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「買えていたら、勝ち組だったのかなあ」…もはや「タワマンから出られない」賃貸組の実態

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月3日 14時15分

「買えていたら、勝ち組だったのかなあ」…もはや「タワマンから出られない」賃貸組の実態

(※画像はイメージです/PIXTA)

タワーマンション(以下、タワマン)を購入する人は「金持ち」のイメージがありますが、「賃貸」で住んでいる人にはどのようなイメージがあるでしょうか。その実態に迫ります。

最初は「無理して住んだ」タワマンだったが…

タワマンに住むきっかけには、どのようなものがあるのでしょうか。タワマン歴10年、都内在住の斎藤さん(仮名)は、「憧れと利便性」をあげています。

「会社への通勤が便利なこともあり、一度住んでみたかったタワマンに住んだのがちょうど10年前くらいです。1LDKの分譲賃貸で17.5万円くらいだったかな。低層階だし、窓からは隣のタワマンが見えるだけなので眺望はあまりよくありませんが、ラウンジ、ゲストルーム、シアタールーム、ジムにプールまでついていて、部屋の天井も高く、とても気に入っています」(東京都/41歳/会社員)

都内で家賃17.5万円というと、驚くほど高い金額ではありませんが、それでも賃貸で払い続ける負担は大きそうです。どのくらい稼いでいるのでしょうか。

「当時はだいたい年収で500万円くらいでしたね。同棲していて折半だったので、そこまできつくは感じませんでした。世帯年収で1,000万円は超えていましたから。きつくなり始めたのは、2年目に車を買ったときくらいからかな。駐車場が安くて、しかもちょうど空いていたので。停まっている車はほとんどが高級車なので、中古で安く高級車を買いました」

「都内×タワマン×車持ち」と言うと夢のような生活です。それで貯蓄はできているのでしょうか。

「貯金はほとんどないですね。たまにキャッシング生活に陥っていたくらいです。タワマンの家賃が辛いというより、海外旅行が好きなので、そこでの浪費も大きかったかな。コロナで行けない期間があったので、その間お金はたまりましたが。あと車自体は安かったけど、維持費が結構かかりますね。とはいえ、10年間で年収はだいぶ上がりました。タワマンに住み始めてから、仕事の調子がいいんです」

家計は自転車操業のようですが、「タワマン」から引っ越すつもりはないと言います。

「引っ越すなら、同じマンションかなあ。購入も考えていますよ。駐車場もありますし。やはり部屋の居心地もいいです。仕事がうまくいき始めた時期とタワマンに住み始めた時期が同じなので、ゲン担ぎもあって、出ようとは思わないですね」

結婚を機に「上層階に引っ越し」したワケ

タワマン歴7年の品川さん(仮名)は、3年前、同じマンションの上の階に引っ越したそうです。そんなに住み心地がいいのでしょうか。

「引っ越し代が安く済むというのもありましたね。上に移動するだけなので。結婚して子どもができたのを機に、部屋数が多く、眺望も良い部屋に引っ越しました。2LDKで24万円です」

一月に24万円も払い続ける……。購入することは考えなかったのでしょうか。

「買いたいとは思いましたよ。でも頭金がないし、転職したばかりだし、融資が通るか微妙なところでしたね。引っ越しは好きなほうで部屋を探すのが好きなので、常に物件情報を見ていたのですが、今の部屋はなかなか出ない良物件だったので、一瞬で決めちゃいました。買うとなると、かなり選ばないとダメじゃないですか? 失敗は許されないし」

条件があえば、購入も考えているのでしょうか。

「頭金がなかったのは、引っ越し貧乏的な側面もあったんですよ。10回以上引っ越していますから。いろいろな場所に住みました。比較すると、今のタワマンはすごくいいですよ。だから最後の引っ越しは上の階に越しただけだったし、もし購入するとしても、同じマンションで考えていますね。そう考えると、今、払い続けているのは馬鹿馬鹿しい気もしますが。月24万円だと、やはりなかなか貯金もできないですし」

一度、タワマンから離れてお金を貯めてから、タワマンを購入するということはできないのでしょうか。

「タワマンから離れるのは、ちょっと嫌ですね。何か“都落ち”な感じがして嫌です。モチベーションが上がらないので、仕事の運気も下がる気がしちゃいます。それに、引っ越し代もかかるから、結局、貯めるのに必要な期間はそんなに変わらないと思います。融資の話で言えば、タワマンに住んでいるほうがタワマンを買いやすいとも聞いたことがあるし」

高齢になっても、タワマンに住み続けたいという気持ちは変わらないのでしょうか。

「“地に足つけたい”という世代もいるのかもしれませんが、1階とか、泥棒が入りそうで嫌じゃないですか。ノゾキとか。タワマンだと、近所付き合いもしなくていいし、ゴミ出しは楽だし、防音だから隣の音も気にならず、こちらも気にする必要ありません。それに、いざとなったら売れるとも思っています。人口減少しても、都心のタワマンの資産価値は下がらないと思うんですよね。いろいろなところに住んでみたら、わかりますよ。タワマンの便利と快適さが。最初から賃貸じゃなくて買えていたら、勝ち組だったのかなあと思います。もう1,000万円以上、賃料に払っちゃっているわけですからね」

もはやタワマンから「出られなく」なってしまったかのような印象も受ける内容でした。お二人ともタワマン住みというステータスへのプライドも持っているようですが、利便性や防犯性など住み心地のよさも確かに感じているようです。

タワマン賃貸組が感じるジレンマは、生活の質を維持しながら将来の資産形成も考慮しなければならない点にあります。実際、家賃に多くを割いているため、貯金が難しいという状況が続けば、老後の生活に不安が残ります。

貯金をしなければならないとは思うが、今の生活を維持したいという気持ちも強い。しかし、資産形成を怠ると、将来的には大きなリスクを伴います。タワマンでの心地よい生活を続けながらも、少しずつでも貯蓄を増やす方法を模索することが重要です。

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