経営する賃貸物件の「19年間入居者」、ついに退去…その後にかかった「多額の原状回復費用」に絶句【不動産鑑定士兼税理士大家の実体験】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月1日 14時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
賃貸の平均居住期間は約4年といわれています。しかし、なかには経営する物件に10年、20年といった長期間住み続けてくれる人もいるでしょう。経営する物件をそこまで気に入ってくれるとは、貸主として嬉しいかもしれませんが、一方で退去の際には注意点があって……。今回は、現役不動産投資家である不動産鑑定士兼税理士の沖田豊明氏が自身の経験から、長期入居者のリスクについて解説します。
19年間住み続けていた入居者が退去
不動産投資を始めてから、まだ経験が浅いころに購入した都内の中古一棟マンション。単身者向けとファミリー向け、両方の属性に向けた部屋が入っている物件でした。不動産会社からは利回り7%と聞かされていたため、購入当時はいい買い物ができたと思っていました。
購入から3年ほどのあいだは順調に賃貸経営ができていました。ところがある日、不動産会社から連絡がきたことを機に、雲行きが怪しくなります。
担当者によると、ファミリータイプの物件に住んでいた入居者が退去するとのこと。このタイミングで、筆者は今回退去する方の入居年数が19年であることを認識しました。
原状回復の確認用に撮影された、部屋の様子がわかる写真をみて、非常に驚きました。壁紙も柱もボロボロだったのです。近ごろはフローリングが増えたため減りましたが、当該物件の部屋には畳があり、やはりその畳もささくれだらけでひどい状態でした。
そしてその後、原状回復費用として請求された額が800万円です。筆者は絶句しました。これでは投資による回収できない、と頭を抱えるはめに……。
あとから知った費用相場
結局、そのときには原状回復費用として800万円を支払いました。しかし、経験を積んだいまから考えると、当該物件の広さや当時の様子から、費用相場はおよそ300万円~500万円程度だったでしょう。要するに、当時の不動産会社から過大請求をされてしまっていたのです。
別の物件でも10年間住み続けた入居者が退去するということがあったのですが、そのときには相場を調べてから対応したため、同じ過ちを防ぐことができました。
もちろんすべてがそうではありませんが、悪質な不動産会社も少なくないのが現実です。なにか想定外の事態が発生した際には、一度専門家などへ相談してみることをお勧めします。
長期入居者によるリスク
不動産投資を行う際には、長期入居者によるリスクも想定しておかなければなりません。では、購入を検討中の物件に長期入居者がいるかどうかは、どのようにわかるのでしょうか?
答えとしては、仲介する不動産会社に確認することです。物件の購入前には、賃貸条件が記載されているレントロールも確認する必要があります。しかし、レントロールでわかることは、2年ごとの更新時の条件についてです。購入を検討する物件で2年以上前に起きたこと、これも把握しておくことは非常に重要です。入居者の更新条件だけではなく、原契約がいつかという点も、筆者は今回ご紹介した事例が起きて以降、調べるようになりました。
基本、賃貸は2年に1度更新がありますが、5年、10年と長く入居している入居者がいないか、不動産会社へ確認するようにしましょう。物件を所有中のタイミングで長期入居者の退去が発生し、大きな原状回復費用の負担が発生するか否かは、事前確認によってある程度予想ができるようになります。
単身者向けとファミリー向け、それぞれのメリット・デメリット
単身者向け物件の平均回転数は多くの場合、3年程度。しかしファミリー向けの回転数は、単身者向けと比較して長い場合が多いです。
単身者向けのデメリットは、3年程度で退去してしまうため、空室リスクがその分高いということ。転勤時期などには10部屋あると、だいたい2部屋は空室になるようなケースが多いです。
一方ファミリー向けは、特に子どもがいる家族が住む場合、子どもが小学校に入るタイミングで引っ越そうなどという考えが生まれることから、6年程度は退去しない、など空室になりづらいです。出入りを気にし過ぎなくてよいということはメリットですが、これまで述べてきたようにデメリットも忘れてはいけません。
退去1回分の単身者向けのリフォーム代とファミリー向けのリフォーム代は、大きな差があります。ファミリー向けのほうが、面積も3倍程度大きいですから、当然でしょう。さらに、筆者の物件のように10年間や19年間と長期にわたって住まれた場合、さらに大きな負担となります。
単身者向けの場合、物件の広さはもちろんさまざまですが、20平米程度の物件をだいたい3年ごとに1回直していくイメージです。3年程度でボロボロにされてしまうケースはそうそうありません。
ファミリー向けで、10年住み続けたあとに退去された場合には、多くのケースで部屋中にリフォームが必要な場所が見つかります。キッチンやトイレなどの水回りも取り換えなければならないことも。そうすると、やはり多額の費用がかかります。
したがって、単身者向けとファミリー向け、どちらも一長一短といえるでしょう。大切なことは、両方の特徴を踏まえたうえで、このようなリスクがつきものであることを認識し、心構えをしておくことです。想定外のことになったとしても、慌てず冷静に判断をすることで、健全な賃貸経営を守ることができるでしょう。
沖田 豊明
沖田不動産鑑定士・税理士事務所
不動産鑑定士 税理士
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