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1万円あったら何に使うといい?企業のマーケティングに騙されないことが重要【FPが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月20日 11時0分

1万円あったら何に使うといい?企業のマーケティングに騙されないことが重要【FPが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

お金に苦労しない人生にするために、20代でできることは何でしょうか? ファイナンシャルプランナーの中村芳子氏は著書『【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと』で、お金の基本ルールを知ることだと主張しています。一体どんなルールでしょうか? 本書から詳しく紹介します。

同じ1万円でも満足度の高い使い方をする!

金持ちはムダなお金を使わない。自分が好きなこと、納得できることには出費を惜しまないが、ムダなお金は1円も使わない。だから金持ちになった。自由に使える月1万円があったら何に使う? 20代の私はヨットに使った。おしゃれにもグルメにも目もくれず、海に行く交通費、デッキシューズ、小型船舶免許をとるのに使った。後悔は日焼け止めを買わなかったこと。35歳をすぎてシミになった。

「ムダづかいをなくすこと」は「味気ないつまらない生活」ではない。企業の作戦は、必要でないものを必要だ、ほしくないものをほしいと思わせること。そのマーケティングに騙されない。人に見せなくても自慢しなくても、満足できることを見つけよう。

それは、海に潜ることかもしれない、アメリカでベースボールゲームを見ることかもしれない。ピアノを弾くこと、小説を書くこと、パンを焼くことかもしれない。それを見つけて実行したら、人生は豊かになる。1万円から大きな満足を得られる。

コンビニ貧乏、カフェ貧乏をやめれば、1年で44万円貯まる!

ムダ遣いする人がおちいっているのが、コンビニ貧乏だ。おやつや飲み物の種類が豊富。お昼の弁当も夜食もここだ。海外からの旅行客にも、日本のコンビニは美味しいもの、必需品、可愛いもの、最新のもの、何でもあるワンダーランドと大人気。

値段も数百円だから、考えずに買ってしまう。これ、満足感のないお金の使い方の典型。そのペットボトル、環境に悪いよ! そのチョコレート、皮下脂肪になるよ! コンビニで使っているお金を計算してみよう。

1日500円なら、1カ月1万5000円。ちょっとした旅行に行ける。1年で18万円。海外旅行に行ける。もう1つの誘惑はカフェ。朝の一杯、ランチ後の一杯、帰宅途中の一杯。気分転換に最適。カードローンの返済が苦しくなった30代女性。原因の1つがカフェ代だった。

会社帰りにお気に入りの店で今月のコーヒー、ときにスイーツ。1回1000円を月に22日。月2万2000円で年26万4000円。両方心当たりがあれば、年44万円。ゼロにする必要はないけど、まず半分に。そして4分の4に。満足感を変えずに、出費を減らしてみよう。

実家暮らしは29歳まで。独立しないと経済的にビョーキになるよ

親の家を出て1人暮らしをすると、家賃、光熱費、食費がかかる。できるだけ長く自宅にいた方がお金がかからず貯金できる、と考えて、実行する人は少なくない。就職して数年は、給料も安いし、家賃の高い地域では1人暮らしは難しい。数年は親元で生活するのも仕方ないだろう。でも、ずっとはダメ!

収入の全部を自分の小遣いにできるのは、一見天国だが、実はそれは落とし穴。長く親元で暮らしていると「自分の収入で生活できる」と思えなくなる。挑戦する気も消えていく。その能力が衰えていく。ずっと歩かないと足の筋肉が衰えるのと同じ。

結婚も遠ざかる。「結婚して親元を出る」=「貧乏になる」と考えて怖くなるから。苦労しても「自分の収入で生活する」体験は、なるべく早くした方がいい。すると限られた収入でやりくりして生活する「技術」が身につく。

優先順位をつける、欲望をコントロールする、貯金の計画を立てる、そういうことだ。この生き抜くための技術は、TOEICや税理士の資格よりよっぽど価値がある。役に立つ。一人前になりたいなら、遅くても30歳になる前に、親元を出よう。まず「○年後に家を出る」という目標を立てて、お金を貯めよう。

というわけで、結婚相手に「ずっと親元で生活してた人」を選ぶと、きっとお金のことで苦労するから、そのつもりで。個人的に、パートナーには1人暮らし経験者をお勧めします。

