投資家が求める株主優待は「商品券・ギフト券」が44.6%で一番人気!一方、嬉しくなかった株主優待とは?【個人投資家の本音を調査】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月31日 8時30分
(※写真はイメージです/PIXTA)
テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、株式投資家の満足度が高い株主優待内容について調査する目的で、現在、株式投資を行っている20歳以上の男女278名(「株主優待を全く重視しない」と回答した人を除く)を対象にアンケートを行いました。本調査からは、使いやすい株主優待が好まれやすい傾向が見えてきました。
調査サマリー
今回の調査結果に関する概要は以下の通りです。
- 現在受け取っている株主優待は「割引券・優待券」「食料品・日用品」「商品券・ギフト券」が多い
- 今後受けてみたい株主優待は「商品券・ギフト券」が44.6%でトップ
- うれしくなかった株主優待は「特になし」が55.0%
- 株主優待を出してほしい企業がある投資家が63.3%
- 株主優待情報の取得方法は「企業HP」と「証券会社サイト」に人気集中
- 日常的に使えて、利回りが高い株主優待のおすすめ度が高い
調査の実施概要
調査機関 :自社調査
調査方法 :インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者 :現在、株式投資を行っている20歳以上の男女(株主優待に全く興味がない人を除く)
調査期間 :2024年5月30日~2024年6月5日
有効回答 :278名
主な調査結果
1.現在受け取っている株主優待は「割引券・優待券」「食料品・日用品」「商品券・ギフト券」が多い
現役の株式投資家(株主優待について「全く興味がない」と回答した人を除く、以下同様)に、現在受け取っている株主優待の内容を質問しました。次のグラフは、その結果をまとめたものです。
最も多かったのは「割引券・優待券」で30.2%、これに「食料品・日用品」と「商品券・ギフト券」が同率の29.9%で続いています。この上位3位が僅差で並んでおり、4位以下は割合が大きく下がるという結果になりました。
現在の株主優待の内容は、「割引券・優待券」と「食料品・日用品」、「商品券・ギフト券」が定番となっているようです。
2.今後受けてみたい株主優待は「商品券・ギフト券」が44.6%でトップ
続いて、今後受けてみたい株主優待について質問した結果です。
最も多かったのは「商品券・ギフト券」で、44.6%と非常に高い割合でした。2位は「割引券・優待券」で34.9%、3位は「食料品・日用品」で29.9%となっています。
前項の「現在受け取っている株主優待」の結果と比較すると、上位3位の選択肢は同じですが、「商品券・ギフト券」の割合が非常に高いのが特徴的です。これは、「商品券・ギフト券」は他の選択肢よりも使い道が多く、用途が限定されにくいことが影響しているのかもしれません。
3.うれしくなかった株主優待は「特になし」が55.0%
本調査では、受け取ってもうれしいと感じなかった株主優待の内容についても質問を行いました。
最も目立つのは「特になし」が55.0%と、他の選択肢と比較して圧倒的に高い割合となったことです。株主優待がほしいと感じない銘柄には、投資をしない人が多いことが推測されます。
「特になし」以外では、最も高い割合となったのが「株主限定のイベント・施設利用権」で14.7%、これに「割引券・優待券」が11.9%で続いています。いずれも使い道が限定されやすい側面があるため、うれしいと感じなかったケースが多いのかもしれません。
なお、「割引券・優待券」は、これまでの「現在受け取っている/今後受け取りたい株主優待」の結果で上位に入っています。「割引券・優待券」はほしいと思う人が多い一方で、何に使えるかによって満足度が低いこともあるようです。
【参考情報】うれしくなかった理由で多いのは?
