1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

定年退職したら軽井沢に別荘を買おう…65歳元部長「退職金3,000万円」を手に夫婦の夢を叶えるつもりが、ひとりぼっちの老後確定の大誤算「何かの間違いでは?」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月28日 10時15分

定年退職したら軽井沢に別荘を買おう…65歳元部長「退職金3,000万円」を手に夫婦の夢を叶えるつもりが、ひとりぼっちの老後確定の大誤算「何かの間違いでは?」

(※写真はイメージです/PIXTA)

定年を迎え、仕事を完全に辞めたら……会社員であれば、そんな夢を一度や二度、語り合ったことがあるでしょう。しかし実際にその夢を実現できるときが来たとき、想定外の事態に直面するケースもあるようです。

65歳元部長…勤続42年で会社を去る

多くの企業が60歳を定年年齢としながらも、継続雇用で定年以降も働ける環境が整う昨今。実際に何歳まで働くかは個人に委ねられているため、「いつ仕事を辞めるのか」は以前よりも決断のいるものになっています。

60歳以上を対象に行った内閣府『高齢者の経済生活に関する調査』によると、60歳以上の就労希望年齢として最も多いのが「65歳くらいまで」が25.6%。「70歳くらいまで」が21.7%、「75歳くらいまで」が11.9%、「80歳くらいまで」が4.8%。また「働けるうちはいつまでも」が20.6%、「仕事をしたいと思わない」が13.6%となっています。

定年を迎えたから、もういいかな……という人は1割強といえるでしょうか。なかなか定年で仕事が辞められないのは、年金受給開始までの空白があるから。現状、老齢年金の支給開始は65歳。もし60歳で仕事を辞めれば、5年間の無収入の期間が生まれます。仮に月30万円を支出する家計であれば、1年で360万円、5年間で1,800万円が必要となります。無収入ということは、それだけのお金がただ減っていくだけということ。どんどん減っていく貯金通帳を眺めるストレスを考えると、「あと5年は働こうかな」と考えても不思議ではありません。

伊藤浩二さん(仮名・65歳)は、再雇用期間含め42年間、大学卒業後就職した会社を勤め上げました。

――定年以降の5年間が特に大変でしたね

50代には部長まで昇進したものの、60歳で定年と共に契約社員に。働くモチベーションが上がらない時期もありましたが、定年以降の5年はこれまでの経験を後輩たちに還元する期間だと思い、頑張ってきたといいます。

退職の日、同じ部署の仲間はもちろん、かつての部下も駆けつけてくれ、盛大に送り出してくれたといいます。

――自分のやってきたことが全部報われたと感じて、目頭が熱くなりました

余韻に浸りながら帰宅の途についた伊藤さん。これからはゆったりとした時間だけが過ぎていきます。

新婚のころ夢みた「軽井沢移住」いよいよ叶えるときが来たと思ったら

伊藤さんには奥さんとずっと話していた夢がありました。

――仕事を辞めたら軽井沢に移住をしよう

軽井沢は、伊藤さん夫婦が結婚式を挙げた思い出の場所。「森のなかの教会で挙式をしたい」というのが、伊藤さんの奥さんの夢。それを叶えるために色々と見学を繰り返した結果、軽井沢の気候、街並み、雰囲気……すべてが気に入ったといいます。そして「遠い先の話だけど、定年を迎えて仕事を辞めたら軽井沢に移住をしよう」と、夫婦で夢を語り合ったのです。

まだ新婚といえる時期にした夫婦の約束。いよいよ、その夢を叶えるときが来たのです。伊藤さん、ひそかに資料を集めたり、不動産会社に問い合わせをしたりして、物件のあたりをつけているのだとか。

――退職金が3,000万円ほどあり、それで購入できる状態のいい中古の別荘を見つけました。夫婦で暮らすなら十分かなと。東京の家は、しばらくしたら売却するつもりです

奥さんも喜んでくれるに違いない。そう確信して奥さんに話をしたところ、予想もしなかった答えが返ってきたといいます。

――軽井沢に移住!? 何よそれ。絶対にいや

――えっ、話しただろう、昔

――そんな新婚当時の話をされても。私たち老後のことなんてちゃんと話し合ったことある?

――……

伊藤さんの奥さんのなかには、軽井沢移住の話など遠い記憶。むしろ話をしたことさえすぐに思い出せないものだったのです。さらに

――お母さん、今年で88歳でしょ。大変みたいで。しばらく実家に帰って面倒をみることになったわ

――えっ

――しばらくひとり暮らしだけど、大丈夫よね、あなたなら

夫婦で軽井沢に移住して穏やかに暮らす……そんな夢が一転、大学生以来のひとり暮らしが確定。

――サプライズなんて考えずに、夫婦でもっと老後のことを話し合うべきでしたね

奥さんが親の面倒のために実家に戻ってからは、広い家のダイニングで、ぽつんとひとり食事をする毎日。特に趣味らしい趣味もない伊藤さんは、毎日、どのように過ごせばいいのかわからないまま、ときだけが過ぎていくといいます。

[参考資料]

内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください