「ゴミ屋敷」に住む人は頭の回転が速い!?…土地家屋調査士が驚いた、家主の“意外な素顔”【実体験】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月20日 11時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
もしも近所に「ゴミ屋敷」があったら……決して良い気はしないでしょう。ただ、土地家屋調査士で心理カウンセラーでもある平田真義氏によると、多くの人には「自宅をゴミ屋敷にしてしまう素質」があるそうです。いったいどういうことか、平田氏の著書『住んでる人の性格は家と土地が教えてくれる』(自由国民社)より、筆者がゴミ屋敷の家主と話すなかで感じた「ギャップ」と「危機感」をみていきましょう。
留守で正直ホッとした…ゴミ屋敷住人に「測量のお願い」
誰が見てもひと目で「ヤバい人が住んでいる!」と感じざるを得ない物件があります。例えば、ゴミ屋敷や、外装が特異な家など。こういう家は近くに住むどころか通りかかるのも怖いと感じてしまいます。
ところが、そういう物件の住人とお話しして、意外な素顔に触れたこともあります。
そんなとき、私は「住んでいる物件から受ける印象は、実際の住民の人となりとかけ離れていることもあるのだ」と学びました。
不安というものは「知らないこと」から生まれます。今お住まいのお宅の近くに「ヤバそう」だけどどんな人が住んでいるかわからないので、なんだか怖い、気が休まらない……、そんなふうに感じさせる物件があるかもしれません。
あくまでも私の観測範囲ではありますが、本当に「ヤバい人」というのはごくわずかです。ほとんどが何か事情を抱えているだけの「まともな人」なのです。
まずは、私がそんなふうに思うようになったエピソードを紹介していきましょう。
閑静な住宅街の一画に、そこだけ異様な雰囲気のお宅がありました。
壊れた自転車、古そうな物干し竿、長年使われていなさそうな椅子やテーブル、長年雨ざらしになって使えそうにないベビーカーやボードゲームなど、いろいろな物が庭に山積みになっています。低木や雑草も伸び放題です。
誰もがそこを見れば「ゴミ屋敷」と言ってしまうだろうお宅の典型的な光景でした。
このゴミ屋敷も、依頼者さんの土地の隣地に当たるため、測量の対象です。
テレビに映し出されていたゴミ屋敷の主たちが、「何がゴミだ! 全部使ってるんだよ、ボケ!」「片づけろだと? 誰が迷惑してるのか言ってみろ!」などと怒鳴り散らしている、そんな映像が頭をよぎります。
きっとここに住んでいる人は、異様にキレやすい危険人物なのではないか……。そんなイメージがどうしてもぬぐえませんでした。
依頼者さんに、「お隣に住んでいるのはどんな方なのでしょうか?」と聞いてみましたが、「挨拶程度しか話したことがなくて、よくわからないんですよね」とのお返事で、なんの情報も得られませんでした。
インターフォンを押すまでに少し時間がかかったのは、物を踏まないように注意しながら敷地内を進んだせいもありますが、正直、挨拶をしたくない、いっそのこと逃げ出してしまいたいという心境から、足の進みが遅くなってしまったのもあったかもしれません。
しかし、その日、ゴミ屋敷の住人の方は留守のようでした。いつもは訪問したお宅が留守だと残念に思うのですが、そのときはホッとしている自分がいました。
ゴミ屋敷を再訪…筆者が驚いた住人の“意外な素顔”
挨拶に行きたくない気持ちはあるものの、連絡を取らないままにしておくわけにはいきませんので、その週の日曜日に再度ゴミ屋敷を訪問しました。
ドキドキしながらインターフォンを押せば、今度はすぐに「はい」とのお返事がありました。
「お忙しい中すみません、平田と申します。お隣の〇〇様の測量の件でご挨拶に伺いました」
「はい、どうぞお入りください」
あれ? 失礼かもしれませんが、ごくごく普通の、いや、むしろ丁寧な対応。ちょっと面食らってしまいました。
境界の立会いにも快く応じてもらうことができ、事なきを得ました。
ゴミ屋敷の家主さんは、50〜60代くらいの男性でした。聞くところによれば、独身で、町工場で職人として働いているそうです。お仕事はかなりお忙しいようで、朝早くから夜遅くまで働き、深夜に帰宅することが多いのだとか。
お話の節々からは、とても真面目な方という印象を受けました。
ひとつ気になったことと言えば、会話の中で少しでも話が途切れると、間髪を入れずに別の話題を出してくるところでしょうか。頭の回転の速い方なのだろうと思うと同時に、「この人は、きっと『間』が怖いのだな」と感じたのです。
なんらかの理由で心に余裕がないと、徐々に家にも間がなくなっていくことがあります。家の中が散らかっていても気にならないどころか、むしろ多少ごちゃごちゃしているほうが落ち着くという人がいますが、これも間を恐れる心理から来ているのかもしれません。
そう考えると、ゴミ屋敷にしてしまう素質は、実は多くの人が持っているのではないかと思いました。
「これくらいならいいか」が積もり積もって、気がついたら身動きが取れなくなっていた……なんて、いかにもありそうですよね。忙しい人は特に要注意かもしれません。
平田 真義 土地家屋調査士
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