狼狽売り続出も、2024年8月の暴落では「悲観的になる必要がなかった」納得の理由【元外資系金融エリートの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月28日 11時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
新NISAが始まってすぐの2024年8月初旬に日経平均株価が暴落したのは記憶に新しいところです。その際、下落が止まらないのではないかと、狼狽売りをしてしまった人は少なくありません。しかしお金のプロである肉乃小路ニクヨ氏は、あの暴落で悲観する必要はなかったといいます。そこで本稿では、肉乃小路氏による著書『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』(KADOKAWA)から一部抜粋し、その理由と情報収集のコツについて解説します。
2024年8月の暴落では「悲観的になる必要がなかった」理由
2024年8月に起こった暴落は、「もしかしたらもっと下がったらどうしよう」という人々の不安心理が働いたのかもしれませんね。
たしかに8月初旬の値動きは突然で驚きましたが、何か急激な経済の変化があったわけでもなく、企業業績もそんなに悪くありませんでした。
たとえば日本株でいうと、日本経済新聞の記事によれば、上場企業の2024年4〜6月期決算は、全36業種の8割にあたる27業種の純利益が、前年同期よりも増えていました。国内の個人消費は引き続き強くはないですが、実質賃金も直近の6月から前年同月比でプラスになり、これも酷いという状態とはいえません。
またアメリカの雇用統計という指標が悪化して、アメリカの景気後退やバブル崩壊という連想をする人もいたかもしれませんが、そもそもアメリカは高い金利で経済の引き締めをしている状況なので、金利を下げて企業活動や経済活動を活発にさせる余地が大いに残っている状態でした。
どこかの大企業が破綻したとか、倒産したとか、そういった大問題やクラッシュが起こっているなら、大恐慌が起こる可能性もありますが、そうでない状態で、そう悲観的になる必要性を私は感じませんでした。
ちなみに今、私が説明した内容は、普段のニュースでも流れている情報です。
そういう背景が頭に入っていれば、今回はまず短期的な取引をする人たちが、思ったよりも値動きがあったために狼狽売りをして、それに続いて、もともと暴落を避けるために価格がある程度下がったら自動的に売るという設定をしていた、投資信託などのファンドが、価格がそこまで下がってしまったために売り続け、さらにその動きに動揺した個人も売り、市場が一時的にパニックになったということが判断できるのではないでしょうか。
たしかに、ニュースで直接的に「明日株式が暴落します」というようなことは言ってくれません。だから、ある程度ニュース(情報)の蓄積というのは必要となります。
また、普段から好奇心を持って、ニュースに接し、わからないことなどがあったら、放置しないで調べてみるといった姿勢が必要になってきます。
株式市場に関心があるなら朝の経済ニュースを観るべき
「自調自考」。これは私が通っていた高校の校訓でしたが、大人になってあらためてその大切さを日々感じます。
投資をしていると、お金を払っている分、自動的にアンテナ感度が高まり、好奇心を持ってニュースに接することができるようになります。日々そういうことの繰り返しをしていけば、ニュースから様々なことを考えることができるようになります。
もし、株式市場に相当の感心を持っていて、細やかな取引を希望しているならば、朝の経済ニュースを観るのをお勧めします。なぜかというと近年、日本の株式市場は前日のアメリカ市場の影響を受けやすいからです。
また、為替の円高と円安の影響を受けるので為替の状況も日本の市場が始まる前に把握しておくと良いでしょう。
把握したことから当日の動きを自分なりに予想し、その日の株式市場がどのように動いたかを検証していくと、段々とその動きがわかるようになってきます。
まさに仮説と検証。投資もある意味、科学なのだと思います。
肉乃小路ニクヨ
経済愛好家
※本記事は肉乃小路ニクヨ氏による著書『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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