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お願い、誰か来て!年金15万円・82歳女性「老人ホーム入居」も、わずか「2ヵ月」で起きた緊急事態に悲鳴

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月29日 5時15分

お願い、誰か来て!年金15万円・82歳女性「老人ホーム入居」も、わずか「2ヵ月」で起きた緊急事態に悲鳴

(※写真はイメージです/PIXTA)

自宅での暮らしに不安を覚えたり、限界を感じたりしたとき、有力な選択肢になるのが老人ホームです。しかし、一度、入所が決まったからといって安心できるものではありません。

老人ホームに入所を考え始める疾病、トップ2「骨折」と「脳血管疾患」

自宅で生活が難しくなったらどうしよう、と考えたときに解決策としてあがることの多い老人ホーム。株式会社LIFULL seniorが行った『介護施設入居に関する実態調査 2023年度』によると、「老人ホームへの入居を考えるきっかけになった状況」で最も多かったのが「認知症があった」で46.0%。続いて「認知症以外の疾患があった」で33.3%、「入院していた」29.6%。さらに「特に疾患はなかったが将来を考えて」が12.7%と、昨今は健康であっても老人ホームに入所する人も多いようです。

認知症以外の疾患というと、具体的にどのような疾患なのでしょうか。最も多かった疾患は2つでひとつは、大腿部頸部骨折など「骨折」、もうひとつが脳卒中や脳出血、脳梗塞などの「脳血管疾患」でともに17.0%。続いて「糖尿病」が15.9%、心不全や心筋梗塞、心臓弁膜症などの「心疾患」が13.2%と続きます。「骨折」や「脳血管疾患」など、後遺症などで日常生活が困難になるものや、「糖尿病」など食事コントロールなどの面から専門家と距離が近いほうが安心という疾患が上位を占めています。

また老人ホーム入所前の在宅介護期間は、最多が「1~2年未満」で18.5%。自宅での介護期間はない」が15.4%を占める一方、「在宅介護3年未満」が59.6%でした。

高橋圭子さん(仮名・82歳)も骨折を機に要介護となり、老人ホームの入所を決めたひとり。

――2ヵ月ほど入院していたらすっかり足腰が弱くなって……娘たちも遠くに住んでいるから来てもらうのも難しいので、施設に入所するしかないかと思いました

入居したのは、家賃の前払いにあたる入居一時金は300万円、月額費用が20万円ほどの施設。高橋さんが受給する年金は月15万円ほどだったので、月20万円の出費を上限と考えていたといいます。

――スタッフのリーダー!? のような人が頼もしくて親切で。それも大きな決め手ですね。色々と面倒をみていただくのに、結局は人ですから

居室で転倒、動けなくなり助けを呼んだが…

常に近くに介護士や看護師のいる施設は、何よりも安心だったという高橋さんですが、トラブルが起きたのは入所から2ヵ月目。居室でつまづき動けなくなった高橋さん。何度もコールを押したところで、誰も来てくれません。

――お願い、誰か来て!

何度も何度も叫んでも、誰も来てくれず途方に暮れていたところ、たまたま通りがかった入居者が動けなくなっている高橋さんに気づき、スタッフまで助けを呼びにいってくれたといいます。

――異変は前から起きていたんです

トラブル後、落ち着いてから話してくれたのは、高橋さんが入居する老人ホームの異変でした。そもそも、この老人ホーム、ベテラン介護士が2人ほどいるほかは、介護士になりたての新人ばかり。そんな歪な組織、うまくいくはずがなく、たびたびベテラン介護士の怒号が聞こえてきたといいます。そして最近、ベテランのしごきに耐えきれず、新人介護士が大量離職。今のところ、その穴を埋められずにいるという状況です。

――明らかに人がいないんです、この施設には。だからあの日も、誰も来てくれなかった

株式会社SOKKINが行った『介護士のハラスメント実態調査』によると、53%が「自分がハラスメントを受けた」と回答。また34%が「他の人がハラスメントを受けているのを見た」と回答。介護の現場はハラスメントが起きやすい職場のようです。

経験したハラスメントの内容を尋ねると、最多は「精神的攻撃」で67%。「過大な要求」「セクシャルハラスメント」と続きます。

・「おまえなんかいつでも首にできる」と脅された。(30代女性)

・度々お前は動きがトロいし要領が悪いし価値がないなと言葉でのハラスメントを行っていた。(40代男性)

・理不尽に日常的に怒鳴られた。(30代女性)

※精神的攻撃の回答より一部抜粋

また「ハラスメントが原因で退職したことがあるか」の問いに対しては、「ある」が17%、「退職を検討」が16%、「そのような人を見たことがある」が44%。ハラスメントによる退職は珍しいことではないようです。

「安心できない」と退居も視野に入れていた高橋さん。しかし「すぐに新しいスタッフが来るので」と施設側から説明を受けたといいます。確かに、実際に新しい入居先を見つけ、引っ越すのは大変なこと。今のところ思い悩んでいるといいます。

[参考資料]

株式会社LIFULL senior『介護施設入居に関する実態調査 2023年度』

株式会社SOKKIN『介護士のハラスメント実態調査』

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