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苦しい、助けて!…年金16万円・71歳高齢母「老人ホーム」から緊急搬送。45歳ひとり娘、いまさら知る真実に「すべて私の責任です」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月8日 10時15分

苦しい、助けて!…年金16万円・71歳高齢母「老人ホーム」から緊急搬送。45歳ひとり娘、いまさら知る真実に「すべて私の責任です」

(※写真はイメージです/PIXTA)

広いマイホームも高齢になるとその維持だけでも大変で、さらにバリアフリーでないと暮らすのもひと苦労。住み替えを考えるケースも珍しくありません。そのとき、有力な選択肢になるのが老人ホーム。さまざまな種類がありますが、きちんと違いを理解していないと、思わぬ事態に直面することもあるようです。

高齢の母、郊外の自宅でひとり暮らし…このまま住み続けるのはしんどい

株式会社LIFULL seniorが60歳以降に住み替えを行った人を対象に『住み替え先選びのポイントや探し方についてのアンケート調査』によると、住み替えによって「満足度が上がった」は61.7%。「満足度が下がった」は3.3%で、おおむね住み替え成功といったところ。

住み替えの形態として最も多いのは「戸建て」で51.0%。「分譲マンション」22.3%、「賃貸住宅」20.8%。そして割合は小さいですが、「サービス付き高齢者向け住宅」2.0%、「シニア向け分譲マンション」1.7%、「有料老人ホーム」0.7%と続きます。

また住み替えの際に重視したこととしては、最多が「買い物に便利」で45.7%。「駅や病院などに近い」35.9%、「公共交通機関が発達している」33.9%、「静かな場所にある」30.4%、「災害が少ない地域にある」28.2%、「最後まで自宅で過ごせる」23.4%、「元の家と同じ地域にある」21.4%と続きます。

このようにしてみていくと、高齢者の住み替え、“利便性の向上”が一番の目的になることが多いようです。

山口洋子さん(仮名・71歳)も、住み替えを考えているひとり。8歳年上の夫は2年前に他界。それ以来、自宅で1人暮らしをしています。自宅は郊外の一戸建てで、何をするにも中途半端なロケーション。また昔ながらの自宅は段差が多く、階段も急。ひとりで管理するには広い庭も、住み続けるにはネックでした。

そんな母を心配するのが、ひとり娘の浩美さん(仮名・45歳)。住み替えを考えているという母の言葉を受けて、一緒に住み替え先を探すことにしたといいます。

当初、自宅の売却益で買うことのできる、利便性の高い分譲マンションやシニア向けマンションを考えていましたが、郊外の戸建て、そこまで高く売れる見通しが立たず……完全に行き詰っているときに、知人から「老人ホームはどう?」とアドバイスをされたといいます。

母娘、見学をして決めた「住宅型有料老人ホーム」…介護も医療も充実という思い込み

老人ホームは、介護や医療が必要になった人たちが入るところで、家族から見放された高齢者が入る施設というイメージがありましたが、調べてみると、そんなのは昔の話。今は健康な人でも入れる施設があり、またホテルのような明るい雰囲気のホームも多いことがわかりました。

また老人ホームであれば、万が一、介護が必要になったときも安心。高齢の母が住むには、娘としても安心できます。

一気に第一候補となった老人ホーム。浩美さんがいくつかピックアップして、母娘で見学。いくつかの候補のなかから、家賃の前払いとなる入居一時金が800万円、月額費用が月16万円の洋子さんの年金で賄える、住宅型老人ホームへの入居を決めたといいます。

――老人ホームなら万が一のときでも安心だし、住宅型の老人ホームは比較的自由で、それもまだまだ元気な母にはピッタリ。新設の施設だから設備もキレイ。入居を決めたポイントです

母も私も何も不安も心配もない……そう思っていた矢先、ある事件が。洋子さん、突然、発作を起こしましたが施設で対応できず、緊急搬送されたというのです。

病院に駆けつける浩美さん。そこで運ばれるまでの経緯を聞くことになります。洋子さんは、ダイニングで発作が起きた際、「苦しい、助けて!」と叫び助けを呼んだものの、当時、施設には看護師がおらず、手当てが遅れてしまったとのこと。命に別条はないのは、不幸中の幸いでした。

――看護師さんがいないなんて、なんで?

安心して母を預けられると思っていたのに……しかしそこで浩美さんは、老人ホームの真実を知ることになります。

介護サービスを提供する施設では職員の配置基準が決められており、要介護1以上の入居者3人に対し、介護・看護職員=直接処遇職員1名以上と決まっています。これは「3:1」として知られ、入居者40名であれば直接処遇職員は14人はいないといけないという計算になります。

しかし住宅型有料老人ホームは、介護サービスは在宅系の介護事業所から受けることになっており、ホーム自体は介護保険の事業者ではありません。つまり職員の配置基準外。実際に住宅型有料老人ホームのなかには、少ないながらも看護職員ゼロ人という施設も。「老人ホームなら介護も医療も充実」と考えている人にとって、思わぬ落とし穴になります。

もちろん、充実した介護・医療体制をうたい文句とする住宅型有料老人ホームも多いので一概にいうことはできません。しかし施設ごとに異なる基準を理解し、そのうえで職員の配置状況について確認する必要があるのです。

――そんな基本的なことを知らず……母が大変な思いをしたのは私の責任だ

まずは母の回復を待って、この先どうするか、話をしようと考えているといいます。

[参考資料]

株式会社LIFULL senior『住み替え先選びのポイントや探し方についてのアンケート調査』

厚生労働省『人員配置基準等 (介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)』

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