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ウソだろ?あの堅物の父さんが…40代息子、亡き父の知られざる趣味に絶句。年金18万円・70代元会社員がしまい込んだ、押入れ奥の「USBメモリ」まさかの中身

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月21日 10時45分

ウソだろ?あの堅物の父さんが…40代息子、亡き父の知られざる趣味に絶句。年金18万円・70代元会社員がしまい込んだ、押入れ奥の「USBメモリ」まさかの中身

(※写真はイメージです/PIXTA)

人生最後はだれもが迎える「旅立ち」。だが、残された家族は悲しみに暮れてばかりはいられない。さまざまな「事務処理」が押し寄せてくるからだ。だが、そのさなかに、愛した家族の想定外の一面を見て、言葉を失うほど驚くこともある。実情を見ていく。

増え続ける「おひとり様」高齢者たち

超高齢社会へと突入した日本だが、その一方で、高齢者の単身世帯の増加が著しいのをご存じだろうか。2023年の高齢者世帯(1人以上、65歳以上の高齢者がいる世帯)は1,656.0万世帯だが、そのうち単身の高齢者世帯はなんと855.3万世帯もある(厚生労働省『令和5年国民生活基礎調査』)。

ちなみに、女性の単独世帯は551.1万世帯と、男性の単独世帯304.2万世帯を大きく上回っているが、これは平均寿命の差だといえる。2023年の平均寿命は男性81.09年、女性87.14年。また、男性が年上の夫婦が多いことから、ひとり暮らしの高齢女性が増えているのだ。

離れて暮らす子どもたちは親の心配をしつつも、親のほうもまた、多忙な子どもたちに心配をかけまいとして、ひとりで最後まで頑張るケースは少なくない。

足立区在住の会社員・鈴木さん(仮名・40代)の父親も、そのひとりだった。

鈴木さんは、3つ違いの同じく40代の弟と2人きょうだい。実家は横浜市郊外のベッドタウンにあり、鈴木さんと弟が就職や結婚で家を離れてからはずっと、両親が2人で暮らしていた。

「私と弟が独立したのは20年以上前です。うちは母親のほうが先に亡くなり、父は10年近くひとり暮らしをしていました」

共働きだったという鈴木さんの両親。父親はもともと家事育児に協力的で、掃除・洗濯・料理はひと通りこなせるうえ、生来の几帳面な性格もあり、独居でも生活面の心配はなかったという。

「私の父は、描いたような勤勉なサラリーマンで、軽口を叩くところなど見たことがありません。しかし、大変気づかいのある人で、母が大変そうだと、すぐ気づいてサッと手を差し伸べたり、私たち子どもが問題を抱えると、言葉少なに的確なアドバイスをくれるなど、本当に頼りになる父親でした」

子どもたちの家庭を気遣い…独居を通した寡黙な父の「最期」

鈴木さんの母親が亡くなったあとも、子どもたちを気遣ってか、「大丈夫だ」「元気にしている」というばかりだったという鈴木さんの父親。

「たまに家族で顔を見せると、笑顔で迎えてくれましたが、最後まで子どもに頼るそぶりは見せませんでした…。金銭面も、生活面も」

「弟が年齢を重ねた父を心配して、同居を持ち掛けたのですが、〈お嫁さんに気を遣わせるのは悪いから〉と…」

中小企業勤務だった父親の年金は18万円程度で、手取りなら16万円ぐらいか。築古とはいえ、ローン返済ずみの自宅に暮らし、お金のかかる趣味もないようだ。また、もともとお酒が飲めず小食なことから、食習慣も健康的で、生活面での心配は少なかった。

「ところがある日、病院の関係者から、父が倒れて搬送されたとの連絡が入ったのです」

近所のスーパーに買い物に出かけた帰り道、突然倒れたのだという。

「住宅街だったので、そばの住人の方が救急車を呼んでくれました。近隣の総合病院に搬送されましたが、助かりませんでした…」

父の遺品整理…「あれ、そこにあるのは?」

鈴木さんの父親は末っ子で、遠方に暮らす伯父伯母はすでに亡くなっているか、介護施設に入所している。そのため、父親の葬儀は子どもたちだけでコンパクトに済ませた。

四十九日がすんでしばらくのち、鈴木さんきょうだいは遺品整理のために実家に向かった。鈴木さんも弟も自宅を保有していることから、実家は売却し、父親の遺産は等分にして相続手続きを完了することで決まっていた。

