科学的に効果を発揮しやすい勉強法は確実にある!ストレスフリーなその方法とは?
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月14日 11時0分
(※写真はイメージです/PIXTA)
勉強が続かなくて悩んでいませんか? オンライン個別指導塾「となりにコーチ」の代表講師・粂原圭太郎氏の著書『科学的アプローチで勉強がとまらなくなる ストレスフリー勉強法』によると、「脳科学的に正しい勉強法がある」と言います。一体どんな方法でしょうか? 本書から一部を紹介します。
効果的な勉強法を習得するには
勉強において、「必ずこうするのが正解」という決まりはありません。ただし、脳の仕組み上、多くの人が効果を発揮しやすい勉強法は確実にあります。ここでは、脳科学・心理学分野のこれまでの研究から、勉強に有効とされている勉強法についてわかりやすく紹介します。勉強の効率化を促しながらストレスを軽減させる勉強法です。
大事なのは、ストレスなくすいすい勉強することです。これから紹介する勉強法は成果が出たものです。順番が大切なので、はじめから順に読んでみてください。
勉強の真のゴールはどこか?
勉強法を知る前に、勉強のゴールのピントを合わせましょう。勉強とは、ただ知識を蓄えることではありません。真のゴールは、学んだことを実際に社会や日常生活で活用できる状態にすることです。勉強のプロセスは、「理解」「暗記」「表現」の3段階に分けられます。
第1段階は「理解」です。新しい情報や概念に触れ、それが何を意味しているのかを把握することです。しかし、この段階では、知識はまだまだ表面的なもの。試験で問われても、答えられるかどうかはわかりません。第2段階は「暗記」です。理解した内容を記憶に定着させることは重要ですが、これだけでは勉強は完結しません。なぜなら、暗記した知識をどのように活用するかが不明確だからです。
試験で問われた場合、暗記したことをそのまま問う問題なら正解できるでしょうが、応用問題だと答えられません。最終段階が、「表現」です。「アウトプット」と言ったほうがなじみがあるかもしれません。これは、学んだことを自分の言葉で説明したり、実際の状況に応用したりすることです。表現できる状態になって初めて、本当に学習したと言えます。
ここまで来れば、試験で自信を持って即答できるでしょう。多くの人は「理解」と「暗記」に多くの時間を割きますが、実は「アウトプット」にこそ重点を置くべきです。「アウトプット」を通じて、初めて深い「理解」と「記憶」が定着するからです。
実際、多くの研究が示す通り、「アウトプット」は学習過程において一番大切な要素です。勉強の真のゴールは、知識を実生活で自由自在に活用できる能力を〝楽しく〟身につけることです。このゴールに到達するには、学習の各段階をバランスよく進め、特に「アウトプット」を楽しく行なうことが重要です。
理解して、暗記し、そして積極的に楽しく表現する。この連続したプロセスを通じて、真の学びが完成するのです。ここで紹介する勉強法は、「理解」「暗記」「アウトプット」の各ステップを、「ストレスフリー」に実行していきます。
達成したい目標とは別に、小さな目標を立てる
「ストレスフリー勉強法」を紹介する前に、ひとつクイズを出しましょう。Q.まず勉強を始めるとき、何から手をつけるのがベストでしょうか? 「教科書を読んで基礎をインプットする」「単語帳を開く」「問題を解く」……いろいろな答えが返ってきそうですが、これにははっきりとした正解があります。それは、「A.目標を立てること」です。
「○○大学に合格する」「定期テストで上位に入る」など、大きくざっくりとした目標を掲げている人はいますが、普段の勉強にまでそれを落とし込めている人は少ないでしょう。勉強には必ず目標を設定しなければいけません。それは、たった5分間の勉強であっても、です。目的地のない航海は、舵をどう切っていいのかわからず、船員のやる気もなくなります。
目標を設定していない勉強では、適切な方針を立てられないだけでなく、学習へのモチベーションも下げてしまうのです。裏を返すと、目標を立てるだけで、勉強の質はみるみる上がっていきます。加えて「自分が着実に前に進めている感」があり、ストレスを抱えにくくなります。目標を立てるだけなら、とてもお得な感じがしませんか。
とはいっても、「どういうふうに目標を設定すればいいかわからない」という人もいるでしょう。目標設定はとても簡単です。おすすめのフレームワークがあるので、それに従って目標のテンプレートを埋めていくだけです。そのフレームワークとは、「SMART」です。
Specific (具体性のある)
Measurable (測定可能な)
Achievable (達成可能な)
Relevant (関連性のある)
Time-bound (期限のある)
目標設定するときに必須の5つの要素を総称してSMARTと呼びます。1つずつ説明していきましょう。
Specific (具体性のある) 目標はふんわりとした表現ではなく、必ず具体的なものにしましょう。「いい成績を取る」ではなく「90点以上を取る」。「古文単語を覚える」ではなく「古文単語を30個覚える」。自分がどこを目指すべきかがはっきり見える目標であることが重要です。
Measurable (測定可能な) 前項と関連しますが、進捗や達成度を測るには数値が必要です。「90点」や「30個」のように、目標には必ず数字を入れてください。自分がどれだけ目標とかけ離れているか、またどれだけ目標に近づいているかがこれで一目瞭然になります。
Achievable (達成可能な) 高い目標を持つことはいいことですが、あまりに非現実的だとモチベーションを落とします。必ず自分のキャパシティと相談して、実現可能な目標を設定しましょう。
Relevant (関連性のある) 「○○試験に合格する」という大きい目標なのに、その試験範囲とは違う部分を勉強する人はいません「○○大学に合格したい」「資格を取りたい」など、大きな目標に関連して、目標を立てられているか、確認してください。
Time-bound (期限のある) 期限が決まっていないと、どんなに真面目な人でも自分を律して勉強するのは非常に困難です。「いつまでに」目標を達成しなければいけないかは明確にしましょう。
次の例が、SMARTを用いて設定した目標です。小さい目標としては、「(○○の資格試験合格のために)今日、練習問題を最低5問解いて、3問以上正解する」。短期的な目標設定でもSMARTを意識すれば、勉強のサイクルを明確化できます。テキサス州立大学のマグスティン・J・ガルシア氏らの研究によると、目標設定をした学生としなかった学生で、成績(GPA)に約1.2倍の差が出たと言います。1.2倍だと大したことはないように見えますが、100点満点中60点ならそれが72点、70点なら84点になります。結構大きな違いです。
常に「どうして目標を達成したいのか」「目標達成することによる自分の将来へのメリットは何か」を考え、自分をモチベートしていくことが大切です。ストレスをなくし、自分のゴールに早く近づくためにも、必ず目標設定をしていきましょう。
粂原圭太郎 オンライン個別指導塾「となりにコーチ」の代表講師
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