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「新車のベンツ」を買えるほど稼いでいる社長が「4年落ちの中古車」を好むワケ【税理士・公認会計士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月30日 11時15分

「新車のベンツ」を買えるほど稼いでいる社長が「4年落ちの中古車」を好むワケ【税理士・公認会計士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏によると、新車のベンツを楽々買えるほど稼いでいても、あえて「4年落ちの車」を購入する経営者が少なくないそうです。それはいったいなぜなのか、詳しくみていきましょう。

車の名義…“個人”と“法人”どちらが得?

――経営者のなかには、車を購入する際、個人で持つか法人で持つかで悩む人も多いと思うのですが、実際のところどうなんですか?

黒瀧氏(以下、黒)「基本的には法人で持ったほうがメリットは多いですね」

――それはなぜなんでしょうか?

黒「法人名義で購入すると、個人で購入するよりもトータルで用意するお金が少なく済むんです。かなり単純化して話しますが、たとえば1,000万円の車を購入するとしましょう。

所得税と住民税が合わせて税率50%だった場合、1,000万円の、車を購入するためには役員報酬を2,000万円出さなければいけません。

しかし、法人名義で買う場合は所得税や住民税を考えなくても良いので、用意するお金は1,000万円で済むんです」

――なるほど、個人の税金を考えると、法人で購入したほうが安く済むんですね。

黒「さらに、法人の場合は車の購入費用や維持費などを経費として計上できます」

――会社の節税にもつながるんですね。それを聞くと、法人で買わない手はないですね。

“4年落ちの中古車”は税制面でのメリットが多い

黒「車を法人名義で購入するメリットについて、まずは購入費を減価償却できる点ですね。車の購入費を減価償却で経費にできるので、節税につながります」

――車の購入費は、不動産ほどではないにしても金額が大きいですからね。それを経費にできるのはありがたいです。

黒「特に、4年落ちの中古車は利益を一気に圧縮したいときに有効です。4年落ち、正確には3年10ヵ月以上経っている中古車は、最短1年で全額経費にすることができます」

――なるほど、だから新車のベンツを買えるほど稼いでいる経営者でも、4年落ちの車に乗っている人が多いんですね。腑に落ちました。

黒「そしてもう1つ、法人で車を購入した場合、関連する費用も経費で落とせるんです」

――関連する費用とはどういったものになるんですか?

黒「たとえば、車のメンテナンス費用や車検代、自動車保険料や自動車税、さらにガソリン代などを経費にできます」

――本当ですか? ガソリン代なんて最近どんどん値上がりしてて困ってたんですよ。それなら車を法人名義で購入して、プライベートで使えばだいぶお得ですね。

黒「それはちょっと難しいですね」

車を法人名義で購入する際の注意点

――そうなんですか?

黒「車を法人名義で購入する際の注意点として、プライベートで利用していた場合は、購入費や維持費の経費計上を税務署から否認され、さらに賞与認定されて源泉所得税が課税されてしまう可能性があります」

――え? じゃあ法人名義で車を購入したら、プライベートでは使用できないんですか?

黒「原則はダメなんですが、基本的に事業で利用していて、その延長でたまに使うくらいなら問題ないかと思います。

ただ、プライベートでも使う機会が多いのであれば、会社に使用料を支払うように規程を作ることで税務署からの指摘にも対応できます」

――使用料はどれくらい払えばいいんですか?

黒「たとえば、年間の減価償却費と維持費の合計が240万円だったら、1ヵ月分は20万円です。プライベートでの使用が全体の10%だとしたら、1ヵ月当たりの使用料は2万円、というイメージ。明確な根拠に基づいて計算することがポイントです」

――なるほど、プライベートで使い倒そうと考えている人は注意が必要ですね。

黒「また、前述したように、車の購入にはそれなりのキャッシュが必要であるため、キャッシュに余裕がない時に法人名義で車を購入すると、会社の資金繰りに影響がでる場合があります。そこでおすすめなのが、カーリースを活用する方法です」

――カーリースですか? 考えたこともありませんでした。

黒「カーリースなら車を購入することがないため、多額のキャッシュを準備する必要がなくなります。また、リース料が月一定額な上、車のレンタル料だけでなく、メンテナンス代や自動車税、自動車保険料などがすべてリース料に含まれるので、経理処理が楽になります

――車に関連する費用とすべてまとめてリース料として計上できるんですね。

黒「また、資産を持つことにならないため、資産の流動比率が低くなることもありません。貸借対照表で見た会社の資産状況を健全に保っておきたい人にとっても、リースは有効な選択といえるでしょう」

――なるほど、キャッシュに心配がある人や会社の資産を増やしたくない人は、カーリースを利用してみてもいいかもしれませんね。

黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士

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