高まる”健康志向”…今後も注目度の高い「ヘルスケア業界」への投資で注意すべきことは【投資のプロが助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月24日 9時0分
(※写真はイメージです/PIXTA)
本記事は、くにうみAI証券『厳選コラム・ニュース』より抜粋・再編集したものです。
ヘルスケア投資―不老不死への夢に賭ける―
「ブラックジャック」「ドクターX」など人気のアニメやドラマを見ても、人間にとって永遠のテーマであり夢とも言える、不老不死――。
いかなる権勢を誇る王族・皇族、世界的な大富豪、世紀の天才芸術家など、権力・金・才能を誇った時代の寵児でも、人間にはどうしても避けられない運命は「死」だ。どんな人でもいずれは死ぬという現実からは逃れられない。
このため、健康で長生きするためにさまざまな商品(医薬品・サプリ・ハーブなど)やサービスが存在する。今後も先進国を中心に新興国も含め、健康志向がますます高まると見込まれ、投資戦略として最も有望なのはヘルスケア業界かもしれない。
日本と比べ、海外では過度な肥満症の人々を多く見かける。欧米では、健康リスクが高い過度な肥満症の人や喫煙者などは、健康保険料が上がる傾向がある。
このため特にエリート層の間では、低カロリーのイメージが強い日本食などの人気も高い。米誌バロンズ・ダイジェスト版によると、米国の成人に占める肥満の割合は40%超で20年前の30%から上昇しているという。
またデンマーク製薬大手ノボノルディスクと米同業イーライリリーが発売した新たな肥満治療薬により、2023年に、両社の株価が急騰した。半面、他の糖尿病や心臓病といった成人病向けの医薬品会社の株価が低迷した。
バイオ&メディカル・テクノロジー、ゲノム科学・遺伝子編集、新薬の開発、臨床段階の医薬品、治療データ、医師と患者にとって革新的な医療技術・診断・医療機器・製薬会社など、生命科学分野での日進月歩は著しい。
しかしこの業界は、専門性が非常に高く、知識集約型であるため、一般の素人には、企業・製品・サービスの価値、品質、安全性などの評価が困難なほか、国際的にも競争が激しく、業界再編や規制・保険制度など国・政府などからの影響も大きく、分析・予想が困難な面がある。
投資においても、金融市場での上昇・下落が著しく、株価・資産価値・リターン(投資収益)などでも、ばらつきが大きい。
ヘルスケア業界へ投資するヘッジ・ファンドも
一般投資家が個別銘柄を選別するのは難しいため、リスクを抑え、分散投資を目指した主要な上場投資信託(ETF)を選ぶ向きも多い。
ベンチマークとして、米国上場のバイオテクノロジーに関連する会社で構成された ICEバイオテクノロジー指数(ICE Biotechnology Index)、 S&Pバイオテクノロジー・セレクト・インダストリー指数(S&P Biotechnology Select Industry Index)、ニューヨーク証券取引所に上場するバイオ銘柄で構成されたNYSE Arcaバイオテクノロジー指数(The NYSE Arca Biotechnology Index)などを採用しているところが多いようだ。
また、ヘルスケア投資に特化したヘッジ・ファンドも多数存在する。戦争・紛争、疫病、天災、景気後退など、多様なリスクに対する警戒感が強まるなか、下落リスクを低く抑えたファンドも多く見られる。
ヘルスケア業界への投資は、2019年末以降の新型コロナ・ウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)時期に世間や投資家から注目が集まったことに加え、ウクライナ対ロシア、パレスチナのハマス対イスラエルといった国際紛争が勃発した時期などにも関心が高まったことは記憶に新しい。
現段階では不老不死は難しいとしても、投資家自身ができる限り健康で長生きすることが、長期運用において、時間を味方につけ、複利効果のリターンを十分に享受するうえで、最も肝要なのではないだろうか。
髙橋 文行
池田 祐美
くにうみAI証券株式会社
オルタナティブ・インベストメントプロダクト部
この記事に関連するニュース
-
「S&P500」と「NYダウ」どう違うの? 第2次トランプ政権下ではどちらのファンドが有利?
Finasee / 2024年12月23日 7時30分
-
不老不死を求める若き科学者が疫病と戦う『Pathologic 3』の無料プロローグ版が2025年リリース予定
Game*Spark / 2024年12月21日 19時0分
-
投資のプロが注目! 運用報酬の一部が払い戻されるユニークなファンドとは?=11月新規設定ファンド
Finasee / 2024年12月17日 7時0分
-
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が史上初の6兆円ファンドに! テーマ型のハイテク株ファンドにも資金流入=11月投信概況
Finasee / 2024年12月12日 6時30分
-
米景気好調でさらに増!まつのすけのポイント投資&投資信託だけで、目指せ100万円!
トウシル / 2024年12月5日 7時30分
ランキング
-
1女川原発、営業運転を再開=福島第1と同型で初―東北電力
時事通信 / 2024年12月26日 18時46分
-
212月末まで!今年の「ふるさと納税」注意したい点 定額減税の影響は? 申し込む前に要チェック
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 13時0分
-
3ローソン、東京など一部店舗で販売する“氷”を自主回収へ ガラス片混入の恐れ
日テレNEWS NNN / 2024年12月26日 20時51分
-
4昭和的「日本企業」は人事改革で解体される? 若手社員への配慮と、シニアの活性化が注目される背景
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月26日 5時55分
-
5なぜスターバックスの「急激な拡大」は失敗に終わったのか…成長を一直線に目指した企業の末路
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 15時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください