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恐ろしい…時短勤務で仕事と子育てを両立する「月収32万円・36歳女性社員」、理解ある職場で向けられた「まさかの敵意」に戦慄

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月16日 10時15分

恐ろしい…時短勤務で仕事と子育てを両立する「月収32万円・36歳女性社員」、理解ある職場で向けられた「まさかの敵意」に戦慄

法整備が進み、仕事と子育ての両立がしやすい環境はどんどん整いつつあります。一方で、そんな状況にモヤモヤが収まらない人たちもいるようです。

「保育所不足」から一転「保育所余り」の時代へ

2016年、「保育園落ちた日本死ね」の書き込みで大きな話題となった待機児童問題。その後、急激に待機児童は減り、今後は「保育所の2025年問題」というものが勃発しているそうです。厚生労働省による将来の保育所利用児童数の推計によると、2025年をピークに減少することが見込まれ、運営・継続が困難な保育所が増える恐れがあるというのです。

――私のころはまだ大変だったけど

木村友里恵さん(仮名・36歳)。5年前に長男を出産したときのことを振り返ります。

――3月に出産して、半年後の9月に保育所を申し込んだけど入れなくて。翌3月にやっと入ることができて職場復帰しました

出産後、半年間の育児休業のはずが1年に延長。現行の育児休業は男女ともに原則最大1年間、特別な場合は最長2歳までは育休取得が可能とはいえ、「職場に迷惑がかかる」と気が気でなかったといいます。

厚生労働省『令和4年度雇用均等基本調査』によると、有期契約労働者の育児休業取得率は2022年、女性で65.5%、男性で8.57%。過去5年の推移をみていくと、女性は69.6%→77.5%→62.5%→68.6%、男性は7.54%→3.07%→11.81%→14.21%と推移しています。

ちなみに、厚生労働省『令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査(速報値)』によると、対象1,472社、うち1,000人超の企業1,385社の回答によると、男性の育休等取得率は46.2%、男性の育休等平均取得日数は46.5日でした。男性の育休は、大企業を中心に浸透していっているようです。

ちなみにこれから育休を検討している人たちにとって気になるのが、その間の給与。産休・育休は法律で定められた労働者の権利ですが、その期間内の給料の規定はありません。ほとんどの企業で無給というのが現実です。一方で給付金は充実。出産一時金は「子ども1人当たり50万円」、出産手当金は「標準報酬日額×2/3×日数」、育児休業給付金は「育児開始時の賃金日額×67%×日数」となっています。

*180日まで。以降は50%

木村さんの場合、当時の月収は32万円。半年は月21万円強、以降は月16万円の育児休業給付金をもらうことができたといいます。ほかにも自治体によって独自の助成金や手当のあるところも。申請さえすればもらえるお金なので、きちんと調べておきたいところです。

時短勤務で仕事と子育てを両立しているが…

育児は保育所が見つかったらひと安心、というわけにはいかないことは誰もが知るところ。

――保育所に入ってすぐに病気をもらってきては、すぐに熱を出して。37度を超えると預け入れができないので、会社を休まざるを得ません。保育所に入った最初の月は登園日、わずか5日でした

今となっては笑い話でしたが、当時はコロナ禍前。リモートワークも珍しかった時代。会社の制度をあの手この手と利用しながら、何とか対応していたといいます。

前出の厚生労働省の調査によると、「育児のための所定労働時間の短縮措置等の制度」がある企業は、2022年度で77.5%。多くの企業で育児による時短勤務が可能になっています。一方で、問題はいつまでフォローしてくれるか。

【最長利用可能期間別「育児による時短勤務」の事業所割合】

・3歳未満…38.1%

・小学校就学前の一定の年齢まで…6.1%

・小学校の始期に達するまで…19.8%

・小学校3年生(または9歳)まで…6.6%

・小学校卒業(または12歳)まで…6.5%

・小学校卒業以降も利用可能…23.0%

※数値は制度ありを100とした際の割合

木村さんが勤める会社では、子どもが小学校卒業まで時短勤務が認められ、木村さん自身も利用しているといいます。

――小学校入学後に利用予定の学童保育は預け入れが18時まで。今通っている保育園は20時まで。小学校入学後のほうが何かと大変と聞くから、中学校入学前まで時短勤務できるのは本当にありがたいです

時短勤務を利用していることもあり、給与は5年間ほぼ変わらないと木村さん。職場の理解も進み、子育て世帯にはますます働きやすい環境になっているといいます。特に男性社員のほうが子育てを応援してくれる傾向が強いといいます。

――子どもの具合が悪いというと「早く帰りな」などとせかされることもしばしば

そんな時短社員に優しい職場であるものの、なかには遠慮のない声が響くこともあります。

――いいわね、子どもを言い訳に仕事に区切りがつけられて

――迷惑かけられる身にもなってほしいわ

――私のころは恵まれた環境じゃなかったけど。それでも子育てしたもんだけど

辛辣なことを、しかも他に聞こえるようにいうのは先輩の女性社員。周囲からも怖がられている存在だけに、ただ聞こえないふりをするのが精いっぱいだとか。

確かに時短勤務をすることで、そのぶんのしわ寄せはほかの社員のところにいきます。また制度が未整備だったなかでも、何とか子育てと仕事を両立させてきたのも事実。どうも恵まれている環境のなか仕事と子育てをする、今どきの子育て社員のことが疎ましくて仕方がないようです。

HiClub株式会社が20歳~39歳の女性に対して行った『マタニティハラスメントに関するアンケート調査』によると、「これまでにマタニティーハラスメントを受けたことがある」と回答した人は16.4%。また、マタニティハラスメントをされた相手は「女性」が67.2%でした。マタハラはもちろんのこと、イクハラにおいても、ハラスメントを行うのはむしろ同性からのほうが多いという、何とも恐ろしい現実がみえてきました。

――同性のほうが本音をいいやすいというのはありますよね。結局、理解あるまわりの人たちも、本心では同じように思っているのかな、と思うと気が引けてしまう……いっそのこと、会社を辞めたほうがまわりの迷惑にならないなどと考えてしまいます

子育てと仕事の両立。当事者も、そのまわりも、すべての人を納得させることは、なかなか難しいことのようです。

[関連資料]

厚生労働省『令和4年度雇用均等基本調査』

厚生労働省『令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査(速報値)』

HiClub株式会社『マタニティハラスメントに関するアンケート調査』

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