1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

〈年金月32万〉〈退職金4,000万円〉60代・元教員同士の最強夫婦だったが…生涯安泰が一転、暗号資産で〈1,000万円の大損害〉に「もう、信じられません」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月14日 5時15分

〈年金月32万〉〈退職金4,000万円〉60代・元教員同士の最強夫婦だったが…生涯安泰が一転、暗号資産で〈1,000万円の大損害〉に「もう、信じられません」

老後の生活のベースとなる公的年金と、それを補完する退職金。夫婦共働き、さらに共に公務員となると、老後の安定性は抜群。まさに最強夫婦といって過言ではないでしょう。そんな夫婦でも、老後に大きくつまずくこともあるようです。

年金だけで生活しても、お釣りが毎月5万円!最強の元教員夫婦

日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第99回<2024年9月調査>)』によると、景況感について、現在と1年前を比べると「良くなった」が6.9ポイント、「悪くなった」は55.1ポイント。3ヵ月ごとに行っている本調査ですが、前回より「良くなった」は1ポイントほどダウン。「悪くなった」は2ポイントほど改善しました。

また暮らし向きについて、現在と1年前と比べると「ゆとりが出てきた」は5.3ポイントで、1.5ポイントほど改善。また「ゆとりがなくなってきた」は52.7ポイントで、3.0ポイント改善しました。

景況感、暮らし向き、どちらも過去1年分のD.Iをみていくと、景況感は「▲49.6」→「▲36.1」→「▲49.8」→「▲48.2」、暮らし向きは「▲52.1」→「▲44.2」→「▲52.1」→「▲47.4」と推移。この1年、一進一退でよくなったわけでも悪くなったわけでもない、という状況が続いています。

いずれにせよ、終わらない物価高を前に、多くの人が苦しい生活に直面しています。なかでも、収入を得る手段が限られている高齢者は、苦境に立たされているケースが多いようです。

このような情勢のなか、改めて注目されているのが公務員の安定性。しかも夫婦共働きなら、安泰の老後を手に入れたようなものでしょうか。

夫婦とも定年退職し、年金生活を送っている60代夫婦の伊藤浩一さん・京子さん。ふたりとも教員だったという、まさに最強夫婦です。

総務省『令和5年4月1日地方公務員給与実態調査』によると、地方公務員の一般職員の定年退職金(25年以上勤務に限る)は平均2,105.1万円。また同じように教員の場合は平均2,263.3万円です。伊藤さん夫婦、どちらも平均的な退職金を手にしたと仮定すれば、ふたり4,500万円もの退職金を手にしていると考えられます。

さらに年金はどうでしょう。日本の老齢年金は2階建て+αとされていますが、教員の場合、1階部分の老齢基礎年金と、2階部分の老齢厚生年金は共通。3階部分は、退職共済年金(経過的職域加算額)と、退職年金(年金払い退職給付)となります。

厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢厚生年金受給者の平均受給額は併給の老齢基礎年金と合わせて14万4,982円。さらに65歳以上男性に限ると16万7,388円で、65歳以上女性に限ると10万9,165円。女性の場合、キャリアの中断が多いので、男性よりも受給額が低くなっています。

伊藤さん夫婦の場合、浩一さん月19万円、京子さん月17万円、夫婦合計36万円。手取りは30万円ほどだとか。対し、65歳以上夫婦の1ヵ月の消費支出は平均25万円ほど。年金だけでもお釣りが5万円もあります。

元教員の最強夫婦が定年後にチャレンジしたのは…

夫婦で年金月36万円。退職金は合計4,500万円。毎月年金だけで生活ができ、しかも5万円のあまりも。単純計算、年金生活のなかでも1年で60万円、10年で600万円、20年で1,200万円の貯蓄ができるということ。まさに最強夫婦。現役時代とはまた異なる生きがいで、第二の人生を充実させることができます。

株式会社日本総研が国内の高齢者1,600名を対象に対して行った『高齢者の生きがい等意識調査2024』によると、「現在の楽しみや喜びを感じること」として最も多かったのが「国内旅行」で37.3%。「家族や友人など、親しい人たちのと団欒」37.1%、「読書、音楽鑑賞」20.5%、「家庭菜園・園芸・ガーデニング」18.5%、「日帰り観光」18.2%、「インターネットショッピング」13.8%と続きます。

伊藤さん夫婦の場合、「一度も海外旅行に行ったことがなかったので」と、定年後は初海外旅行を実現させることが、まずは老後の楽しみの第一。まっさきに実現させて、「また行こう」と盛り上がっていたといいますが、いまは「あまり派手なことはしないで、慎ましく生きていこう。私たち、元とはいえ、教員だったんだし」と、できるだけヒッソリとしているといいます。

いったい、何があったのかというと「暗号資産で多額の損失」。

――もともと興味があって、いつかはチャレンジしたいと思っていたのですが……

と浩一さん。ただ、いざ始めようとすると、いろいろな暗号資産があり、どうすればいいか、わからなかったといいます。そんなとき、たまたま暗号資産が取り上げられていたウェブ記事をみます。そこで紹介されていた暗号資産に興味がわき、いよいよ暗号資産を購入。

多くの人が初めて投資をする場合、または新しい投資手法にチャレンジをする場合、少額から腕試し、となるでしょう。しかし、最強夫婦の伊藤さんの場合は違います。1つの通貨にいきなり多額を突っ込みます。しかし、ここからはよくあるパターン。急激な下落に焦った伊藤さんは売却。1,000万円近い損失を被ったといいます。

暗号資産でも長期的な視点で分散投資を図ることが有効と、多くの専門家はアドバイスしていますが、それに反するカタチでひとつの暗号資産に多額の投資……大失敗の典型例です。

――またか、こんな短期間で1,000万円を失うとは……信じられません

――これからは暗号資産が来ると耳にしていたのに、私たちには無理でした

そう反省し、投資に限らず新しいモノにはのらない、質素に生きる、を実践していくのだとか。

金融広報中央委員会『金融リテラシー調査2022年調査』によると、株式、外貨預金・外貨MMFにおいて「商品性を理解せずに購入した人」の割合は株式で24.7%、投資信託で29.7%、外貨預金・外貨MMFで28.7%でした。調査では言及はありませんが、暗号資産においても、商品性を理解せずに購入している人は相当数いると考えられます。特に定年退所金を手にし、気持ち的に大きくなっているときは要注意。多額の損失を被り、あっという間に市場から退場、というケースは後を絶ちません。

[参考資料]

日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第99回<2024年9月調査>)』

総務省『令和5年4月1日地方公務員給与実態調査』

厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』

株式会社日本総研『高齢者の生きがい等意識調査2024』

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください