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「反省してないよね!」クレーム対応で絶対NGな“火に油を注ぐ”対応例…初期対応時の「最も重要な行動」【アンガーマネジメント協会代表理事が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月22日 9時15分

「反省してないよね!」クレーム対応で絶対NGな“火に油を注ぐ”対応例…初期対応時の「最も重要な行動」【アンガーマネジメント協会代表理事が解説】

画像:PIXTA

クレーム対応の際、「自分のせいではない」という気持ちから、誠意を込めて謝罪できなかったり、焦ってパニックになってしまったりした経験はないでしょうか。そのような態度は、クライアントや顧客に誤解を与え、かえって相手をさらに怒らせる原因となります。本稿では、研修講師として25万人以上にアンガーマネジメントを指導してきた戸田久実氏の著書『アンガーマネジメント大全』(日経ビジネス人文庫)から、意外と多くの人がやってしまう、クレーム対応時に絶対避けたい「火に油を注ぐ」対応例や、怒りを鎮めるための具体的な方法について解説します。

お客様との関係が“余計に”こじれてしまうケース

Q:クレーム対応で余計に相手を怒らせてしまいました

A:最初に誠意ある謝り方をしよう

クレーム対応の際には、まずは気持ちを込めて謝罪すること。そのうえで、お客様の気持ちに共感しながら事実を確認し、今後についての提案をしていきましょう。

クレームを言うとき、顧客側は応対する人に対して「あなたの会社の製品やサービスに問題があった」「あなたはこの組織の人間でしょ」と、会社の代表としての対応を求めています。そのクレームに対して、担当者がきちんと謝罪ができなければ、お客様も、振り上げたこぶしを下げられなくなってしまいます。

そこで謝らない担当者の多くは、心のなかで「わたしの失敗ではない」「わたしの責任ではない」などと思っています。そのため、「担当者から他人事のような対応をされた」「誠意が伝わってこない」と二次クレームになり、揉め事がさらに大きくなってしまうのです。

わたしのもとにも、クレーム対応の相談が数多く寄せられますが、実際に、お客様との関係が大きくこじれてしまったケースとなると、責任者の謝罪では足りず、最終的に役員の人が出るということも少なくありません。クレームが大きくなってしまうときには、図1のようなことをしてしまいがちです。このような対応は、火に油を注いでしまうので、絶対に避けましょう。

クレーム対応の「流れ」

クレームを受けたときには、まず相手の怒りに振りまわされずに適切な対応をしたいものです。

面と向かっているのであれば、頭を下げて表情や声でも謝罪の気持ちを伝えます。電話であれば「このたびは申し訳ありませんでした」と気持ちを込めて謝りましょう。このとき、何について謝っているのかを明確にしておいてください。そして、謝罪をしたあとに、今後の提案をしていくようにしましょう。

「このたび、○○の不手際でお客様にご迷惑をおかけしてしまいました。大変申し訳ありません」「従業員の対応でご不快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした」そのあとに、「今後はこのように対応させていただきます」と提案をしていきます。

お客様の怒りをしずめるには“傾聴から”

謝るときは「わたくしが対応いたしますので、恐れ入りますが詳しく状況をお聞かせいただけますか」というように、相手の話をヒアリングすることも欠かせません。

お客様が気持ちを話しているときは、「そうですよね。そんなことをされたらご不快な思いをなさいますよね」「いつ対応してもらえるのかとご心配になりますよね」と、お客様の気持ちに共感しながら事実を確認します。

そして改めて「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪しましょう。それから、「わたくしどもとしましては、このようにしていこうと思っておりますがいかがでしょうか。具体的には……」と今後についての提案をしていきます。相手の話をしっかり聴くことで、お客様に落ち着いていただくこともできます。

また、最初に相手の気持ちをしずめる謝り方ができるかどうかは、クレームの初期対応時ではもっとも重要なことです。まず真っ先に「このようなことでご迷惑をおかけして申し訳ない」と謝罪できていないと、お客様がもともと怒っていた原因よりも、「あなた、反省していないよね!」「悪いと思ってないよね!」と、さらなる怒りを生んでしまうことになります……。何について謝っているのか、しっかり伝わるように謝罪をしましょう。

「決して人格を否定されているわけではない」ことを肝に銘じる

なかにはクレーム対応が苦手な人もいます。このタイプの人は、お客様に何かを言われると焦ってパニックになってしまったり、過剰に身構えてしまったりする傾向があります。

人は「自分が責められている」「やり込められている」と思うと、過剰に構えてしまうものです。思い当たる人は、「わたしはこの組織の代表者で、この会社とお客様をつなぐ橋渡しの役割をしているんだ」と自分に言い聞かせるようにしてください。対応に慣れるには、場数を踏むことも必要です。

もうひとつ意識したいのは、決して自分の人格を攻撃されているものではないと言い聞かせて対応すること。厳しいことを言われると、精神的に参ってしまう人もいるのですが、「自分を否定されているわけではない」ということを思い出すだけでも、気持ちが変わってきます。クレームの対応をするときに、落ち着いて深呼吸をしてから話をすることも効果的です。

アンガーマネジメントにもさまざまな方法があります。

たとえば、勇気づけの言葉を自分にかけるという「ポジティブセルフトーク」という方法はおすすめです。お客様の対応をする前に「大丈夫。わたしなら対応できる」「わたしがんばれ!」といった言葉をかけましょう。

気持ちが落ち着く言葉を唱える「コーピングマントラ」という方法もあります。「落ち着いていこう」「OK OK」といった言葉もいいですし、まったく関係のない「ワンツースリー」「コケコッコー」といったフレーズを使う人もいます。

日頃から自分に合う言葉を用意しておき、ピンチになったときや、パニックになりそうなときには、自分にその言葉をかけて、心を落ち着かせてみてください。意外と効果がありますよ。

戸田 久実

アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事

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