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離婚後の結婚指輪の行方、第1位は「売却」だが…昨今流行る、まさかの処分方法「木槌を使って、せーので」【弁護士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月1日 10時0分

離婚後の結婚指輪の行方、第1位は「売却」だが…昨今流行る、まさかの処分方法「木槌を使って、せーので」【弁護士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

離婚をしたときに困るのが結婚指輪の処分方法です。普通の贈り物であれば別れたあとも気にせず使うという人もいますが、結婚指輪となると多くの人がそのままというわけにはいかず……。かといって高額な結婚指輪を捨てるのはもったいないと、どうすべきか迷う人は少なくありません。どのように処分するのがいいのでしょうか? 本記事では、離婚後の結婚指輪の処分方法について、Authense法律事務所の離婚問題に精通する白谷英恵弁護士が解説します。

離婚後の結婚指輪

離婚した場合、結婚指輪をどうするかという対処方法は大きく3つです。自分に適した対処方法を選択しましょう。

相手に結婚指輪を返す

結婚指輪は贈与であることが多いため、法的には返還義務はありません。とはいえ、縁を断つという趣旨で相手に結婚指輪を返したいケースもあるでしょう。

離婚のけじめとして結婚指輪を返したい場合の返却方法のひとつが、離婚届にサインをして渡すときに一緒に渡すというものです。このタイミングであれば相手は離婚届のほうに意識が行きますので、結婚指輪のみを単独で返すよりも必要以上に縁が切れたことを意識させず、スマートに返却することができるでしょう。

結婚指輪をリフォームする

結婚指輪は貴金属としての価値が高く、リフォームをしてファッションリングにする、あるいはリメイクしてネックレスにする方もいます。リメイク専門のリング工房や、ジュエリーショップなどに持ち込めば、デザインをリフォームしてまったく違った形のものに変えることができます。

結婚指輪を捨てたり売ったりせず使いたいものの、さすがにそのまま使いたくはない、と考えている人はリフォームして使ってみるのもよいでしょう。

結婚指輪を売る

貴金属としての価値が高い結婚指輪は、売却することで離婚後の生活費の足しになる可能性もあります。購入当初の金額とは異なるものの、経済的に困窮しないための適切な対応といえます。

結婚指輪は贈与であることが多いため、返還義務はない

法律的な観点からいえば、結婚指輪は贈与に当たりますので、離婚したからといって返す義務はありません。そのため、返すかどうかはあなた自身が決めることができます。そのため、返すかどうかは自分の経済状況と、相手の出方によって、ケースバイケースで決めるのがよいでしょう。

相手によっては結婚指輪を返せというのが本心ではなく、捨て台詞のような意味合いで言っている人もおり、本当に返すとより怒らせてしまったり、逆に本当に取り返そうとしている人で家まで乗り込まれたりと、トラブルになってしまうこともあります。法律的には返還義務はありませんが、返せといわれたときはどのようにするのか考えたほうがよいでしょう。

実際のところ、離婚経験者は結婚指輪をどう処理している?

日本国内では、およそ3組に1組が離婚しています。離婚後の生活は金銭的に苦しくなった方も多く、特に子どものいるシングルマザーにとって大変な問題といえます。金銭的な問題もあり、離婚経験者で結婚指輪の処分方法として最も多かったのが売却です。多くの離婚経験者が結婚指輪の売却を選択しており、売却金の使い道は貯金や生活費にあてる方も多いです。捨てる、とりあえず持っている、どこにあるかわからないといった方、結婚指輪をリフォームした方は少ない傾向にあります。

結婚指輪を売却する方が多いということは、やはり、子どもがいる・いないは関係なく、離婚後に発生する経済的な困窮に備えているといえます。養育費や教育費は先々に途絶えてしまう可能性もないわけではありません。生活費を工面する方法として結婚指輪の売却をする方が多いのでしょう。

「離婚式」で指輪を潰す

ネガティブな印象が未だにある離婚ですが、最近では離婚式という方法でイベントとして離婚をするカップルもいます。離婚式のなかには、2人で木槌を用いて結婚指輪を潰すといったイベントもあります。このような方法で結婚指輪を処分する人もいます。

ただこの方法は、相手が離婚式に参加することが条件ですし、結婚指輪を潰すことに同意してもらう必要があります。

結婚指輪を処理する際の3つの注意点

結婚指輪を相手に返す、売却するといった場合、それぞれで注意すべき点があります。これを押さえずに処分してしまうとトラブルになりかねないので覚えておきましょう。

返すなら…スマートなタイミングで

結婚指輪を相手に返す選択をした場合、タイミングを考えないといけません。最も適しているタイミングとして相手に離婚届を渡すときです。離婚届に自分の印鑑とサインをし、結婚指輪を相手に渡せば角が立ちません。

結婚指輪だけ単独で相手に送りつけると反感を買うケースもあります。必要以上に相手にインパクトを与えることはありません。相手を傷つけないで自分の気持ちを整理をつけることを念頭に置いての対応が望ましいです。

できる限り高く売るなら…事前準備を

結婚指輪を高く売る方法のひとつがネットオークションです。しかし、売れない可能性もあればトラブルのリスクもあることを覚えておいたほうがよいでしょう。

簡単に高く売りたい場合は買取ショップを利用しましょう。店頭買取、宅配買取、出張買取といったさまざまな売り方があるのが大きなメリットです。買取ショップを利用する前には見積もり査定をしておくに越したことはありません。複数のショップに査定を出して、最も高いところを選択すれば失敗は少なくなります。婚約指輪や結婚指輪専門の買取サービスのあるジュエリーショップに持っていき、査定してもらうのもひとつの方法です。

事前の準備いかんによって結婚指輪の売却価格が変わることを覚えておきましょう。

相手の経済状況を加味して

離婚相手が経済的に困窮している場合、お金になるものをなんでも望むこともあります。法律的に返還義務はないものの、結婚指輪の返却を望んでくる相手にどう対応するかも考えておくべきです。

経済的に困窮していることが理由で相手と先々まで連絡を取り合う可能性まで考え、速やかに結婚指輪を渡す方法もあるでしょう。相手の性格や経済状況を加味しての対応が求められます。特に経済状況に困ることがなく、さらに本当に離婚したことを実感できるのなら、後のトラブルを避けるために要求どおりするのもひとつの方法です。

結婚指輪の処分が新しい人生のスタートを切るきっかけに

結婚生活の思い出がたくさん詰まった大切な指輪ですが、それだけに処分するとなるとどうしたらいいかわからないという人も多いでしょう。売ったお金で気分転換をしてもいいですし、けじめをつけるために相手に返してもよいでしょう。自分の納得がいく方法を試してみてください。

離婚後の結婚指輪の処分方法はいくつかの選択肢があります。どういった選択をしても正解はありません。現在だけではなく、先々を見据えてベストとなる結婚指輪の処分方法を模索していきましょう。

また、相手とのトラブルに発展しない方法を第一と考える方法もあります。結婚指輪を処分することで心のもやもやが晴れて、新たな人生のスタートを切るきっかけにもなるでしょう。

白谷 英恵

Authense法律事務所

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