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「自分だけ」「日本だけ」ではダメ?これからの時代を生き抜くために欠かせない「先見力」を養う方法【公認会計士の助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月29日 9時15分

「自分だけ」「日本だけ」ではダメ?これからの時代を生き抜くために欠かせない「先見力」を養う方法【公認会計士の助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

刻一刻と世界が変化し続ける中で、これからの時代を生き抜いていくためには「先を見通す力=先見力」が必要不可欠です。そして、先見力とは、何に「投資」をするかを長期的に考えること、それも長期的な視点を持つことだと話すのは、公認会計士の金川顕教氏です。そこで本稿では、公認会計士である金川顕教氏による著書『公認会計士が教える「資産づくり」を勝ち抜くための11の戦略』(ポプラ社)から一部抜粋し、「先見力」の身につけ方と注目すべき企業について解説します。

過去から未来の変化を読み解く

例えばタクシーの初乗りの価格は、昭和初頭には1円だったのが、今は都内では500円になっています。同様に銭湯は、もともと6円だったのが、現在は520円です。はがきの価格も2円から63円になりました。

では、今後の日本はどうなっていくのでしょうか。例えば電子マネーの決済がどれくらい増えているのか、クレカの支払いは、どれくらいの割合なのか。

5年前、10年前のデータと見比べることで、ある程度の予測を立てることはできるでしょう。

モノやサービスの価格、税金、給料、生涯年収……。例えば大企業の退職金は年に2.5%ずつ下がってきていますから、100歳まで生きるとなった時に、老後にお金がどれくらい必要なのか。

それだけではありません。結婚するとしたら、結婚式や新婚旅行、新居費用にいくらかかるのか。子どもは何人欲しいのか。学費はいくらか。親が病気になった時に、何か手当があるのかどうか……。常に長期的な視点を持っていることが必要です。

そのためには、過去のデータを見ることが、先見力をつける手助けをしてくれます。

若い世代のために、僕らができること

先見力で、欠かせないものは、「若い世代、自分の将来の子どもや孫、後継者のために」という視点です。

結局、「自分のため」という人は、今を楽しむことに精一杯で長期的な視点が身に付きにくいのです。たとえ今、結婚するつもりがなかったとしても、10年後、20年後、結婚するかもしれません。しかし、そういう発想がなければ、資産形成もできないし、先見力も身に付かないし、結果も出ません。

億万長者を調査した本を読んだことがありましたが、億万長者には、独身者は少なく、しかも婚姻している人たちの結婚生活はおしなべて長いというデータがありました。これは当たり前だと思います。

もちろん、結婚が人生のすべてではないので、結婚しなくてもかまいません。しかし、自分が遊びたいから年収1,000万円を稼ぎたいという人よりも、「日本のため」「社会のため」「人類のため」「世界平和のため」と、自分以外の誰かのため、未来の子どもたちのためにビジネスをしたほうが、圧倒的に成果が出せます。

なぜなら、後者のように、将来の子どものために、業界への恩返しのために、社会のために、日本のために、という人のほうが周囲からも応援されやすく、大きな仕事ができるからです。

国内を見るのではなく、国際基準で考える

将来を予測するのは、なかなか難しいことです。だからこそ、AIの勉強をする、ネットの勉強をする、デジタルの勉強をする、株価のチャートを見るなどといった行動を通して、先見力を養うことが大切です。

そこで、先見力を養う時に、基準となるのは国内ではなく、国際基準です。例えば、消費税を見ると、ヨーロッパの国の多くは大体が20%台です。日本は、現在、その半分の10%です。今後、消費税の引き下げをすることはないでしょうから、徐々に20%に近づいていくでしょう。

一方で、法人税、所得税、贈与税、相続税といった直接税は、日本はとても高い税率です。4,000万円以上の収入があっても、全国一律の住民税10%に加えて、超過累進税率で所得税が45%。

例えば年収が1億円の場合、日本ではそのうち、5,500万円を住民税・所得税として払わないといけません。すると手元に4,500万円しか残りません。しかし、シンガポールは住民税がなく、所得税も24%です。

ですから、もし年収1億円の人がシンガポールに住めば、税金は2,400万円ですから7,600万円が残り、日本の4,500万円と比べると3,100万円、毎年貯金を増やせるわけです。

今後、経済はグローバリズムにより、どんどん国際的な標準に各国が合わせていくことでしょう。政治も同様なので、消費税も上がるはずです。

このように、先見性を持つためには、日本国内だけを見るのではなく、海外の状況と比べることも大切です。

先見力を身につけたいなら「GAFA」に注目すべきワケ

世界を知るということは非常に重要だとお話ししましたが、僕は先見力を語る上で、Amazonというのは、外せないキーワードだと思っています。特にビジネスに関わっている人は、先見力を養うためには、Amazonの動きに注目しておくことをおすすめします。

例えば今、ドローンが、研究、調査、撮影などに使われていますが、Amazonは、本国ではすでに、購入した商品を、配達員が届けてくれるのではなく、ドローンが運び、ベランダに置いたり、家の前まで届ける時代になっています。

また、本国アメリカを中心にAmazon GOというコンビニのような形態のショップを展開していますが、この店の特徴は、店員さんがいないことです。

この店に入るとAmazonのアカウントで認証され、商品を持って外に出たら、そこで決済がなされるという仕組みになっています。ICカードやクレジットカードで払ったり、携帯の電子マネーをかざす必要もありません。

さらに陳列によるプロモーションや、仕入管理や在庫管理も、コンビニの中に設置したセンサーやカメラで行い、こういう若い人はこういう商品を買う傾向があるというように、すべてデータ化しています。そして、店舗ごとに違う商品を仕入れたりするわけです。

海外のスーパーなどは、現在どんどんAmazon GOのようになっています。スーパーは地域性が強いので、在庫管理は非常に重要です。1カ月の購買データを、顔と名前とポイントカードで認証できれば、この人はこれを買う傾向にあるというように、仕入れも無駄なくできるようになるのです。

Amazonは1995年から営業を開始して、株価は上場してから約1,000倍になっています。10万円分を買っていたら1億円以上になっているような、それぐらい伸びている会社です。

先見力をつけるためには、GAFA=グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook、現Meta)、アマゾン(Amazon)といった企業を、しっかり理解して研究することが、非常に重要だと考えています。

金川 顕教

公認会計士

※本記事は『公認会計士が教える「資産づくり」を勝ち抜くための11の戦略』(ポプラ社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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