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2人で「年収1,500万円」の子のない夫婦…「1億2,000万円のタワマン」を余裕で購入のつもりが一転、「ローン破産の危機」に右往左往するワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月9日 8時15分

2人で「年収1,500万円」の子のない夫婦…「1億2,000万円のタワマン」を余裕で購入のつもりが一転、「ローン破産の危機」に右往左往するワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

東京に限らず、大阪でも都心の新築マンションの平均価格は、驚異の億超え。そんな高い買い物を誰がしているのか……と思えば、たとえばDINKsと呼ばれる子どものいない夫婦。普通の会社員でありながら、夫婦力を合わせてタワマンを購入しているわけです。しかし、昨今、余裕に見えていたタワマン生活に暗雲が立ち込めているといいます。

東京23区も大阪市内も…新築マンション平均億超え

株式会社マーキュリー『月例新築マンション動向2024年10月号(2024年7月度分譲実績)』によると、東京都23区の供給数は1,396戸に対し、平均価格は1億1,786万円、平均坪単価は568.4万円でした。

東京23区:1,396戸/1億1,786万円/568.4万円

東京都下:257戸/5,533万円/356.1万円

横浜市・川崎市:315戸/7,338万円/372.0万円

神奈川県下:220戸/6,941万円/344.3万円

埼玉県:256戸/5,755万円/308.8万円

千葉県:287戸/5,721万円/276.6万円

※数値左から供給戸数/平均価格/平均坪単価

駅別供給数トップは「小岩」で197戸。「中野」160戸、「浅草」109戸、「高田馬場」90戸、「相模大野」85戸と続きます。

関西圏の主要エリアをみていくと、大阪市が供給数303戸に対し、平均価格は1億0,569万円。北摂エリアは供給54戸に対し、平均価格は5,601万円。大阪・神戸間が供給174戸に対し、平均価格は5,365万円、京都市は供給45戸に対し、平均価格は7,164万円です。

駅別供給数トップは「稲野」「住道」でともに138戸。「名谷」110戸、「大阪」106戸と続きます。

首都圏でも関西圏でも新築マンションの高騰が顕著になっていますが、平均価格を押し上げているのがタワーマンション、通称タワマン。一般的に20階以上、高さにして60メートル以上の超高層マンションのことを指しますが、その資産性の高さから周辺の物件よりも2~3割程度高く販売されるのが一般的です。

アットホーム株式会社が全国の加盟店を対象に行った『不動産のプロに聞いた!「資産性の高いマンションか見極めるポイント」ランキング』によると、マンションの資産性、プロが注目する周辺環境としては、トップが「最寄り駅との距離」。実にプロの7割以上が、「駅からの距離でマンションの資産性は決まる」と回答しています。

昨今のタワマン、駅前再開発とともに語られることが多く、駅からの距離は申し分なし、という物件が多数。駅直結、というプレミアムなタワマンも多くあります。当然、販売価格も高くなり、東京23区や大阪市内では億超えという現象が起きています。

想定外の金利上昇…専門家の意見も分かれ

平均で億超えの都心の新築マンション。一部の富裕層だけが買っているかといえばそういうわけではなく、高層階を除き、購入しているのは一般層。なかでもDINKsと呼ばれる子どものいない夫婦は、昨今、タワマンを購入するメイン層とされています。DINKsとは「子どもを産まずに二人の生活を続けよう」と決めた夫婦のことで、一般層でありながら経済的に余裕があります。

中本浩一さん(仮名・41歳)・博美さん(仮名・39歳)も、都心のタワマンを購入したひと組。

――購入したのはコロナ禍前。結婚して間もないころです。お互い仕事を第一に考えていたので、それであれば通勤時間も短いほうがいい……そう考えて買ったのが、たまたまタワマンでした

会社の最寄り駅からは、住まいの最寄りまでは電車で15分ほど。さらに駅から住まいまでは徒歩3分もかからないとか。

――タワマンといっても、10階以下ですから「窓からの景色がスゴイ」というわけではありませんが、駅チカというのは本当にありがたいですね

販売価格は1億2,000万円ほど。頭金2,000万円、1億円を25年返済で借入れ。毎月の返済額は月36万円ほどになるといいます。

浩一さんの年収は900万円、博美さんは600万円、世帯年収は1,500万円になります。不動産会社からは「ご夫婦であればフルローンもいけますよ」と太鼓判を押してもらったといいますが、頭金を入れ、借入れは1億円に抑えたといいます。

――毎月の返済でほぼ僕の手取りは消えるので、ほかの生活費は彼女の給与で賄っています。あと、賞与で海外旅行。コロナが明けて、心置きなく旅行に行けるようになって、本当によかった

人生の三大出費といえば、住まいと保険と、子どもの教育費。そのうち子どもの教育費とは無縁の中本さん夫婦、タワマンに住み、好きなことをするという、何とも羨ましい生活を送っていました。しかし昨今、雲行きが怪しくなってきたといいます。

――やっぱり、金利の引き上げは気になります。専門家のなかでも意見はわかれていますが、5年ほどで1%ほど上がると主張する人もいるので……

ローンを活用し始めた頃の金利は0.6%。仮に1%上がると、毎月の返済額は4万円、年間で50万円ほども上がる計算だといいます。

――もし月4万円も返済が増えたら、とても今の生活は続けられない。手放すしか方法はなくなります

今後、住宅ローン金利は上昇すると主張する専門家がいる一方で、販売戦略上、それほど金利は上げられない、ローン金利上昇を受けて慌てて手放すのは絶対避けるべきという主張も。果たして、どちらの意見を参考にすべきか……中本さん、右往左往する日々が続いているといいます。

月4万円、年間50万円の返済負担増はいかほどか?

昨今、中本さんのようにローン破綻を警戒するタワマン購入者が増えています。

マンション購入を検討する際、指標となるのは大きく2つ。まずは年収倍率。これは年収に対して物件価格が何倍か、というもので以前は5~7倍が適正とされてきました。日本人男性の年収は567万円といわれているので、男性だけの資力でマンションを買おうとするなら、2,800万~4,000万円程度の物件が適当ということになります。

もうひとつの指標が返済負担率。これは年収に対するローン返済額の割合で、通常は20~25%程度とされています。平均的な日本人男性であれば、月9.45万~11.8万円程度のローン返済が適当だということになります。

中本さん夫婦の場合、夫婦どちらかの収入では年収倍率も返済負担率も適正を大きくオーバー。しかし夫婦2馬力で考えると、年収倍率は8倍ほど。物件価格が高騰している東京では、年収倍率10倍程度でもローン審査をクリアできるといわれているなか、適正値といったところ。返済負担率は28%程度と少々基準をオーバーしているものの、夫婦二人だからか、そのあたりは余裕なようです。

しかし金利1%増、ローン返済月4万円、年間50万円の負担増となると、返済倍率は30%を超え生活を圧迫。ローン破産の現実味を帯びてきます。

――どうするか、とりあえず様子見。仮に手放すことになっても、タワマンなら高く売れると思いますし。焦って、後悔する判断だけはしないよう気をつけようと思います

[関連資料]

株式会社マーキュリー『月例新築マンション動向2024年10月号(2024年7月度分譲実績)』

アットホーム株式会社『不動産のプロに聞いた!「資産性の高いマンションか見極めるポイント」ランキング』

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