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大谷翔平、先週も打ったね。見た?…「1on1ミーティング」で雑談から自然と部下に目標を設定させる「会話の中身」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月4日 8時15分

大谷翔平、先週も打ったね。見た?…「1on1ミーティング」で雑談から自然と部下に目標を設定させる「会話の中身」

(※写真はイメージです/PIXTA)

1on1ミーティングは上司・部下における対話や面談のひとつの形態です。部下の育成やモチベーション向上を目的としていますが、会社からの要請でわざわざ場所と時間をして定期的に実施しているものの、上司にとっても部下にとっても単なる負担にしかなっていない、というケースは少なくありません。1on1ミーティングを有意義な時間にするのには、どのような会話をしたらよいのでしょうか。本記事では、小川隆弘、氏による著書『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)から一部を抜粋・再編集して、1on1の基本的な対話の流れを解説します。

1on1の基本的な対話の流れ

1on1の進め方として、通常は次の順序で実施します。必ずしもこのとおり進める必要はありませんが、基本はこの順序である点を把握しておいてください。

1.雑談する。 2.部下の体調を気づかう。 3.感謝を示す。 4.テーマに入る。 5.次回1on1までに実行する部下の具体的な行動を聞く。

この順に従うと次のような会話例が考えられます。セリフは上司の言葉です。

1.「大谷翔平、先週5本も打ったね。見た?」

2.「花粉と黄砂が飛んでいるみたいだけど、体調はどう?」

3.「きのうは頼んでいた会議資料ありがとう」

4.「今期の重要施策の〇〇商事のプレゼンテーション、日時決まった?」

5.「きょうはここまでだね。最後に、次の1on1までに実行することを教えてもらえるかな?」

このように、まずは「雑談」で部下の緊張をほぐし、次に「部下の体調を気づかい」「感謝を示す」ことで、部下への関心が高いことを示しましょう。そうして本題へスムーズに入れるようにします。4と5が1on1の肝となるところです。主に経験学習の促進、キャリア、プライベートなどの話になります。1〜5について見ていきましょう。

1.雑談

「木戸に立てかけし衣食住」と一般的にいわれているのはご承知のとおりです※1。よく使われているのは、「休みはゆっくりできた?」「日曜日は天気よかったね。そうそう、大谷選手また打ったね!」など、気候や誰もが知っている話題だとスムーズに会話に入りやすいようです。昨今は趣味も多様化しているため、共通の話題とまではいきませんが、相手が興味のあるスポーツや音楽でしたら、その魅力を教えてもらうのもいいですね。家事や子育て関連も話題にできます。

ポイントは、リラックスしてテーマの話をはじめられるようにすること。もちろん最初は雑談だけでおわっても問題ありません。ただし、部下にたくさん話してもらいましょう。

※1 木戸に立てかけし衣食住:「き」は気候、「ど」は道楽=趣味、「に」はニュース、「た」は旅、「ち」は知人、「か」は家庭、「け」は健康、「し」は仕事、「衣」はファッション、「食」は食べ物、「住」は住まいや地域のことを指す。雑談や導入で活用されています。

2.体調を気づかう

「先週は花粉も黄砂も飛んでいたみたいだけど、体調はどう?」このようにして部下の体調を気づかいましょう。本人が気にしているようなことがあれば、言葉だけではなくノンバーバルな態度に出ることもあります※2。そのため上司は部下の言葉だけでなく、表情やしぐさなどもしっかり観察しましょう。

※2 ノンバーバル:ここでは言語以外の反応(表情、態度、話すスピード、話し方など)のこと。

3.感謝を示す

上司は部下に関心を示す必要があります。「先週はプレゼン資料ありがとね」とひとことお礼をいいましょう。とりわけよい報告などがあった場合は、その内容を覚えておき、1on1の場であらためて褒めたり、感謝を示したりして、必ず言葉に出して部下の行動をねぎらいましょう。部下は承認欲求が満たされ、本題に入りやすくなります。

4.テーマに入る

ここで本題に入ります。本題の多くは「経験学習」です。次に「会社の話題」と「キャリアの話」。近年では、キャリア支援の質が1on1の質の高さにつながってきているようです。一方、部下のライフステージに大きな出来事が生じたときは、それがテーマになるのはもちろんです。本人や家族の病気・結婚・離婚・出産・育児・介護・災害・事故など、人生のイベントごとがテーマになることもあります。

5.次回1on1までに実行する部下の具体的な行動を聞く

前回の1on1で約束した2つの行動結果を確認し、次回の1on1までに部下が実践する行動(アクション)を2つ、本人の言葉で語ってもらいます。行動は定性評価やKPIに沿った重要な業務活動であると、より効果的です。これが行動約束(コミットメント=アクション)となり、次回の1on1で結果を確認しましょう。

基本的にはこのようなサイクルをまわして1on1を継続していきます。基本ステップは時と場合により変化することがあります。部下にあわせて臨機応変に対応しましょう。

小川 隆弘、

キャリアコンサルタント、コーチ、研修講師

※本記事は『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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