支出を記録して集計するのはアプリで。投資成果もリアルタイム

お金が苦手な人に共通の悩みはこれ。「月にいくら使っているのかわからない」すると、「ムダ遣いをやめよう」「節約して貯金したい」と思っても、何をどうしたらいいかわからず、むやみに出費を減らそうとしてくたくたに。頑張ったのに成果が出ないから、あきらめてしまう。

何にいくら使っているか、月の合計、年の合計を知るのは実は簡単。家計管理アプリをスマートフォンに入れて、銀行口座とクレジットカードを登録(連携)するだけ。銀行口座に入るお金、出ていくお金を、1円の漏れもなく記録してくれる。パソコンでも使える。

ATMで出金した分は、何に使ったか自分で記録しなくちゃいけないけど、デビットカードやクレジットカードで払った分は、いつ、どのお店でいくら払ったか自動的に記録される。超便利! アプリによって機能が違い、支出が自動的に分類されるのと、自分で分類するタイプがある。自分が使いやすいものを見つけ、時間をかけて使いこなせるようになろう。

手入力ではなく、銀行口座、証券口座と連携できる自動記帳タイプを選ぶ。レシートを撮影して入力する機能は便利だけど、デビットカードでキャッシュレス生活をすれば、必要ない。

このアプリは、預金残高だけでなく、投資信託や株式などの投資残高もリアルタイムで見せてくれる。将来、口座数や資産が増えたり、夫婦で家計管理をするようになると、もっとパワーを発揮する。自分に合いそうなのを見つけてダウンロード。使い始めてみよう。 友達と一緒に始めたら、使い方で迷った時に助け合える。

収入と支出のゴールデンバランス。支出はこの割合を目安にしよう!

収入が多くても、特定のことに使いすぎると、お金は貯まらない。たとえば、住宅費は手取り年収の25%まで。理想は20%以下。お金が貯まる支出のゴールデンバランスがある。各項目が次のパーセント以下に収まっているかチェックしよう。

数字は一人暮らしの例。この割合を上回っていたら赤信号だから、削る工夫をしよう。ボーナスが給料4ヶ月分くらいある会社員の場合だ。ボーナスがない人の数字はカッコ内。家賃25%(20%)/食費10%(8%)/貯金10ー20%(同)/自己投資費10%(8%)/ローン返済・リボ払い0%(同)/交際費+趣味費15%(同)

何にいくら使っているかは、アプリを導入して3カ月分の記録を見てみる。1カ月だと例外的な支出があって現実と離れてしまうことがある。

デジタルが苦手な人は、手帳に記録をつけてもいい。気になる項目2個か2個だけでも意味あり。このステップ=何にいくら使っているかを知る、が10年後のあなたを決める。希望に満ちた生活を送っているか、貯金ゼロの生活を続けているかの分かれ道だ。

公共料金や電話代などは、銀行口座からの自動引き落としにする。アプリでも通帳でも一覧できて管理しやすい。クレジットカード払いは、後述する理由で勧めない。コンビニでの手払いは、管理しにくいからやめるべし。

お金を貯めたいなら車は持たない。カーシェア、レンタカーを賢く使おう

車は便利。サーフボードを積んでビーチに行ったり、夜中に高速道路をドライブしたり、恋人を自宅まで送ったり。あこがれる。しかし、車は金食い虫だ。車のローンは絶対禁止。でもお金を貯めて200万円の車を買ったとしても、本体以外の費用がずいぶんかかるんだ。

たとえば、ガソリン・高速代で月2万円、駐車場代月1万円(都心はもっと高い)、税金が年4万円、保険料年8万円、車検費用2〜3年に1回で約12万円とすると、年約58万円だ。これに加えて、月3万円の自動車ローンがあったら年94万円! 小物、洗車、修理、罰金を考えると、あっという間に年150万円以上に。これでは、やりたいことができない、貯金もできない。通勤や生活の必需品でなければ、買わないのが正解だ。

持たなくても、車に乗ることはできる。カーシェアを勧める。まず近くのカーシェアを見つけて、アプリをダウンロード。会員登録して、予約して、車のある駐車場(ステーション)に行く。スマホで手続きして乗車。用がすんだら、同じ場所に返すだけ。ガソリン代や保険料もかからない。

精算は事前登録したカードなどで。最短15分から借りられるから、レンタカーよりずっと手軽。使い方によってはレンタカーが有利だったり、タクシーが手軽なこともある。車を所有せずに、スマートに乗る。これが賢い20代だ。

中村芳子 ファイナンシャルプランナー

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