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定年退職金2,400万円・60歳で仕事を辞めた元大企業サラリーマン、年金夫婦で月27万円ながら「75歳を前に現役復帰」を決意した切実事情「まさか、こんなことになるとは」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月1日 7時15分

定年退職金2,400万円・60歳で仕事を辞めた元大企業サラリーマン、年金夫婦で月27万円ながら「75歳を前に現役復帰」を決意した切実事情「まさか、こんなことになるとは」

(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化、長寿化が進むなか、一度は仕事を辞めたけれど、再び働き始める高齢者も多いようです。なぜ、現役復帰? その理由を紐解いていくと、切実な状況がありました。

お金を得るために仕事をする高齢者、1,000万超

内閣府が65歳以上の男女に対して行った『令和4年 高齢者の健康に関する調査』で、「あなたは現在、収入のある仕事をしていますか?」と尋ねたところ、28.7%が「はい」と回答。求職中1.6%も合わせると、3割を超えます。この割合を数で表すと、1,098万人が働いている人(求職者含む)です。

勤務形態を尋ねると4割近くがパートで、数にすると1,407万人にもなります。また週に何時間働いているかと尋ねたら「20時間未満」が3割超え。

【働く高齢者の勤務携帯】

・パート:38.8%(推定1,407万人)

・自営商工サービス業:13.6%(推定493万人)

・会社または団体職員:11.0%(推定398万人)

・自営農林漁業:10.8%

・フルタイムの被雇用者:10.1%(366万人)

・その他:14.0%(507万人)

また1週間あたりの勤務時間を尋ねると、1日8時間、週に40時間以上働いているのは全体の23.6%、数にして約854万人です。

【働く高齢者の週勤務時間】

・20時間未満:31.3%(推定1135万人)

・20~25時間未満:13.9%(504万人)

・25~30時間未満:5.5%(199万人)

・30~35時間未満:7.8%(282万人)

・35~40時間未満:6.3%(228万人)

・40~45時間未満:12.3%(446万人)

・45~50時未満:3.8%(137万人)

・50~55時間未満:3.0%(108万人)

・55時間以上:4.5%(163万人)

多かれ、少なかれ働いている1,000万人以上の高齢者。その理由を尋ねると、41.6%が「収入がほしいから」。数にすると1,508万人。20.2%が「働くのは体にいいから、老化を防ぐから」、17.0%が「仕事そのものが面白いから、自分の活力になるから」、4.0%が「仕事を通じて友人や仲間を得ることができるから」でした。

一度は仕事を完全に辞めたが…再び働き始めた高齢者

お金のために働く1,000万人を超える高齢者。逆の見方をしたら、仕事から完全引退の高齢者は「もうお金を得なくてもいい」と考えた人たちか、何らかの事情で働けない人たちといえるでしょう。

加藤清さん(仮名・75歳)さんは「もう、お金を得なくてもいい」と考えた人のひとり。仕事を辞めたのは、さかのぼること15年ほど前。

――もともと大手メーカーで働いていました。60歳定年後も継続して働くつもりでしたが、ちょうどリーマンショックで、その話は立ち消え。退職金は払うからとっとと出ていってくれ、というのが会社の本音だったのかな

定年退職金は2,400万円ほど。加藤さん、「仕事以外に特に趣味もないので」と、景気が良くなったらまた働こうかと思っていました。しかし、そうこうしているうちに65歳となり、年金を受け取り始めると働く気はすっかりと失せたといいます。

――年金はわたしが月18万円、妻が月9万円。夫婦合わせて月27万円ほどになります。家のローンもなくなると、それで十分暮らしていけることがわかり、さらに孫に小遣いを渡すこともできる。もう十分かなと思いました

そんな加藤さんが再び仕事を始めたのは、コロナ禍明けの昨年から。主にスポットワークで働いているといいます。

――収入は月5万円、多いときで月10万円くらいかな

働く理由。それは奥さんの介護費用の増加。認知症と診断され2年。自宅での介護を諦めて施設に入所したそうです。

――以前、親が施設にお世話になったころは月額15万円程度だった。妻の施設は月20万円を超える。年金は妻の介護費用ですべて消えます。いますぐお金がなくなるということはないけど、いずれ自分も……と思ったら、ただお金が消えていく生活が怖くて怖くて。まさかこんな状況になろうとは、思ってもみなかった

年金が頼りの日本の高齢者。昨今の物価高により、高齢者の生活はひっ迫しています。それは十分な退職金を受け取り、夫婦で十分な年金を受け取っている加藤さんも同じです。

ただ、現役復帰を果たした加藤さん、必要に迫られ働き始めたときはどこか悲壮感にあふれていたといいますが、いまはそんなことはないといいます。

――家でただひとりでいるよりも、働いてお金を得られるのはいいね。物価はまだまだ高くなるだろうから、働けるうちは働いて収入を得たほうが精神的にラクだよ

[参考資料]

内閣府『令和4年 高齢者の健康に関する調査』

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