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家族が亡くなりました。「相続税」はいくらかかりますか?ざっくり知るための2つのポイント【税理士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月24日 9時15分

家族が亡くなりました。「相続税」はいくらかかりますか?ざっくり知るための2つのポイント【税理士が解説】

※画像はイメージです/PIXTA

税額が高いという印象から、心配している人も多い相続税。2つのことが分かれば、相続税が課税されるかどうか、またその税額がおおよそいくらなのかを知ることができます。本記事では、いざという時のために知っておきたい相続税に関する2つのポイントを税理士が解説します。

遺産3,600万円以上から相続税が課税される可能性がある

相続税とは、相続で遺産を受け取った人が支払う税金です。しかし、相続で遺産を受け取った人の全てが相続税を支払うわけではありません。冒頭でお伝えしたように、相続をした人のうち10%以下の人しか課税の対象になりません。

これは、相続税には、遺産が一定額以下であれば課税されないという「基礎控除」があるからです。基礎控除の金額は、次の算式で求めた金額と定められています。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数

法定相続人が1人の場合は、基礎控除額は3,600万円となり、遺産総額が3,600万円までであれば相続税は課税されません。

したがって、法定相続人の人数がわからないときは、まず、「遺産総額が3,600万円以上あれば相続税が課税される可能性がある」と考えておくとよいでしょう。

相続税の計算…「法定相続人の人数」を知る必要がある

相続税が課税されるかどうかを判断するためには、基礎控除額がいくらであるかを知る必要があります。基礎控除額を求めるためには、法定相続人の人数を知る必要があります。

法定相続人とは民法で決められている「遺産を受け取る権利を持つ人」のことです。

法定相続人の範囲は次の表のとおりです。故人に夫や妻がいれば、その人は必ず法定相続人になります。また、子供がいるか、両親が健在であるかなどによって、誰が法定相続人になるかが決まります。

法定相続人の範囲

配偶者:必ず法定相続人になります

第一順位:子供・孫(直系卑属)

第二順位:父母(直系尊属)

第三順位:兄弟姉妹(傍系血族)

(上位順位の人が健在の場合は、下位順位の人は法定相続人にはなりません)

法定相続人の人数がわかれば、基礎控除額、つまり、遺産総額がいくらを超えれば相続税が課税されるかがわかります。

基礎控除額の算式をもう一度示します。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の人数

たとえば、法定相続人が3人いれば基礎控除額は

3,000万円+600万円×3=4,800万円

となり、遺産総額が4,800万円を超えれば相続税が課税されます。

早見表で相続税を簡単に計算してみよう

1.法定相続人の人数は何人か?

2.故人の遺産総額はおおよそいくらあるのか?

この2つのことがわかれば、相続税がおおよそいくらかかるかが計算できます。

相続税の税率は遺産の額が多くなるにつれて段階的に増えていきます。また、遺産総額が同じであっても、配偶者の有無や法定相続人の人数によって、税額の計算結果は変わります。

相続税のおおよその金額を知るには、次のような早見表を参照することができます。

早見表は、配偶者と子が相続人の場合と、子だけが相続人の場合に分けられています。これは、配偶者の税額軽減といって、配偶者が相続した遺産は少なくとも1億6,000万円まで非課税になる特例があるからです。

相続税の計算には不動産評価の計算が重要

相続税が課税されるかどうかを判断するときに、法定相続人の人数と並んで重要なのが、故人の遺産総額がいくらあるかです。現金や預金であれば金額がはっきりわかるので、それぞれ加算していけば遺産総額がわかります。

しかし、土地、建物、株式は、金額が示されているわけではないので、一定のルールに従って価値を計算しなければなりません。特に不動産は、実際に売買されている価格よりも低い場合や高い場合があるため注意が必要です。土地については形状や立地条件などによって価値が修正されるので、相続税に詳しい税理士の助言を受けて計算する方が確実です。

ただし、あなたが自分で土地の相続税評価額を求めたい場合には、概算であれば税理士に相談しなくても計算することが可能です。

Q&A

Q.父が亡くなりました。遺産の整理をしていたところどうやら基礎控除額を超えそうです。どうすればいいでしょうか?

A.お近くの税理士、またはインターネットなどで税理士を探して相談することをおすすめいたします。遺産の内容をメモしたものなどを持参していくと話がスムーズに伝わると思います。

Q.父が亡くなった後に葬儀代の支払いや今後の生活費のために1,000万円ほどまとめて引き出しました。父の遺産は1,000万円を差し引いた後の金額で計算をすればいいのでしょうか?

A.1,000万円を差し引く前の金額になります。相続税の計算をする際には亡くなった日を基準として計算を行うことになります。従って、お父様がお亡くなりになった後に引き出したお金は相続税の計算ではお父様の遺産として計算を行うことになります。

Q.主人が亡くなってその後の手続きなどでばたばたしており半年を過ぎたころに遺産を計算してみたら基礎控除額を超えていることがわかりました。半年経ってしまっても相続税の申告は間に合うのでしょうか?

A.間に合います。

相続税の申告期限は亡くなった日から10ヵ月以内です。これは法律で決まっており、期限に遅れた場合には延滞税という罰則の税金を追加で支払う必要があります。

相続税の申告を行う為には亡くなった方の遺産の総額をしっかりと計算する必要があります。2、3日ででき上がるものではありませんのでなるべく早く税理士へご相談することをおすすめいたします。

Q.父が亡くなって遺産の整理をしようとしていますが、どのような遺産があるのか見当がつきません。どうすればいいでしょうか?

A.ご家族であったとしても遺産の全てを完全に把握されている方は少ないと思います。 まずはご自宅を探していただき把握していない銀行の古い通帳などが出てきたらその銀行に問合せを行ってみてください。相続人の方であれば残高があるかどうかなど情報を提供してくれます。

また、不動産であれば毎年6月頃に市区町村より固定資産税の通知書が送られてきていると思います。そちらで不動産についてはご確認いただけます。

有価証券(株式や投資信託)については証券会社をご利用されている場合にはその証券会社へ問い合わせをするといいでしょう。

どうしても分からない場合には一度専門家にご相談すると遺産の調査をしてもらうことができます。

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