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よくある接客「こちら大人気の商品で、最後の1点なんです」は逆効果?ときには「買わせない勇気」も必要であるワケ【元ルイ・ヴィトン トップ販売員が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月1日 10時15分

よくある接客「こちら大人気の商品で、最後の1点なんです」は逆効果?ときには「買わせない勇気」も必要であるワケ【元ルイ・ヴィトン トップ販売員が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「こちら大人気の商品で…」「最後の1点なんですよ」こうした接客は定番中の定番ともいえますが、ときには逆効果になることもあるといいます。長期的な視点で顧客関係を築くにはどのように接するとよいのでしょうか。本記事では、元ルイ・ヴィトン トップ販売員の土井美和氏の著書『元ルイ・ヴィトン トップ販売員の 接客フレーズ言いかえ事典』(大和出版)より一部を抜粋・再編集して、お客様の心をつかむフレーズをご紹介します。

とても人気の商品だとアピールする→それだけでは不十分

【無難なフレーズ】

「こちら大人気の商品で、最後の1点です」

【心が動くフレーズ】

「発売前からお問い合わせがとても多くて、初回入荷分は一度完売してしまったのですが、本日久しぶりに1点のみ入荷しました」

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「大人気の商品」という表現は漠然としていて、お客様に届きにくいフレーズです。どのぐらい人気なのか、どの点が人気なのか、どのような人に人気なのか、など具体的にお伝えできると、伝わる度合いがぐんと深まります。

どこが魅力的だから人気なのか、理由をしっかり伝える

大前提として、お客様がすべて「大人気な商品」がほしく、「最後の1点」だから焦るわけではないということをまず認識すべきです。

「大人気=多くの人が持つ可能性がある」のであればむしろいらない、というお客様からしたら、このようなひと言は逆効果になってしまいます。このような方は、実際私の友人にもいます。大人気・売れ筋商品とわかった瞬間、「なら、絶対買わない!」と言うぐらいです。

その一方で、「人気商品だとわかると安心して購入できる」というお客様も、もちろんいるでしょう。その場合、ただ「大人気商品です」とお伝えするのではなく、

「これまでも、ミニサイズのお財布はたくさんあったんですよね。でも、ポケットの数がこれだけしっかりついている商品は、意外となかったんです。多くのお客様が、その点をとてもいいとおっしゃっていて。もちろん、今回デザインも相当可愛いので、それに使いやすさも加わって、これだけ人気が出ているんだと思います」

というように、どこが魅力的だから人気なのかという「理由」をしっかり伝えられると、納得感に繋がります。

たくさんの人が持っているものは苦手というお客様にも、なぜここまで人気なのか理由をお伝えしたところ、「たしかにそう言われてみると、あってもいいかもね」と心変わりして購入に至るケースは少なくありません。

また、お客様がなぜこの商品が気になったのか、なぜほしいと思ったのか、という「なぜ」をきちんとヒアリングできていれば、

「お客様と同じように、普段よくお子様と公園に遊びに行く方から人気です」

というように、同じようなニーズを持っている人に愛用されている、と伝えることで安心感を与えることもできます。

「ご愛用の感想を聞く」が普段からできていれば、他のお客様におすすめするときにも活きてくるわけです。どのような方がどんなときに愛用しているかアンテナを立てているからこそ、伝えられる言葉ですよね。

「買わせない勇気」も時には必要

多くの数は生産していない商品や、この商品が売り切れてしまったらもう二度と手に入らないような商品の場合には、きちんとお伝えする必要があります。

「また来たときにあったら買おう、って思ったら、もう手に入らない状態で、後悔するお客様がとても多いんです。私も実際そういうことがありました。すると余計ほしくなって、慌てて他のサイトとかで探したりして(笑)」と、他のお客様や自分自身のリアルな体験をお伝えすることもあります。

それでも「いいのいいの。そのときは縁がなかったと思うわ」とおっしゃるお客様に対しては、「そうですね、ご縁ってありますものね。次回ご来店の際にあれば、ご縁があったっていうことで、そのときにしましょう」とお伝えします。

このように、今日買ってもらうということに決して固執せず、〝買わせない勇気〞もときには必要です。お客様に寄り添い、お客様がほしいと思うタイミングに確実に自分を思い出していただけたり、相談していただけることのほうがよっぽど大切だと思うのです。

今日この場の売上に固執するより、長期的にこのブランドとあなたを支持していただけるファンをつくっていくことのほうが、長い目で見れば大きな実績に繋がることは間違いありません。

土井 美和

株式会社Clienteling Advisory

代表取締役

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