1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

毎週水曜の朝、近所の喫茶店で自慢話に花を咲かせる「年金月25万円・元勝ち組サラリーマン」に嫉妬。唇を嚙みながら接客する「68歳カフェ店員」の残念すぎる年金額

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月16日 5時15分

毎週水曜の朝、近所の喫茶店で自慢話に花を咲かせる「年金月25万円・元勝ち組サラリーマン」に嫉妬。唇を嚙みながら接客する「68歳カフェ店員」の残念すぎる年金額

(※写真はイメージです/PIXTA)

同年代であれば「よーいドン」と、だいたい同じタイミングで社会人生活をスタートさせます。それぞれが別の道を行くのだから比べても意味はない……そうは思いつつも、どこかで意識してしまう同年代の給与。それは仕事から引退し、年金をもらうようになってからも続くようです。

「仕事はやりがいで選んできた」というサラリーマンの老後

65歳で仕事を辞め、年金生活を送っていた川口幸太郎さん(仮名・68歳)。貯蓄が十分にあるわけではないと、受け取れる年金の範囲で贅沢をせず、質素に暮らしていくことを心がけていたといいます。しかし、昨今の物価高により年金だけでは生活が難しくなってきたとか。

――毎月の年金は月12万円程度。手取りは月11万円ほどです。以前はトントンだったんですけど

そもそも貯蓄が十分にないのは、勤めていた会社に退職金制度がなかったことも一因。大学卒業後、志した業界は高給とは無縁の世界。ただ社会に貢献できる、仕事にやりがいがある、ということだけを糧に頑張ってきたといいます。

――きっと、どんな仕事よりも「ありがとう」とたくさんいわれる……それで十分だと思っていました

十分働いたから、一度ゆっくりしようと思い、年金受給のタイミングで仕事を辞めた川口さんでしたが、待っていたのは物価高に苦しむ毎日。「こんな老後になるなら……給与にこだわって働く手もあったのかな」と自問自答することもしばしば。

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの月収(所定内給与)の中央値は35.3万円。上位4分の1で47.9万円、上位10分の1なら63.8万円。一方で下位4分の1で27.5万円、下位10分の1で23.3万円です。

【大卒サラリーマンの給与分布】

~20万円未満:2.35%

20万~24万円未満:9.82%

24万~28万円未満:14.52%

28万~32万円未満:13.89%

32万~36万円未満:11.06%

36万~40万円未満:9.22%

40万~45万円未満:9.50%

45万~50万円未満:7.29%

50万~55万円未満:5.50%

55万~60万円未満:4.24%

60万~70万円未満:5.51%

70万~80万円未満:2.94%80万~90万円未満:1.50%

90万~100万円未満:0.87%

100万円以上:1.78%

大卒といってもランクもいろいろありますが、よーいドンで社会人になったにも関わらず、業種や会社規模、職種、役職……さまざまな点で差が生じ、残酷なほど給与差となります。

同じサラリーマンだったが…勝ち組と負け組、20年で3,000万円の年金差

現役時代の給与差は、定年後も続いていきます。老後の生活のベースとなる公的年金には、国民年金に由来する老齢基礎年金と、厚生年金に由来する老齢厚生年金があります。そのうち老齢厚生年金は現役時代の給与ほどではありませんが、その給与によって支給額が変わります。

厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢厚生年金の平均受給額は、併給の老齢基礎年金と合わせて14万3,973円。65歳以上に限ると、男性が16万7,388円、女性が10万9,165円です。

受給額の分布をみていくと、元サラリーマンに限ると月10万円未満は8%弱。一方、月22万円以上は9.54%。脱サラなどして途中で厚生年金から脱退しているケースも考えられますが、どちらにせよ一度はサラリーマンという道を歩みながらも、下位10分の1では年金月10万円に満たず、上位10分の1では月22万円以上。1年間で150万円、10年間で1,500万円、20年で3,000万円……最上位層と最下位層で、こんなにも大きな年金差が生じます。

【老齢厚生年金受給者の年金受給額分布】

~10万円未満:22.72%(7.97%/47.53%)

10万~12万円未満:13.51%(4.39%/25.72%)

12万~14万円未満:11.70%(10.80%/13.46%)

14万~16万円未満:12.17%(14.82%/6.97%)

16万~18万円未満:13.12%(18.00%/3.54%)

18万~20円未満:12.01%(17.29%/1.63%)

20万~22万円未満:8.30%(12.16%/0.73%)

22万~24万円未満:3.98%(5.86%/0.29%)

24万~26万円未満:1.68%(2.48%/0.10%)

26万~28万円未満:0.58%(0.87%/0.03%)

28万~30万円未満:0.14%(0.22%/0.01%)

30万円以上:0.01%(0.11%/0.01%)

※数値左より全体(男性/女性)

時給1,280円、68歳カフェ店員…毎週水曜朝の憂鬱

生活苦のなか、仕事に復帰しようと考えていた川口さん。元々いた業界に戻るという選択肢もありましたが、せっかくであれば、別のことがしたいという気持ちもありました。そんなとき、駅前でみたカフェのパート・アルバイト募集。

「日中4時間以上、週2回以上、時給は1,280円~」

「月4万円以上になるな」と、パッと算盤を弾いたという川口さん。「接客業もたくさん『ありがとう』といわれる仕事だよな」と考え、バイトに応募。昨今は人手不足らしく、その場で内定が出て、「いつから働けますか? 明日から? 明後日から?」などと、店長はかなりの前のめりだったといいます。

こうして週に4日、5時間のアルバイトをスタートさせた川口さん。月収は月に10万円を超え、生活はずいぶんと楽になったといいます。川口さんのシフトは、平日9時~14時まで。10時のオープンに合わせ店を開け、ランチタイムのピークをこなして仕事を終えます。昼どきはひっきりなしにオーダーが入り忙しいものの、午前中はゆったりとした時間が流れ、川口さんもお気に入りの時間帯だとか。ただ水曜日の午前中を除いて。なんでもこの時間帯に決まって来店する、川口さんと同年代の仲良し3人組が気に食わないのだとか。

――声が本当に大きくて……何の話をしているか、すべてわかるくらい。せっかくゆったりと時間が流れる、朝の雰囲気が台無しです

――話題はお金の話が多いです。現役時代には決して給与の話なんてしなかったはずなのに、年金になるとお互いに「月何万円もらっている」みたいな話をするんですよね

おかげで、3人はみな月22万~25万円程度の年金を手にしていることがまるわかりなのだとか。元サラリーマンのなかでも勝ち組といえる存在です。さらに聞こえてくるのは、自慢話ばかり。

――どこどこの高級レストランに食べに行ったとか、どこどこのゴルフクラブを買ったとか、どこそこに旅行に行ったとか……先日も五輪に合わせてフランスに旅行に行ってきたと自慢していました。この円安のときに……聞き耳を立てなくても聞こえてくるんです。話が聞こえてくるたびに、私には叶えられない暮らしだなと、嫉妬に近いモノを感じる。そんな自分も許せません

人は人、と思いながらも、不快な気持ちになる水曜の朝。「またきた……」と、唇を嚙みながらオーダーを聞いているといいます。

[関連記事]

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください