お父さんは海にまいたわ…20年、父と絶縁状態の「54歳長男」が緊急帰国。「57歳長女」の仰天発言に「ギョッ」とするも一転、号泣したワケ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月19日 10時45分
(※写真はイメージです/PIXTA)
人生の終わりのための活動である終活。自分のため、というよりも、残された家族が困らないため、という想いが強いようです。実際、終活をしっかり行い、しっかりと遺志を伝えておくと、残された家族にとってプラスにないようで……。
20年絶縁状態の父親が死去…海外から長男が帰国
親の死に目に立ち会えなかった……意外と多いものです。鈴木哲也さん(仮名・54歳)もそのひとり。3ヵ月ほど前に亡くしたのは、83歳になる父親。実は折り合いが悪く、20年近く絶縁状態。しかも哲也さんは10年ほど前には日本をたち、現在は海外暮らし。家族には住まいも知らせていなかったといい、父親が亡くなったことを知るまで3ヵ月ほど経ってしまっていたといいます。
哲也さんを探していたのは、姉の三鈴さん(仮名・57歳)。10年ぶりぐらいに話したといいますが、開口一番「相続とかいろいろとあるんだから、連絡が取れるようにしろ!」と激怒されたとか。いきなりのことでビックリしたといいますが、父親が亡くなったことを知った際には、落胆が大きかったといいます。
――もう家族とも2度と会わないと思い、海外に行ったのですが、歳をとった今となっては、きちんと和解しておきたかったなと思います
――1回帰国して、墓参りでもしよう。いろいろ、手続きもあるみたいだから
そう考え、日本に10年ぶりの帰国。そして20年ぶりに実家に帰省を果たしました。10年ぶりの姉・三鈴さんは、やはりご立腹のままだったといいます。父親との確執の延長で、勢い余って家族と絶縁していた哲也さん。流れ弾に当たったような三鈴さんが怒るのも無理はありません。とにかく平謝りをしたのち哲也さん、「とりあえず墓参りがしたい」と伝えました。
父との関係がこじれる前に母は亡くなりましたが、そのとき困っていたのがお墓。どこに買うべきか等決め切れず、いつまでも納骨できずにいることを哲也さんは覚えていました。あれから20年。お墓の場所を哲也さんは知りません。
株式会社はせがわが行った『お墓に関する実態調査』によると、直近5年以内にお墓を購入・改葬した種類として、旧来型の「一般墓」が49.0%、「永代供養型のお墓(樹木葬・納骨堂を含む)」が49.7%と、回答は大きく二分。また今後、お墓を購入・改葬を検討している人の8割が「永代供養型のお墓」を希望。お墓の考え方も時代とともに変わってきているようです。
またお墓選びの際の悩みとして、最も多かったのが「墓の跡継ぎ」で46.7%。「墓の定期的な管理ができるか」が43.0%と続きます。昨今、墓じまいと耳にする機会も多いですが、残される家族が困らないためにどうすべきか……一番の悩みどころ。そのためお墓選びにおいては、「費用面」(56.3%)よりも、「立地・アクセスの良さ」(58.0%)のほうを重視する傾向にあるようです。
死んだら海にまいてくれ…亡くなった父の真意
哲也さんとしては、早くお墓にいって、帰国したことを亡き父に伝えたい思いでいっぱいでした。そんな哲也さんに対して、姉・三鈴さんは
――お父さんなら、海にまいたわ
――えっ⁉
思いもしない言葉に、一瞬、姉が何のことをいっているかわからず、ギョッとしたという哲也さん。実は父親は生前、亡くなったら海に散骨してほしいと三鈴さんに伝えていたのだとか。その思いを組んで、三鈴さん、海洋散骨を選んだのだとか。
――それなら、俺の帰国を待ってくれたらよかったのに
――いつ、連絡がつくかわからないのに、そんなことできるわけないでしょ
さらに姉に怒られた哲也さん。なぜ父親は海洋散骨を希望したのか。それは、唯一、「哲也さんは海外に住んでいるらしい」という情報だけは父親の耳に入っていたのだとか。
――海に骨をまいたら、あんたに会えるんじゃないかと考えたんじゃないの。知らないけど
父親は晩年、体調を崩し、寝たきりになっていたといいますが、実家に戻り介護をしていたのが長女の三鈴さんでした。実家暮らしは2年にも及び、その間、つきっきりで父を介護してくれたといいます。それに対して弟は、父親と絶縁状態とはいえ、一切、連絡先を伝えずに海外へ……三鈴さんの怒りが収まらないのも無理はありません。
――まあ、お父さんを海にまいたからあんたも戻ってきたのかもしれないし。遺志が叶ってよかった、よかった
と三鈴さん。そんな事情を聞いた哲也さんは、父親の気持ちに触れ、ただただ涙が止まらず、子どものとき以来、声を出して泣くしかなかったといいます。
株式会社NEXERとイオンのお葬式が行った『終活の必要性に関するアンケート』によると、82.4%が「終活は必要」と回答。
・遺族に負担をかけないようにするため(60代・男性)
・高齢の母が亡くなって、遺品整理の難しさを感じた(70代・女性)
・お墓や相続も含めて遺族で自分の死後もめないように(70代・男性)
など、遺族の負担軽減の意図が強いようです。残される家族にしても、遺志をきちんと伝えてもらったほうが、心残りがなく、きちんとお別れをすることができます。哲也さんの父親も、しっかりと終活をしたから、絶縁状態の息子と再会を果たすことができたといえるかもしれません。
[参考資料]
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