もう40歳過ぎてるから、年収300万円しかないから…。そんな理由で「新NISAで投資なんてムリ」と諦める必要はないワケ【公認会計士の助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月22日 11時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
投資に興味はあるものの「この年齢から始めても遅い」と、始める前から諦めてしまう人がいるかもしれません。しかし、投資に「今からでは遅い」ということはありません。本稿では、公認会計士である金川顕教氏による著書『公認会計士が教える「資産づくり」を勝ち抜くための11の戦略』(ポプラ社)から一部抜粋し、新NISAを始めたいと思っている人に向けたアドバイスをご紹介します。
「今からでは遅い」と投資を諦める必要はない
「もう40歳だから」「50歳を過ぎているから」と投資を諦めるのはまだ早いです。また、複利運用は雪だるま式に資産が増えるのが特徴ですが、もう1つ大切なことがあります。それは、最初に雪だるまを作る時の芯を大きくすることです。つまり最初に多くの資金を入れることで、その後の資産形成が大きく違ってきます。
例えば、100万円を投資する場合、毎年10万円ずつ10年間投資をするのではなく、初年度に100万円を投資し、残りの9年はバイ・アンド・ホールドしているほうが10年後の資産額に大きく差が出てきます。
20代、30代は貯蓄も少なく、最初に百万単位の資金を入れるのは難しいかもしれません。しかし、40代、50代となればある程度の老後資金を貯めていたり、60代の人は退職金などのまとまったお金を持っていることも多いでしょう。利息のほとんど付かない定期預金や保険商品を解約するなど、意外とかき集めることができます。
また、50代後半になれば、住宅ローンの終わりが近づいてきたり、子どものいる人は、子育てが終わりに近づいてきていて、学費の心配がなくなるという人も多いでしょう。ですから、最初にある程度の資金をつぎ込み、月々の投資額を増やすことも可能です。
投資は「今からでは遅い」ことはありません。「今さら」といってやらないことがダメなのです。
新NISAは1,800万円枠をいかに早く埋めるかのゲーム
新NISAの場合は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がありますが、年間の上限額は「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」が240万円、合計360万円です。最大1,800万円なので、毎年限度額で購入しておくと、最短で5年間となります。そして、最短で1,800万円分を購入した人が、一番増えることになります。
もちろん、投資をしたい人は限度額以上の投資をしてもかまいませんが、そこで得た利益は非課税ではありませんので、しっかりと20%の税金がかかります(笑)。ですから、今回の新NISAでは、毎月30万円で年間360万円を投資し5年間で1,800万円の枠を使い切るのが勝ちパターンなのです。
もちろん月額30万円というのは理想の額ですので、それができるような人であれば、すでに投資家であって僕が言うまでもないでしょう(笑)。これから投資を始めようとする方は、月10万円でも、5万円でもかまいません。要は今まで貯蓄や保険などに月々回していたものを新NISAで積み立てるだけでいいのです。
5年が無理だとしても、7年でも10年でもいいので、この1,800万円の枠をしっかり使って、後はホールド、そのまま持っていればいいのです。そうすれば、20〜30年後の日本で生きていく上では安泰であると、日本政府が年金や給与水準、物価などを加味した上で呈示しているというわけです。
投資の元手をつくるポイントは「稼ぐ力」よりも「削減力」
投資をするには元手と入金力が必要です。そのためには稼ぐ必要がありますが、稼ぐ力以上に大切なのは削減する力、貯める力だと思っています。
僕の周りを見ていると経営者で収入も多いのに貯められないという人はいくらでもいます。年収1,000万円でも1円も貯蓄がない人もたくさんいます。収入や給料が多くても、その分使う金額が多くなるので、結局貯蓄をすることができないのです。
プロ野球選手や芸能人など、稼ぐ力があると、「お金を使っても稼げばいい」「こんなに稼いでいるんだから、使ってもいいだろう」という発想になるので、収入が途絶えた時に全然貯金がなく破産するケースも珍しくありません。つまり稼ぐ力と貯める力というのは、全く別の能力だと言ってもよいでしょう。
これは年収が高い人に限ったことではありません。「貯蓄ができないのは年収が低いから」と言う人がいますが、年収300万円台でも投資をしている人は、いくらでもいます。「お金がない」という人は、通信費の見直し(格安SIMにする)、不要なサブスクをやめる、保険の見直しなどをすることで、月1〜2万円以上を浮かせることも可能です。
僕自身も家賃の安いところへ引っ越し、事務所をなくし、車も1台にし、旅行で泊まるホテルのグレードを下げたり、外食の回数を減らすなど、一気には無理ですが、徐々に生活費を落としています。
例えば超こってりの二郎系ラーメン好きだった人が、いきなりそうめんを食べるのではなく、カツカレーうどん、肉うどん、きつねうどん、鴨せいろ、と少しずつ味を薄くしていけば、そうめんもおいしく食べられるようになります。
お酒や夜遊びが好きで、そこにお金を使っている人は朝5時までダラダラと飲んでいたのを4時まで、3時まで、2時まで、1時までと、少しずつ切り上げる時間を早くするなど、削減方法はいくらでもあります。
収入が15万円でも、生活費が10万円であれば5万円を投資して増やすことができますし、50万円を稼いでいても毎月48万円を使っていれば、2万円しか余剰資金がありません。
収入が増えなくても、工夫次第で人生の幸福度を下げることなく生活費をサイズダウンすることができます。そして、誰でも削減した分を投資に回すことができるのです。
もし「新NISAで投資をする余裕がない」という人がいるならば、収入の多い少ないとは関係なく、その人は身の丈に合う生活をしていないということです。
金川 顕教
公認会計士
※本記事は『公認会計士が教える「資産づくり」を勝ち抜くための11の戦略』(ポプラ社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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