あれ、おかしい…会議中に呂律が回らず緊急搬送。年収3,000万円・45歳の「外資系独身サラリーマン」、家賃月50万円・都心タワマンから「強制退去」の残念すぎる理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月18日 5時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
誰もが羨む、高所得サラリーマン。成功を手に入れ、将来に渡って心配なし……完全無敵な印象ですが、落ちぶれるときは坂を転がり落ちるように、ということも珍しくはないようです。
外資系エリート…会議中に感じた異変で緊急入院
外資系企業で働いていたという川口達也さん(仮名・45歳)。事件は重役も参加する重要な会議で起こりました。川口さんが発言しているとき、話しづらさを感じたといいます。話したいという気持ちばかりが先走り、呂律がまわらない――まわりが異変に気づき、救急搬送。川口さんの記憶は会議中のどこかで途切れ、途中すっぽりと抜け落ちています。次の記憶は、病院のベッドの上。
血管が詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなる脳梗塞。症状は突然現れることが多く、典型的な症状は、片方の手足が動かなくなったりしびれる、顔の半分が動かなくなったりしびれる、呂律が回らずうまく言葉を発することができないなど。脳梗塞含む脳卒中(脳血管障害)は、血栓を溶かす治療薬・rt-PAを用いた経静脈的線溶療法や、カテーテルを用いた経動脈的血行再建療法といった治療が知られていますが、前者は症状が出てから4時間半以内、後者は血行再建療法で6時間以内が目安といわれています。
川口さんの場合、症状が出たのが大勢の人前と、ある意味、不幸中の幸いでした。現在、リハビリを続けていますが、この調子なら発症前の生活に戻れると医者は太鼓判を押しているとか。
厚生労働省『人口動態統計(確定数)の概況』によると、2023年、日本人の死亡率、トップは悪性新生物で人口10万人あたり315.6。「心疾患」190.7、「老衰」156.7に続き、「脳卒中(脳血管疾患)」が86.3。昨今は減少傾向にあるものの、死に繋がりやすい疾病です。
その最大の原因とされているのが「高血圧」。その最大の生活習慣要因は「食塩の過剰摂取」です。都道府県別に脳卒中による死亡率をみていくと、上位から順番に「秋田県」「岩手県」新潟県」「福島県」「山形県」と、元来、塩分の摂取量の多い食習慣の雪国が並びます。このことからも、塩分過多→高血圧→脳卒中というリスクが高いことは明らかです。
ちなみに川口さんも東北の出身。しかも多いときは「週8ラーメン」という強者。健康診断で高血圧を指摘され、気を付けていたものの、ついついスープまで飲み干すことは止められなかったといいます。
年収3,000万円でも万一に対して備えなし…煌びやかな生活から転落
入院期間は2ヵ月に及び、さらにリハビリも。これまで「独り身だから好き勝手生きてきた」といいますが、ひとり頑張らないといけないなか、「あのとき結婚しておけばよかった」と、パートナーのいない現状を悔やんでいるといいます。
ただ今回、「大病をして大変だった」という話ではありません。本当に大変なことは、川口さんが入院&リハビリ中に発生。実は川口さんが勤めていた外資系企業が業績悪化につき事業部を見直し、そして川口さんは整理解雇となったのです。
当時、月収250万円・年収3,000万円と、誰もが羨む高給取りサラリーマンだった川口さん。華々しいのは仕事だけじゃなくライフスタイルも。住んでいたのは東京都心に建つタワーマンションの32階。ウォークインクローゼットがついた1LDKで、館内はスポーツジムも完備。家賃は月50万円。まさにハイクラス層だけが住むことが許される高級物件でした。
――地方出身なので、都心での暮らしに憧れがあり、また独身なので異性にちょっと格好つけたいというのも……正直ありました
そのような煌びやかな暮らしをしていたのに、一転、無職に。
――生きるか死ぬかという出来事に直面した人間に対し、「あなたを解雇します」ですから、血も涙もあったもんじゃありません
「不当解雇だ!」と争うこともできましたが、川口さんにそんな気力があるわけはなく、いくばくの退職金をもらい、会社を辞めることになったといいます。そこで困ったのは高額の家賃。
――お恥ずかしい話、入ったお金はほとんど使うという生活をしていたので、貯金らしい貯金はありませんでした。資産形成は50代になってからでいいかなと思っていたので
医療費の自己負担分と入院&リハビリ中の家賃を払うと、退職金はゼロに。今は雇用保険をもらうことができていますが、とても月50万円緒家賃を払うことはできません。「すぐに次の仕事、となればいいのですが、まだ前と同じように働けるわけではないので……仕方がありません」と川口さん。華々しい生活から、一転、現在は家賃7万円のワンルームマンション住まいだといいます。
――自分はいつまでも健康でいられる、自分は大丈夫と思っていたのですが、全然大丈夫ではありませんでした。最低限の保険には入り、最低限の貯金くらいはしていれば、こんなことにはならなかったのに
公益財団法人生命保険文化センター『2022年度生活保障に関する調査』によると、自分自身の将来のために、生活設計を立てている人は4割程度。また疾病入院給付金の支払われる生命保険の加入率は65.7%。3分の1は、「ちゃんと保険に入っていれば……」と後悔する人たちです。
日ごろ起こるかもしれない万一に対し、意外と備えができている人が多いのが現実。そこには「自分は大丈夫」という慢心があります。最低限、何かあっても、今の生活をしばらくは続けていけるだけの備えはしておきたいものです。
[参考資料]
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