株式会社林商会が行った『遺品整理に関する調査』では、遺品整理を行ったタイミングとして最も多かったのは「葬儀後すぐ」で35.5%だった。次いで、「四十九日後すぐ」22.5%、「3ヵ月以内」20.5%となっている。また、遺品整理にかかった時間で最多は「1ヵ月以内」で22.0%。「1週間以内」17.5%、「3日以内」12.5%、「3ヵ月以内」12.0%となっている。

「長く住んでいる家ですから、それなりに荷物はありますが、きちんと整理されていました。母の使っていた部屋も、定期的に掃除していたらしく、ホコリもほとんどなくて…」

鈴木さんと弟は、父親が自室として使っていた、1階玄関わきの四畳半を調べることにした。

「和室には、書類棚と、書き物をするための机と椅子がありました。あとは、文庫本ぐらいでしょうか」

押入れを開けると、上段には突っ張り棒が渡してあり、普段着ていたジャケットやシャツがかかり、下段にはプラスチックの収納ケースが積まれていた。収納ケースを開けると、木製の箱に、通帳や印鑑などが角をそろえて納められていた。

「通帳をしまっていた箱は、私が中学校の美術の授業で作ったものでした。フタに、父が好きだといっていた高級外車のエンブレムを見よう見まねで彫って、色を塗ったものです。〈お前、うまいな!〉って褒めてくれたんですよね、そういえば。あの箱のこと自体、その日まで忘れていましたが、まさか父がずっと使っていたとは…」

しかし、プラケースのさらに奥に、ひと回り小さな段ボールの箱が押し込められているのが見えた。気づいた弟が苦心して引っ張り出すと、そこにはさらにいくつもの箱があり、その中にはそれぞれ、複数のカセットテープ、CD-ROM、そしてUSBメモリが収納され、ひとつひとつに父親の字で日付が書いてあった。おそらく、なにかを録音したものだと思われた。

「なんなんだ、これは…?」

USBメモリに残されたデータに、絶句

鈴木さんと弟は、顔を見合わせた。カセットテープやCDを再生できる機器がないため、鈴木さんは父親のパソコンを立ち上げ、新しい日付のUSBメモリを読んでみることにした。

「PCは、母親の誕生日を入力すると、起動できました」

USBメモリに記録されていたのは、やはり音声データだった。再生すると、いきなり激しいロックミュージックが響き渡った。

「カラオケ教室の録音データだったのです」

ロックに合わせて響き渡るのは、父親の絶叫、シャウトだった。

鈴木さんと弟は、顔を見合わせて絶句。

「〈まさか、あの父が…〉と、2人で固まりました」

これまでまったく知ることのなかった、寡黙でまじめな父親の、想定外の側面だった。

「母は知っていたのでしょうかね? いまとなってはわかりません。ただ…」

きょうだいで相続手続きの相談をするたび、音声データの話になってしまい、なかなか作業が進まないという。それだけインパクトが大きかったということだろう。

「歌のほうは、それほど上手じゃなかったみたいです」

上述した株式会社林商会の『遺品整理に関する調査』によると、遺品整理は、モノが多く、業者に依頼するケースも多く、費用は「自分たち+業者」というケースでは「1万~5万円」「5万~10万円」「10万~30万円」が22.2%、「業者に全面依頼」というケースでは「~30万円」と「30~50万円」が半数ずつとなっている。

鈴木さんの父親は整理ができていたことから、子どもたちが高額な費用を捻出することはなさそうだ。

「弟と分担して、モノも思い出も、後悔なく整理を進めていきたいと思います」

[参考資料]

総務省『統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-』

厚生労働省『令和5年国民生活基礎調査』

株式会社林商会『遺品整理に関する調査』

幻冬舎ゴールドオンライン編集部

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