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中古アパート経営を成功に導く「物件選び」の判断基準【不動産鑑定士兼税理士大家の実体験】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月28日 7時15分

中古アパート経営を成功に導く「物件選び」の判断基準【不動産鑑定士兼税理士大家の実体験】

(※写真はイメージです/PIXTA)

中古アパート経営において成功のカギを握る「物件選び」。物件を選ぶ際、どのようなところに着目すれば、「良い物件」「悪い物件」を見極められるのでしょうか?今回は、現役不動産投資家である不動産鑑定士兼税理士の沖田豊明氏が自身の経験から、不動産投資を成功に導くポイントについて解説します。

長い不動産投資の経験から、「木造の中古アパート」を選ぶ理由

これまで中古、新築、アパート、マンション……さまざまな賃貸物件に投資をしてきました。それぞれにメリット・デメリットの両方があります。

まず、新築であれば、貸し出すときの家賃を中古よりも高く設定できます。しかしながら、新築はいつまでも新築というわけではないので、当然、時が経過すると家賃が下落します。そうしたときに、「修繕・リノベーション」によるキャッシュフローの改善を考えなければなりません。

中古の場合は、そもそも修繕を前提として賃貸経営のキャッシュフローを考える必要があります。本来の賃貸収入重視でランニングコストを考えるのであれば、木造アパートがお勧めです。投資効率も非常にいいです。

特に「お買い得」な物件

特に築15年~20年ほどの木造アパートは、ちょうど耐用年数が下がってくるタイミング。利回りも高く、土地と建物が同じくらいの価格になるものもあります。しかし、木造アパートはきちんと管理さえ行えば、50年~60年であっても住むことができるため、まだまだ建物として十分使えるのです。

しかし木造アパートは、財務省令で定められている法定耐用年数の22年で、減価償却が切れてしまいます。耐用年数が過ぎると物件価格は下がることも多く、なかには、そのタイミングで物件を売却しようと考える人もいます。つまり、買い手にとっては、非常にお買い得なタイミングで購入することが可能なのです。中古の木造アパートは修繕やリノベーションさえすれば、非常に効率よく投資することができると筆者は考えています。

木造アパートの修繕・リノベーションのしやすさ

木造アパートであれば、3階建てでもいいですが、筆者は2階建ての物件を特にお勧めします。

まず、一般的なRC造のマンションの場合、木造アパートよりも高層のものが多いでしょう。そういった物件は外壁の塗り直しなどの大規模修繕工事に大きなコストがかかります。これは足場を高く設置しなければならないからであり、実際、筆者が経験した物件の大規模修繕では、外壁修繕にかかる費用の7割~8割ほどが足場代でした。

一方、木造アパートの場合、筆者が以前所有していた物件では、外壁修繕と屋根の防水加工を合わせても200万円ほど。さらに、配管工事のときに、RC造の場合、コンクリートの壁を壊す必要があり、当然これには大きなコストがかかります。しかし、木造であれば木を剥がして配管を取り替えるだけで済みます。このコストの差は、リノベーションをする際にも同様にコストを抑えて行うことができるでしょう。

不動産鑑定士兼税理士大家が実践している物件の目利き

外壁の維持管理の状況

筆者が中古物件を選ぶ際には、修繕履歴・レントロールの確認、不動産会社への聞き込み、これらを必ず行っています。

外壁などの大規模な修繕工事は、だいたい10年~15年に一度行われます。前回行われたのはいつごろか、チェックは必須です。前回の工事から期間が空いている場合は、当然その分コストがかかります。また、前のオーナーによる維持管理が悪い物件を購入してしまうと、必要以上に修繕費用がかかってしまい、堅実な賃貸経営を維持することはできません。

レントロールについては、空室状況と賃料を確認します。レントロールをみて、空室があればその原因を探し、近隣の物件と比較して賃料が適正なのかどうか不動産管理会社に聞きます。また、不動産会社には直近で住民トラブルなどが起きていないか、起きていたら原因はどのようなことか、事前に確認しておくことも重要です。

リノベーション物件の判断基準

すでにリノベーション済み物件を購入することもあります。外壁や配管まですべて綺麗に直してあるので、自ら修繕を行う必要がなく、不動産投資初心者にとってもお勧めです。ただ、リノベーション物件は、いい加減な建設会社が販売しているケースも否定できません。そうしたとき、良いリノベーション物件を見抜くのに必要なのは、「信用」です。銀行が保証して販売している物件は信用度が高いとみてよいでしょう。

物件は、30年ほどのローンで売られています。銀行としても長く貸すため、いい加減な物件に保証を出すことはできないからです。つまり、銀行が保証しているということは、それだけ安全な信用できる建設会社と判断してもよいと考えます。

不動産投資を成功に導くポイント

筆者が不動産投資を行う際に実践していることについて述べてきました。中古の物件を購入する際、外見はある程度目視で良い悪いがわかります。しかし、配管などの内部は見た目ではわからないため、修繕履歴や不動産会社からの情報、銀行による信用をもとに判断することが重要といえるでしょう。  

沖田 豊明

沖田不動産鑑定士・税理士事務所

不動産鑑定士 税理士

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