1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

高齢者のダイエットは危険!実は寿命を削ってしまう可能性もあることが判明

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月19日 11時0分

高齢者のダイエットは危険!実は寿命を削ってしまう可能性もあることが判明

(※写真はイメージです/PIXTA)

できれば老けたくないですよね。和田秀樹氏監修の書籍『老けない習慣ベスト100』によると、老化を予防する食事や食べ物があるそうです。一体どんなものでしょうか? 本書から詳しく紹介します。

歳を重ねてからの食事制限やダイエットは、気をつけるべき。寿命を削る危険も

太っている中高年から高齢の人は生活習慣病になりやすいといわれ、「ちょっと痩せないと」と普段から思っているかと思います。歳を重ねると代謝が下がり、なかなか痩せづらくもなるので、一念発起してダイエット、もしくは食事制限を……と考えたくもなりますが、特に高齢の方のダイエットは気をつけるべきです。

中高年の健康管理の指標の一つとして定着しているのが「BMI」です。体重〈kg〉÷身長〈m〉÷身長〈m〉という式で割り出される世界共通の指標です。多くの場合、BMIの数値が、WHO(世界保健機関)による「普通」の基準となる18.5〜25の間に収まるのが健康と考えられています。

ところが、いざ統計データを見てみると、実はBMI25を超えた人のほうが、長生きする傾向がわかっています。2009年に日本で発表された研究結果では、40歳時点の平均余命が最も長かったのは、男女ともにBMI25〜30の人でした。

一方、最も平均余命が短かったのは、BMI18.5未満(やせ型)の人でした。両者の間の平均余命を比較すると、男女ともにBMIが高い人のほうが6〜7年ほど長生きすることがわかっています。多少、気をつけたいのはBMIが35以上の高度肥満と呼ばれる方々ですが、それよりやせ型の人のほうが短命傾向です。そして、「小太り」くらいの人のほうは、長生きする傾向なのです。

ですから、体形が多少気になるくらいの方は、過激なダイエットをして「痩せないとダメだ」と強迫観念に駆られるのは危険です。逆に歳を重ねて食が細くなってきたな、だいぶ痩せてしまったなと思う人のほうが心配なくらいなのです。

食べたいものは「体が欲しているもの」と考える。食べられるうちに好きに食べよう

人間がおいしいと感じるものとは、甘いものや脂肪分があるもの、うまみ成分(アミノ酸)が含まれているものなどです。なぜ、人間がそれらをおいしく感じるのかというと、生物進化の過程で「体に必要なものをおいしく感じるように進化」したからです。

例えば、甘いものに多く含まれるブドウ糖がなくなれば、脳が働かなくなり、生命活動は止まってしまいます。その意味で、体にとって糖分は最も大切な栄養素といえるでしょう。脂肪は体を動かすエネルギーとして欠かせません。細胞膜の生成や修復にも使われています。たんぱく質はアミノ酸に分解され、筋肉や皮膚、臓器の材料にもなります。

「今日は肉が食べたい」「甘いものが食べたい」と感じるのは、体がその栄養素を欲しているからなのです。高齢になればなるほど、「粗食であるほうが健康的に生きられる」として、玄米一食にしたり、菜食に切り替えたりする方も少なくありません。

肥満は抑えられるでしょうが、そんな低カロリー、低栄養、低脂肪の食事を続けていると、老化のスピードは加速します。食べることは人生における大きな楽しみです。節制しすぎて、食事への興味が失われてしまうと、肉体的にも精神的にも老けてしまいます。

もちろん毎日とは言いませんが、おいしいものを食べて、幸せな気持ちになるだけでも前頭葉には良い刺激になり、健康には良いのです。ですから、体の声を聞いて食べたいものを食べる機会を積極的に設けるべきでしょう。

いわゆる「グルメな人」は、脳が若々しいのか、元気な印象があります。健康のために我慢して好きではない物を食べるよりは、なるべく自分の好きな物を食べて、脳にも体にもきちんと栄養を与えることが、アンチエイジングにつながります。

塩分を気にするあまり、塩分不足に陥ってしまう高齢の方も。体が欲していると考えよう

前項でも触れましたが、食べたいものを我慢している中高年や高齢の方は多いでしょう。食べる量を減らす、塩辛いものや甘いものを避ける、脂っこいものを控えるなどはよくあるケースです。世間的には(特にお太りの方の場合は)、「塩分、糖分、脂質」は三大害悪のように言われています。しかし、本当にそうなのでしょうか? 先述の通り「食べたい」と思うのは体が求めているとも考えられます。

特に高齢の方は臓器の働きが落ちるため、これが欲求を生んでいる可能性があるのです。例えば塩分ですが、人間はナトリウム(塩)がないと生きていけません。しかし、高齢者の腎臓は塩分を排出し、血中の塩分不足を起こすことがあるのです。

腎臓にはナトリウムを貯留する働きがあり、足りなければキープしようとします。ところが老化するとキープする能力が落ち、吐き出してしまうのです。この現象(低ナトリウム血症)によって、塩分不足になってしまい、体が塩分を欲するというわけです。

60代くらいまでは、たしかに塩分の摂り過ぎは、健康を損なう原因になるかもしれませんが、国際的に有名な医学雑誌に掲載された研究によると、1日10〜15グラムの塩分摂取が最も死亡率が低いことが明らかにされています。さらに高齢の方などは、一度世間の常識を忘れたほうがいいくらいです。

栄養不足は確実に老化を進めるからです。もちろん、無理に摂取する必要はありませんが、「食べたい」と思うなら、我慢せずに食べましょう。ちなみに、低ナトリウム血症は、意識障害や痙攣などを引き起こします。

普段は逆走や暴走をしない高齢ドライバーによる逆走事故や暴走事故などは、もしかすると低ナトリウム血症が原因で意識が飛んだのではないか。あるいは、血糖値や血圧を下げ過ぎて頭がぼーっとしてしまったなど、複数の原因が考えられそうです。

和田秀樹 医師

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください