感なのって、けっこういいものですよ。少なくとも本人は楽です。
では、どうすれば鈍感になれるのか? まずは「自分がどう思われているか」と考えることをいったんやめてみてはいかがでしょうか。そして、「どう思われているか」から「自分はどうありたいか」に、軸足を少しずつ移してみるのです。
いきなり鈍感になるのは難しいと思いますが、少しずつ〝敏感すぎて傷つきやすい私〞を手放していけるといいですね。人にはそれぞれ好き嫌いがあるので、万人に愛されることは不可能です。それに人は、いったん「この人は、こういう人」と思うと、めったなことでは評価を変えません。
さらに、ここが重要なのですが、他人があなたを幸せにしてくれるわけでもありません。つまり「自分がどう思われているか」を気にすることは、ほとんど意味のないことだと私は思うんです。「人からこう見られたい自分」に近づくことよりも、「こうありたい自分」になる努力をしたほうが、ずっと幸せに生きられると思います。
堀野智子 ビューティーアドバイザー
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