受け取ってもうれしいと感じなかった株主優待があった人に、自由記述でその理由を質問しました。結果を整理すると、以下のようになります。(有効回答:76人)
- 利用する機会・場面がない(27人)
- 自分には必要ないものだった(22人)
- 利用できる店舗・施設が近くにない(15人)
- 優待内容の質が低い(9人)
- その他(3人)
それぞれについて、コメントをいくつかピックアップして紹介します。
▼利用する機会・場面がない
- 投資した会社の商品などの割引券でしたが、なかなか使うことができず、期限が過ぎてしまったのでとても無駄にした気持ちになった。
- 旅行券がついていたけれど、使う時がなかった。お盆やお正月は使えないから。
- ホテルの割引券ですが、そのホテルを使用する機会がないので。
▼自分には必要ないものだった
- 携帯会社の優待。登録時の割引は他の会社に加入中のため、何の役にも立たなかった。
- あまり普段から使用しないようなものだったから。
- あまり好みの品がなかった。
▼利用できる店舗・施設が近くにない
- 近くにお店がなくて使えないから。
- イベント参加券のようなものは地方在住では使いにくかったから。
▼優待内容の質が低い
- 旅行サイトより高い値段からの割引しかない宿泊割引券。一度も使った事がないので、全く要らない優待だった。
- 思っていた以上にチープだった。
自分の生活スタイルや嗜好に合わない優待内容であったり、利用する機会や場面が限られていたりすると、優待の価値を感じにくいようです。また、優待を利用するために遠方まで出向く必要がある場合も、メリットを感じにくいことがうかがえます。
株主優待を設定する企業としては、株主の属性や利用シーンをよく考慮し、魅力的な優待内容を提供することが求められます。一方で株主も、優待内容が自分にとって価値があるか見極めた上で、総合的な観点から投資判断することが大切となるでしょう。
4.株主優待を出してほしい企業がある投資家が63.3%
次のグラフは、株主優待を出してほしい企業があるか質問した結果です。
「はい」が63.3%、「いいえ」が36.7%で、およそ3人に2人が株主優待を導入してほしい企業があるようです。
「はい」と回答した人には、具体的な企業名とほしいものも質問しています。その結果を集計して、上位5つをピックアップしたのが以下の表です。(有効回答:87人)
1位は「任天堂(7974)」で、ゲームソフトや限定グッズがほしいというコメントがありました。ゲームを通じてファンになった株主からは、株主優待を望む声が多いようです。2位以下も、個人投資家にとって馴染みのある大企業が並んでいます。
株主優待が終了してしまったことを惜しむ声もありました。2位の「日本たばこ産業(JT)(2914)」は、2023年発送分を最後に株主優待制度を廃止しています。5位の「スターバックスコーヒージャパン」は2015年に上場廃止をしており、現在は株式を手に入れられません。
2024年上旬に実施した本調査ですが、
5.株主優待情報の取得方法は「企業HP」と「証券会社サイト」に人気集中
株主優待に関する情報について、どのような取得方法が良いと思うか質問したところ、以下のグラフのような結果となりました。
1位は「企業のホームページ」の47.8%、2位は「証券会社の情報サイト」の45.3%となっており、この2つが他を大きく引き離して人気を集めています。3位は「投資情報に関するWebサイト・アプリ」の27.7%で、上位2位とは差がありますが高い割合です。
株主優待については、基本的に企業や証券会社に掲載されている公式情報で確認したいと考えている人が多いのかもしれません。ただ、株主優待の情報をまとめるWebサイト・アプリで、効率的に情報収集するのが良いと考えている人も多いようです。
なお、企業のSNS公式アカウントやLINE上の配信については、いずれも低い割合にとどまっています。企業から直接情報を得る手段ですが、SNS等を利用した情報収集は株主にはあまり定着してないことがうかがえます。
6.日常的に使えて、利回りが高い株主優待のおすすめ度が高い
最後に、おすすめの株主優待について、具体的な企業名と理由を質問した結果です。(有効回答:76人)
「イオン(8267)」が11票を集めて、2位以下を大きく引き離しての1位となりました。普段の生活で活用しやすく、還元を受けやすいのが人気の理由のようです。2位は「マクドナルド(2702)」の7票で、こちらも使いやすいというコメントが目立ちました。
3位は「すかいらーく(3197)」「ANA(9202)」「オリエンタルランド(4661)」の3社が3票ずつを獲得しました。それぞれ、優待券のコスパの良さ、優待の金銭的価値の高さ、ディズニーリゾートのチケットがもらえる点が支持されています。
上位を見ると、日常的に利用できる商品・サービスを提供する企業や、優待の金銭的価値が高い企業が人気を集める傾向にあります。また、自社の商品・サービスに対する愛着や信頼も、株主優待選びの重要なポイントになっているようです。
まとめ
今回の調査結果をまとめると以下の通りです。
- 株主優待の定番は「割引券・優待券」「食料品・日用品」「商品券・ギフト券」
- 使用用途の広い「商品券・ギフト券」を受け取りたいと考える個人投資家が多い
- 使い道が限定される株主優待は、満足度が低くなりやすい可能性
- 株主優待は、公式情報で確認したいと考える人が多い傾向
この結果からは、株主優待の満足度を高める上で、「使いやすさ」が重要な要素であることがわかります。株主の満足度を高めて安定株主化を促進するためにも、株主の属性や利用シーンを踏まえて、優待内容を慎重に検討することが大切といえるでしょう。
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