メガバンク出身YouTuberが「絶対に真似してはいけない」と警告する〈新NISA〉の運用方法とは
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 9時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
「資産運用は長期投資が有利」とはいえ、実際に長期投資を実行するのは簡単ではありません。実際、投資信託の平均保有期間は約3年というデータもあるそう。そこで、チャンネル登録者数70万人超の資産運用YouTuber小林亮平氏の著書『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)より、まずは「真似してはいけない新NISAの運用方法」を紹介します。
想像以上に難しい「長期運用」
新NISAでは、長期運用が重要であることはすでにご理解いただけたと思います。
しかし、「長期運用」と口で言うのは簡単ですが、やってみるのは意外と難しいものです。
ぜひ想像してみてほしいのですが、あなたが今後、暴落に直面して大きな含み損を抱えてしまった時、それでも慌てずに運用を続けることはできますか?
もしくは新NISAを始めたものの、急にまとまった現金が必要になってしまったら、すぐに売ってしまいませんか?
2021年の三菱アセット・ブレインズ株式会社の調査によると、投資信託の平均保有期間は約3年というデータもあり、それだけ短い期間で売却をしてしまう人がどうしても多いのが現実です。
ところが短期間で売却すると、非課税期間無期限という新NISAの大きなメリットを活かすことができません。
目先のわずかな利益に目がくらんで売却してしまい、将来手に入れられる大きな資産を逃してしまう人も出てくるでしょう。
新NISAにおける長期運用の重要さを理解していても、20~30年と運用できる人はほんの一握りかもしれません。
そのため、新NISAの基本的な戦略として、買ったら持ち続ける「バイ&ホールド」を徹底しましょう。
長い目で見て右肩上がりが期待できるインデックス投資なら、買った分を放置しておくだけで利益が期待できますからね。
また、新NISAで短期的に売買を繰り返す人もいますが、皆さんは真似しないようにしましょう。これは投資ではなく、いわゆる投機で、ある機会において短い時間でお金を投じる手法です。
株式投資もトレード(機会を見計らって、株式を買ったらすぐ売って利益を狙う方法)なら、短期的に売買を繰り返す点で投機になります。
トレードは短時間で売買する分、株式市場全体の規模が大きくなっているわけではないので、利益を奪い合っている参加者全員の損益を合計するとゼロになる、ゼロサムゲームと言われます。
一方、インデックス投資は、長い目で見て株式市場全体が成長すれば、投資した人全員の損益を合計するとプラスになる、つまり投資の成績が平均点であっても利益が期待できるからプラスサムゲームとも言われますね。
投資と投機をごっちゃにしている人は多いですが、まずは両者の違いを知っておきましょう。
もちろん、トレードでちゃんとお金を増やしている人もいるので、投機自体がダメなわけではありません。
ただ新NISAでゆっくりだけど着実に資産を増やしていきたいなら、投資をやっていくことが重要なのです。
新NISAの“あまり話題にならない”デメリット
利益に税金がかかる特定口座で、A銘柄とB銘柄を運用していたとします。
それぞれを売却した際、A銘柄は40万円の利益、B銘柄は20万円の損失が発生しました。この場合、2つの銘柄の損益を合算した際の利益20万円にのみ課税することができるため、その分だけ税金を減らすことができます。
これを損益通算と言いますが、特定口座(源泉徴収あり)なら、証券会社が合計の損益を自動で計算し、すでに支払った税金も戻ってきます。
しかし残念なことに、損益通算はNISA口座では利用できません。
なぜなら、NISA口座において利益はなかったものとして非課税になりますが、損失もなかったものとしてみなされるからです。
そのため、今度は特定口座で運用しているA銘柄、新NISA口座で運用しているB銘柄があったとします。
先ほどと同様に、A銘柄は40万円の利益、B銘柄は20万円の損失が発生すると、2つの銘柄で損益通算はできず、A銘柄の利益40万円がそのまま課税対象となります。
両銘柄とも特定口座で運用していれば、損益通算できて税金を減らすことができました。
しかし片方の銘柄を新NISA口座で運用していたばかりに損益通算ができなかったので、新NISA口座で損失が出ると逆にデメリットになってしまうのです。
ただし、ここまでお話ししてきた通り、新NISAでの運用は長期での値上がり益を目指すのが基本方針であり、インデックス投資で長く運用していれば利益は期待できます。
なので、新NISA口座で損失が出ることは、あまり心配しすぎなくてもいいでしょう。
しかし、NISA制度はけっしてメリットばかりではなく、このようなデメリットがあることは覚えておきましょう。
小林亮平
資産運用YouTuber
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