もう惨めで辛いです…年金18万円「78歳元教師」の男性、自宅に帰ることができず警察に保護、家族の前で流した涙
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月25日 5時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
日本の高齢化は加速し、高齢者数も総人口に占める割合も過去最高を記録。それに伴い、心配されているのが認知症患者の増加です。いまは他人事のように感じている人でも、自身が、家族が、認知症になったら……そのときの生活がどうなるのか、想像できますか?
元教員父の異変に、家族は認知症を疑ったが…
家族が認知症になったら……リアルに考えたことがある人は、どれほどいるでしょうか。実際に家族や身近な人に認知症患者がいれば想像もしやすいかもしれませんが、そうでなければどこか遠い世界のように感じているかも。
ライフネット生命株式会社が20~60代男女に対して行った『認知症に関するアンケート調査』によると、「認知症と診断された家族がいる」と回答したのは、全体の24.3%。年齢があがると「認知症の家族がいる」の割合は上昇。それでも60代男性で31.0%、女子で35.0%と3割強。
また「自身の認知症に対する考え方」として、「自分は認知症になると思う*」と回答したのは16.4%。家族に認知症患者がいると回答した人は24.7%、家族に認知症患者が2人以上いると回答した人は33.3%と数値は増えますが、それでも自分自身のことになると、よくわからなかったり、自分はならないと思っていたりするよう。
*「自分は将来、確実に認知症になると思う」と「自分は将来、認知症にたぶんなると思う」の合計
むしろ認知症にはネガティブなイメージを抱きがちなので、「家族は認知症になったけど、自分はならない、なるわけがない」と思い込んでいるのかもしれません。
元教師の山本修さん(仮名・78歳)の家族も、「お父さん(山本さん)、まさか自分が認知症になるなんて、思ってもいなかったんじゃないかな」といいます。
奥さんを亡くして10年。自宅で1人暮らしていたという山本さん。車で30~1時間ほどのところに長女家族と次女家族の家があり、結構な頻度で実家に顔を出していたといいます。
――会うと「そんなに頻繁に来なくてもいい、子どもじゃないのだから」とそっけない態度をするのですが、帰ろうとすると少し寂しそうな顔になるんですよね(笑)
そんな山本さんに異変を感じたのは、いまから2年ほど前のこと。
――今日は年金の支給日だよな
――何回いうのよ、それ
そんなやり取りがあったと思えば、
――あれっ、今日は何日だ?
――15日。年金の支給日でしょ
そんなやり取りも。月18万円程度の年金を手にしているという山本さん。2ヵ月に1度振り込まれる年金が頼りの生活を送っているため、以前から年金の振込日は一大イベントでしたが、それを何度も確認したり、かと思ったら忘れてしまったり。こんなことが何度か繰り返し起きたので、家族は「おかしい、認知症では?」と疑うように。
しかしそれを本人に伝えたところ、激怒されたとか。
――わたしが、認知症!? バカなこと、いうな!
不安、憤り……さまざまな思いが交錯する認知症患者の胸の内
かたくなに病院に行くことを拒む父。それでも説得を続け、何とか病院にいったところ、やはり認知症と診断。それでもなお、認知症であることが受け入れ難いということもあるのでしょう。
――最近、物忘れがなくなった
とか
――認知症は治った、治った
などということもしばしば。「認知症であることを受け入れることは大変なことなんだと、父をみていて初めて知りました」と長女と次女。認知症の父親とどのように接したらいいのか、悩むことも多いといいます。それでも症状の進行は緩やかで、日常生活を送るうえでそれほど不都合はなく、たまに「そういえば、お父さんは認知症だったね」と思う程度だったとか。
しかし、状況が一変する事件が。父親が隣町で保護されたと警察から連絡があったのです。
音楽が趣味だという山本さん。数ヵ月に1度、顔見知りのジャズ喫茶で行われるライブに行くのが楽しみでした。この日も普段通り、電車に乗り、ジャズ喫茶に行き、ライブを楽しみ、さあ帰ろうと駅に向かって歩いていたといいます。しかしいくら歩いても駅に辿り着くことができず、困っているところ、警察官に声をかけられ保護され、家族に連絡が入ったという顛末でした。
何度も何度も歩いた道さえも忘れてしまい帰れなくなってしまったことに、大きなショックを受けた山本さん。自宅に帰ってきてからは、ずっと「もう、本当に惨めな有様だ」「もう生きていくのも辛い」と繰り返し、娘たちがいるにも関わらず、涙を流し泣いていたとか。またそんな山本さんに対して、娘たちもどう接するのが正解か、ますますわからなくなったといいます。
2024年9月15日時点、65歳以上人口は3,625万人、また高齢化率も29.3%と、過去最多を記録しました。認知症は年齢共に発症リスクが高くなることで知られていますが、当然、高齢者が多くなれば、それだけ認知症患者が増えるのも確実。推計では認知症者数は2030年に523万人、2040年に584万人、2060年には645.1万人に達するとか。
そのような社会を前に、自身が認知症になったら、ということはもちろん、家族が認知症になったらについても真剣に考えていかなければならないようです。
[参考資料]
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