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月収42万円・46歳サラリーマン「地元の国立大以外は認めんぞ」に受験生の息子は大反発。「親父には頼らない」の先に待ち受ける「残酷な結末」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月21日 5時15分

月収42万円・46歳サラリーマン「地元の国立大以外は認めんぞ」に受験生の息子は大反発。「親父には頼らない」の先に待ち受ける「残酷な結末」

(※写真はイメージです/PIXTA)

再び、実質賃金がマイナスとなり、「給与が上がらない現実」を目の当たりにしている世のサラリーマン。いよいよ子どもの希望も叶えられないほど、切羽詰まってきました。

地元じゃ中の上でも…とても「東京の私大」には通わせられない

厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、2024年8月の速報値、所定内給与は26万4,038円で前年同月比3.0%増。現金給与総額は29万6,588円で3.0%増、32ヵ月連続のプラスとなりました。さらにパートタイムを除く一般労働者に限ると、所定内給与は33万3,182円で2.9%増。現金給与総額は37万7,861円で2.7%増、41ヵ月連続のプラスとなりました。

景気よく聞こえるかもしれませんが、報じられている通り、令和2年平均を100とした実質賃金指数は、現金給与総額は84.1と前年同月比0.6%減。3ヵ月ぶりのマイナスとなりました。つまり物価増加分の賃金増加分を上回り、実質給与減の状態に戻ったということです。賃上げ効果により、今年6月、27ヵ月ぶりに実質賃金がプラスに転じたものの再びマイナスに。プラスに転じたのは企業業績を反映した賞与の効果が大きく、一時的なもの。庶民感覚としては、まだまだ給与減が続いている……そんな苦しい状況です。

また日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第99回<2024年9月調査>)』によると、1年後の景況感について、「良くなる」は6.6、「悪くなる」は36.2。「良くなる」から「悪くなる」を引いたD.Iは-29.6。今後に対しても明るい材料がなく、何ともどんよりしている世の中の空気感が表れています。

なかなか先が見通せないなか、世のお父さんたちも、子どものためにと何でもお金をかけてあげる余裕がなくなってきました。

――とても東京の私大に通わせるだけのお金がなくて、長男に「地元の国立大学以外は進学を認めない」といっています

地方の広告代理店に勤める山本大輔さん(仮名・46歳)。月収42万円、子ども2人いて、手取りは月33万円ほど。この地域では「中の上」くらいの給与だといいます。

総務省『小売物価統計調査(動向編)』によると、2023年、国立大学の入学金は文系・理系どちらも28万2,000円、授業料は文系53万8,841円、理系で53万8,859円。4年間で、文系・理系ともに243万円ほどになります。

一方、私立大学の入学金は文系で21万9,481円、理系で23万4,113円。授業料は文系で75万9,376円、理系で110万5,023円。4年間で文系なら325万円、理系で465万円です。

さらに全国大学生活協同組合連合会『第59回学生生活実態調査』によると、2023年、下宿生の「仕送り」は平均7万0,120円。「奨学金」は平均1万9,660円、「アルバイト」は平均3万6,110円。収入の合計は月12万9,240円でした。

自宅から通えない大学であれば、国立大学で年間135万円ほど、私立大学であれば160万~200万円ほどの負担になるわけです。山本さんの収入だけでは、ちょっと東京の大学は難しい、地元でも私立は避けてもらいたい……息子であっても本音をいわないといけないほど、家計は火の車のようです。

「大学なんて行かない!」が現実になったら…給与・年金の格差に唖然

そんな父親に対して、長男は猛反発。

――なんで親父は東京の大学に行ったのに、俺はダメなんだよ!

――地元の大学なんて行きたいところないし。それなら大学なんていかねーよ

息子の言い分もわかります。山本さん自身、東京の私大に進学し、東京で就職。子育ては環境のいい田舎でしたいと妻と話し合い、30代になってから地元にUターンしてきました。今となっては、自身の親がずいぶんと無理をして大学に通わせてくれたのだとわかります。だから自分も……そうはいっていられないほど、時代はずいぶんと厳しいのです。

――ダメだ、大学くらい出ておかないと苦労するぞ

山本さん、そういうのが精いっぱい。それに対し息子は「学歴とかいう時代じゃないだろ!」とさらなる猛反発をくらったのだとか。

学歴を重視するなど過去の話といわれるようになりましたが、たまたまチャンスを掴むことができた人、特筆する才能があった人など、ほんのひと握りの話であることは、大人であれば誰もが知るところ。

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、同じサラリーマンであっても高校卒(平均年齢44.6歳)の平均給与は月収31.6万円、賞与も含めた年収で518.8万円。一方で大学卒(平均年齢42.6歳)だと月収40.8万円、年収で673.6万円。月で10万円弱、1年で150万円以上の給与差が生じています。

さらに生涯年収で比較すると、学校卒業から60歳まで、ずっと平均給与を手にしてきたと仮定すると、高校卒で2億円、大学卒で2.5億円と家1軒分の差が生じます。さらに給与差はそのまま年金差に。65歳から受け取れる年金額は基礎年金と厚生年金の合算で、高校卒なら月16.2万円、大学卒なら月18.1万円。月2万円ほどの差が生じます。現役時代に比べると差は小さくなりますが、年金に大きく依存する老後。1年で24万円、10年で240万円、20年で480万円……たとえ月2万円の年金差でも、インパクトはかなり大きなものになります。

学歴による給与差、年金差は歴然です。もちろん進学する大学によっても給与差は生じ、大学に行ったからといって、高給が約束されているわけではありません。しかし学歴を乗り越えて高給を実現する人は、確率的に低いといわざるを得ません。

――親父の力には頼らない。高校を卒業したら働いて見返してやる!

そう反発する息子の未来は残念な結果に終わる確率が高い……これが、何とも残酷な現実です。

[参考資料]

厚生労働省『毎月勤労統計調査』

日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第99回<2024年9月調査>)』

総務省『小売物価統計調査(動向編)』

全国大学生活協同組合連合会『第59回学生生活実態調査』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

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